入口の作り方

もしあなたが遊園地の「お化け屋敷」の制作オーナーだとしたら、何を第一に優先して考えますか?
たとえば初心者向けストーリー作りのコツとしてよく語られるのが、「物語のゴールから逆算して設計する」ことなんですよ。
入口を先に考えると、お客さん(読者)をどの方向へ誘導するか見えてこないので、物語の落とし所(クライマックス)を先に考えましょう。
①クライマックス(最後の最後にビビらせる)
②出口(エピローグ・またお越しください)
③入口(オープニング・是非続きを読んでください)
ストーリーの構築は、このような順番で進めるとよいと思います。最初にクライマックスから考えた上で、最後に読者を呼びこむための入口を作ります。
はい。あなたが、クライマックスと出口の考えがまとまった前提で、入口の作り方をご紹介していきます。
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入口づくりの極意
入口づくりは、とにかく多くのお客さんに、お化け屋敷の魅力を伝えて関心をもっていただきたいものです。つまり、漫画のストーリーを考えるためのヒントにもなりますよ。
なるべく分かりやすく目立つように。
結論から申し上げます。
前置きはできるだけ短く簡潔に!これに尽きます。
出口の作り方の場合は、謎(余韻)を残し、あやふやでもよかったんですが、入口の場合はその逆になります。
よろしいでしょうか?これ、スーパー大事です。入口はあいまいではいけません!
とにかく、的確にすばやく理解しやすいように目的を伝える!これがオープニングの基本となります。
入口づくりは、多くのお客さんに、お化け屋敷の魅力を伝えて関心をもっていただきたいものです。なるべく分かりやすく目立つように。
読者が迷子にならないように
あなたの作品のオープニングが
①この世界舞台で何が起ころうとしているのか?
②主人公が何故、それを目指しているのか?
まず、この2点が、いち早く読者が理解しやすいか確認してみてください。これは、脚本家志望のための創作テクニックとしてもハイパー重要な視点です。
読者が、入口(オープニング)の段階で「ん?」とつっかかれば、100%興味が冷めてしまうと思っても言い過ぎではありません。
オープニングは、長編や短編にかぎらず〝わかりやすさ〟が求められます。だって、わざわざ難しいそうな話を読みたいと思いますか?
例:やりがちなダメな導入
例えば、
ライド暦1482年(アンシュラ15年)南大陸西北に位置するギルガネスに君臨するアルフレッド大帝は、敵国諸島のゼビルヴィンダーレ4世に電光石火のごとく抑止力をかけた。女性スパイであるフェラニクセラ・ルルロイデンを潜伏させ陸軍幕僚のレニクレス・デソイフォス大将を調教しようとしていた。ところが──
↑ 適当に作りました。笑
ん?って感じです。いったい誰が何をどうしようとしている話なのかわかります?
以前に、作品のボリュームはどれくらい?でご紹介しましたが、オープニングは、最低でも1話内で、主人公の目的を伝え、興味と関心をもたせてあげないと、お客さんは離脱してしまいます。
残念ながら「で?どうなるの?」って、思ってくれないんですよ。
つまり、読者がついてこれていないんです。はじめから。
架空戦記ものはわかるのですが、やたら長い名前も覚えられないですし、政治的、軍事的な専門用語が多くてそもそも聞いたことのない国名で、「何ですって?」「ゼビルヴィンダーレ4世って誰よ?」「俺、そんなん知らねーって!」←ひとりつっこみです(笑)
魅力的なオープニングの作り方
読者は自分が楽しむための時間を裂いて、あなたの作品を読んでくれようとしているわけです。
だからこそ、入口は「わかりやすく、手短に」。これはすべての創作に共通する鉄則です。
オープニングのつくる方法は、作家さんによって色々とあると思いますが、最低限、創作前の3つの決め事(意識すること)──
・誰が(主人公)
・何のために(目的・理由)
・何をしようとしているのか(行動・選択)
この3つを、しっかりと認識しておくことが大切です。
これはつまり、キャラクター設定の重要性と方法にも関わってくるんですよ。キャラがぶれていたり、目的が曖昧だと、読者は共感することができないかもしれないからです。
あなたの創作を応援しています。
【お化け屋敷を作る順番】
①出口の一歩手前→クライマックス
②出口→エピローグ(結末)
③入口→オープニング←今ここ
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