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着想のコツ(その2)

2019年12月22日

前回、着想のコツ(その1)の続編ですが、アイデアの出し方は、あなたが、普段から興味があること、関心事のキーワード(複数の要素)を融合して、ネタを引き出すということでした。

やはり、着想して終わりではなく、それをいかに物語へ進展させるかがカギですから、“スポーツ”、“地球自然環境破壊”、という異なるキーワードで、物語をイメージできないか?

これについて具体的な解説をしていきますね。

スポーツ + 自然環境破壊 =??????

なんとなく適当で構わないので、結末(ゴール)が浮かび上がったとします。(書くか書かないかは別として)

例えば、
〝名もないプレイヤーが戦いに勝てば自然環境破壊を阻止できる〟というストーリー。

この場合、ストーリー全体のボリュームが、1話で完結できるか?4話で完結できるか?とりあえずざっくりイメージしてみてください。

関連記事:作品ボリューム

着想したらボリュームを決める

スポーツが個人競技でなくて、仮に対戦系でいくなら、相手を倒せば一回戦、もしくは二回戦で終わります。

また、自然環境破壊という壮大なテーマですから国連の議員キャラを登場させたり、世界情勢の裏舞台なんかも絡めたりすればちょっと長引きそうですよね?

あなたが、もしもスパークしちゃって、第1部、第2部 シーズン2とかスピオフとか、「あれも」「これも」状態になる前に、まずは、4話くらいかな?と暫定的に決めてしまいます。

例えば、
仮に、6話完結と決めた場合・・・
前半3話まで何を書くか? 後半3話は何を書くか?
あるいは、2話、4話、6話を区分して何を書くか?
最終話までざっくりイメージします。

着想とは、パッと考えて直感で始まりと終わりを決めます。

関連記事:直感の鍛え方

いかがでしょうか?

ボリュームを決めることは、つまり〝おしり〟を決めることと同じです。

おしりを決めた時点で、どこに何をメッセージを入れるのか、全体像が見えてきませんか?

物語には、スタート地点があれば、必ずゴール地点があります。

仮に、作品のボリュームを6話完結と決めたら、6話でメッセージを伝えないといけないわけですから、何とか物語をまとめていけるように、ストーリーを構築していきましょう。

仮に6話完結物と決めたら、次に、必要のない要素を削り取る作業をしていきます。

消去法で全体を固めていく

まず、真っ白なノートに定規で、どこからどこまでを書くのか決めたあと、余分だったり、いらない部分を削るのがストーリー作りの基本スタンスです。

よい着想とは、直感的にパッと思いつき、大体これくらいの長さならできそう!っていう感じなんですよ。

買い物の例え話があったように、脈絡もないまま「あれも!」「これも!」と膨れ上がるのは、よくない着想だと考えられます。

例えば、先の
名もないプレイヤーが戦いに勝てば自然環境破壊を阻止できるにまつわるアイデアが浮かんだ場合。
・排気ガス減少キャンペーン
・国連議員のスキャンダル
・地球寒冷化でっち上げ騒動
・ギャンブラーとの駆け引き
・森林破壊を目論む支配者
・バーチャルスポーツプロゲーマー

このアイデアの内、主人公がプレイヤーで最終的に勝たないと自然環境破壊が阻止できないわけですから、
体感スポーツプロゲーマーと森林破壊を目論む支配者以外、あんまり関係ないですよね

であれば、上4案をまっさきにカットします。

・排気ガス減少キャンペーン
・国連議員のスキャンダル
・地球寒冷化でっち上げ騒動
・ギャンブラーとの駆け引き

・森林破壊を目論む支配者
・バーチャルスポーツプロゲーマー

すると、少し物語がうっすら見えてきますよね。

削った部分ですが、削りすぎてもうま味がなくなってしまうじゃないですか。

なので、、、
①バーチャルスポーツ→キャラがメインになりそうなストーリー
②地球環境破壊→テーマ性が強そうなストーリー

この、2つの要素の内、どちらをメインにするかを選んでいきます。

つまり、キャラクターがメインか?舞台がメインか?

難しい選択かもしれませんが、この物語の作風が決まりますし、あなたが今まで描いた作品(得意なジャンル)を参考にして決めてみてください。

キャラクターを主体にするなら、熱血キャラが展開するスポーツでもいいですし、舞台を主体にするなら、自然環境破壊を阻止といったパニックものなどのシリアスなインテリジェンスものになると思います。

あるいは、ちょっと高度で、あまりお勧めできませんが、キャラも舞台もどちらも捨てがたいので、熱血スポーツとパニックシリアスものでもよいかもしれません。

着想とは、何かを決めて何かを犠牲にすることでもあります。

つまり、どちらの要素を主体(メイン)に置いて、何を省くか?が上手な着想のコツになります。

何度も申し上げますが、主軸が決まらなければ、方向性が出ません。当然、創造力が膨れ上がりカオス化しやすくなりやすいです。

関連記事:着想に迷ったときにするコト

では、仮にキャラクターをメインに置いて、スポーツ根性もの、いわばスポコンをメインにするとしましょう。

その際に、まず競技は何にしたらよいか?国際を絡めて考えることがコツになります。

スポーツも、競技によって短かったり長かったりしますよね?

・ボクシング
・サッカー
・フットボール

ボクシングの場合、映画「ロッキー4」(炎の友情)ではアメリカVSロシアで国際問題スポーツが絡みました。

サッカーの場合、映画「少林サッカー」で、少林寺拳法サッカーを融合させ、貧乏から一気にスターに駆け上る物語になりました。

フットボールの場合、映画「タイタンズを忘れない」では、白人黒人との異例な混合チームが、コーチを中心に一つになって優勝していきました。

サッカーもフットボールもチームなので、キャラが多い分、6話ではとても収まりきれない→×
ボクシングなら、プレイヤーは一人短編に収まりそう→○

作品ボリュームを同時に考える際には、個人競技なのか団体競技なのかも念頭におきながら、得られたアイデアから、消去法で物語をスリム化させていきましょう。

あなたの創作を応援しています。

関連記事:物語の展開パターン