主義&ニズムというバイアス
作品には、良くも悪くも、メッセージがこめられ、そのメッセージの中には、あなたのコアな考え方や思考そのものが存在しているはずです。
例えば、
あなたは理想主義か?
それとも現実主義か?
・・・と質問されたら、あなたは、
「私は理想主義です!」もしくは「私は現実主義です!」
とはっきり答えられますか?
「そうすねぇ〜、んー。場合によりますが、どちらかと言えば・・・」etc
そのように、もし、あやふやな答え方しかできないなら、あなたの作品テイストもおぼつかなくなってしまう気がするんですよ。
あなたのメッセージが中間色であれば、作品も中間色が反映されてしまいます。
「なんちゃって感」があれば、なんちゃってキャラクター&物語が完成しますよ?
そう。つまるところ、読者の心に刺さらないと思っても言い過ぎではありません。
ですから、ストーリー作りは自分探しと言っても、間違いではないと思います。
はい。もう一度聞きますよ?あなたが好む思想は?何主義ですか?
「・・・・うーん。ていうか、そういう小難しい考え方、めちゃ苦手です!」
あ、失礼しました。お堅いですよね。笑
ではちょっと柔らかくいきましょうか?
例えば、
〝努力は無駄か?〟とか、〝人生は金か?〟とか、
こんな感じでシンプルでもいいですし、できれば身近なことでいいんですよ。
あなたが気楽に考え浮かびやすいもので大丈夫です。
「なるほど。それならできそうかも」
「人生は金だ!」笑
本当ですか?
「・・・・」
ほら。あなたは本当に〝人生は金〟だと、そう言い切れますね?
「・・・・」
つまり、ストーリーやキャラクターの質を向上したいと望んでいるのでしたら、、、
物事に対する捉え方、どのようなシチュエーションでどんな行動をとるか、あなたの深層心理を確定させていく
これが、うってつけだとボクは思います。
作品の骨格(骨子)や、決め手となるものがなく、「私はどちらでもありません」「どちらでもないのが私です」っていうのは無しですよ?
もう一度質問します。あなたの主義主張は何ですか?「私は〜で〜と考えてます!」と、はっきり答えることはできますか?
例えば、こんなテーマ(考え方)でもよいと思います。
「努力なんて無駄だ」
「努力は大事だ!」
努力は題材です。テーマとはあなた(主人公)の考え方です。
テーマ(考え方)もアイデア素材と言えますが、コロコロ変えるんじゃなくて、一般的に近い普遍的な考え方と差別化できていればよいと思います。
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よく「この作品は、インスパイアして思い浮かびました!」という作家さんおられます。
それは、もともと自分の中にあったものを、しっかり表現しきれた結果であると思います。
例)
「私は節約家だ」
「いや、金は使うべきだ」
あなたのストーリーが幹だとすれば、あなたの主義主張は根だと言えるでしょう。
根っこのない木はすぐに倒れてしまいます。ですから、出来事のあなたの最適な結論と本質を兼ね備えるいくしかありません。
「そもそもこの作品で何が表現したいんだ?」と自問自答し続けてみてください。
そして、あなた自身で、できるだけクリアな解答を出してみるとよいでしょう。
そのような骨格があなたに備わっていれば、ストーリーの根幹に大地の栄養分を吸うための根がはりめぐらされていると思います。どんな作品でも描きやすい材料があるので、バリエーションも増やしやすくなります。
生きていると、様々な経験や体験をするじゃないですか。それは、言い換えればあなた自身のオリジナルストーリーですし、オリジンルナアイデアであり、オリジナルキャラクターではないでしょうか。
キャラクターという媒体を通して、あなたの主張を物語として表現ができるようになるのです。
何かに刺激を受けたら、いろとりどりみどり、捉え方なんて千差万別です。
関連記事:創作とは自分探し
大抵の人は、その貴重な経験や捉えることができたことを、「いや、大したことないです」と軽く見ちゃうんですよ。
上映されたアニメ映画などの感想は、目を輝かせながらアウトプットできますが、自分自身のことになると引っこんでしまう駆け出し作家さんが増えてきているようです。
市場で人気の強い作品、強いキャラクターは、やはり自分の中にあるテーマ(考え方)をきちんとしぼって磨きをかけてブランド化させています。
作品を通して主義主張をする上で気をつけて欲しいのは、他作品のストーリーの影響を受けた自分ではなく、自分そのものを主張するように心がけていきましょう。
関連記事:作ってはいけない主人公
さて。ストーリー作品の中には、肯定と否定が存在しています。
例)努力
「努力など机上の空論だ!」
「いや、努力で必ず実現できる!」
〝努力したけど満足のいく成果は得られなかった〟〝でも、少なくとも前の自分より成長できた〟という経験や体験がおありなら、その思いを物語に反映できるということです。
つまり、描きたいことは〝努力は無駄にならない〟になりますし、ラスボスは「努力なんぞバカバカしい!」といって葛藤と対立を描写しやすく、主人公の決め台詞にも活かすこともできます。
参考記事:キャラの印象的な台詞を考える
努力に関する主義主張があれば、物語のアイデアが浮かびます。
例)お金について
お金に困っている人が身近にいて助けてあげた、あるいは助けられた、その後、感謝した、感謝されたという経験がおありなら、物語の結末や舞台のヒントとしては描きやすくなるはずではないでしょうか。
〝お金はたくさんある方がいいけど、お金は使い方が大事だ〟というテーマで物語りが描きやすくなるかもしれません。
お金は、貧困や福祉に役立てよう!あるいは戦国の兵糧攻めに使う、宇宙人が攻めてくるので、宇宙開発にお金を使うべきだ!
でましたね。宇宙人とか戦国とかいうキーワード!
そのような、何(WHAT)、つまり舞台設定は、いくらでも後付けできるのではないでしょうか?そのような属性は一階層下になります。
ボクが申し上げたいのは舞台設定でなく、舞台の根幹部分(あなた自身)の考え方や主義主張を、まず優先してしぼりこむことだと思います。
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逆に、そういう物事の捉え方ができていない、あるいは体験がなければ、無理に物語にしようとしなくても大丈夫です。心あたりのあるテーマを選び、他をあたっていきましょう。
だって。現時点のあなたに経験や体験がなければ、作品にしづらくないでしょうか?ご自分の身の丈にあった作品づくりをしましょう。
創作はなるべく迷わない方が楽しいですよ。
関連記事:迷わない視野の広げ方
もし仮にあなたが、何か取り組んでいることがあり、努力してもなかなか結果がでないし、モチベーションもあがらない・・そんなことが毎日で死にそう。つまり〝努力は、つらいことだ〟と現時点そう感じているのであれば、その先はないので、物語にしずらいと思います。
努力しつつけた結果、こんな素晴らしいことがあるよ!という物は描きづらいです。
逆に、努力で困難を乗り越えた実体験があれば、理想的な物語に仕上げやすいということになります。
困難を乗り越える過程で、〝努力よりも合理的の方がいい〟〝そもそも楽だ〟という安易な思いもあるはず。そんな小ずるいキャラを登場させても面白くなりそうですよね?
テーマは、題材や課題そのものではなく、個々の考え方や主張による葛藤・対立が背景にあります。
例)浮気や不倫はよくない。罪である。
そりゃ、当然です。ボクだって不倫されたくないし浮気なんてしたくありません。子供や家族がいればなおのことでしょう。
ですが、
浮気、不倫される原因は、妻や夫に原因があったならいかがでしょうか?
いやいや、それは自己正当化でしょうに!と思うかもしれません。しかし、事情や背景があれば反論できなくなりますよ。
例えば、
ペットの猫ちゃんばっかりかわいがる妻、夫の気持ちは後回し。家のドアを開けたら、おかえりなさいという挨拶もなく、スマホでツムツムゲームで遊んでいる。夫の労働の苦労を労えない妻。夫の不満ばっかりで、自分の趣味で戯れるためのお金さえあれば満足。家でろくに掃除もしないで散らかっしっぱなし。洗い物はいつも夫が片付けている。妻は、調子にのって、たまには温泉旅行が行きたい!子供に遊園地をつれていってよ!要求ばかりされたとします。上司にひどく叱られ、お客さんとの板挟みになりながらも妻子を養うために働いている夫に対しての立場も知ろうともしない。「もう、いい加減にしてくれよ。休日くらい頼むから少しは休ませてくれ」と反論しただけで、強く物が言えない大人しい性格をいいことに、妻は「私の願いを一つも聞いてくれない!」「私を幸せにしてくれるって約束したよね?」とヒステリックに愚痴る妻。挙句の果てに、妻の実家のおやじから電話がかかってきて、「娘を幸せにするといったじゃないか!」と怒鳴られる。
夫は妻に謝り「いや、上司に強く物が言えないんだ!少しは俺の気持ちをわかってほしい」と言っても、妻の反応は「あなたが男らしくないからよ!はっきり物がいえないからいけないのよ!」「それはあなたの問題でしょう!それ私に言ってどうするのよ!」とまったく聞く耳をもたないし、理解を示さない妻。いくら女優並の美人でも、妻に対する愛情も冷めざる得ませんし、心の居場所を失った夫は、満たされない気持ちを酒場でフラストレーションをはらします。酔った勢いで、かわいいキャバクラ娘に誘惑され一夜を共にしまった。そんなはずじゃなかったのに・・・と後悔しても手遅れ。夫は、取り返しのつかないことをしてしまい。ついに、妻に浮気がバレる。妻からしてみれば、裏切り者であり犯罪者。妻は夫を責めます「私という女を差し置いて、キャバクラ女と一夜を共にしたなんて許さない!」「離婚よ。子供は私が引き取ります。慰謝料払ってね!」夫にとれば、被害者なのに加害者にされてしましました。
いかがでしょうか?(あ、ボクの身の上話ではないので誤解しないでくださいね(^^;)
あなたは、このようなエピソードを知れば、浮気や不倫が悪い!罪だ!とは言い切れないでしょう。事の本質を考えざるえないはずです。
何が問題なのか?
間違ってもいいから、あなたが納得できる明確な答えを出すんです。それが物語の種になります。そういうネタって巷に転がってますよ。
ぶっちゃけ、不倫をしてもいい!離婚すべきだ!と感情を優先させた場合、人間はそんなもんだという主義・思想をもったメッセンジャーになります。
それだと単なる評論家になっちゃうんですよ。
妻のわがままに他ならない!とか、夫が強くなるしかない!感情的になっていれば、厳しく見積もってエンターテーナーとしてはまだまだ薄いかもしれません。
もし、自分だったら・・・・
あなたが当事者の気持ちに向き合い改善するための道筋やゴールが見いだすことができれば、読者を喜ばせ感動を与えるメッセンジャーになるでしょう。
これこそが人間観察であり、自分探しなんです。
ゴールが見えたらドラマが見えてきます。つまり深みのあるストーリーが描けるようになります。
自分がはっきりこうだ!と言える主義&ニズムはございますか?
物語に必要なテーマ性には、バイアスを持つことって大切ではないでしょうか?
あなたが正しいと思えることであれば、たとえ主観であっても表現ができるんですよ。
もちろん、思想や考え方というのは、〝絶対〟というものはありませんし、時代によって流れていくものです。人によって捉え方は十人十色です。
ですから、現時点の自分と、次の段階が明確になっていれば、ご自分のペースで上を目指すという話になると思います。
あなたが新しい考え方、ご自分が〝こうだ〟と納得のいく考え方を発見していけばいくほど、ストーリーづくりに深みが増していきます。
混乱しない程度に、自分のペースは保ちつつ、柔軟な心のスタンスで少しずつ進化していけるといいですね。
あなたの創作を応援してます。
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