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オープニングの作り方

2020年7月29日

オープニング作りは、絵コンテを書くような感じで、一つ一つのシーンを描写して、読者が自然に話について来れるか?がポイントです。

具体的には

①キャラクターの動機が分かるように描く
②キャラクターが、葛藤、対立している情景が分かるように描く
③キャラクターの動機と行動を一致させる
テンポよく展開させる

など。

まだ他にもありますが、オープニングとはざっくりこんな感じです。

キャラクターとは特に主人公です。この主人公の作り方は、以前の記事にて紹介してありますのでご覧ください。

関連記事:誰?の決め方のコツ(主人公)

シリアス系ラブコメディー&ギャグ漫画作家の高橋留美子さんのオープニングの作りは、個人的にどの作品も秀逸で関心させられます。

たった数ページのコマだけで、個性あふれるキャラが登場し、セットアップパート(物語の本題に入るための状況説明や前段階の話)を、明示しながら、読者の心をすばやく鷲づかみにしてしまいます。

出だしの惹きつけ方が大変上手なんです!

特に、ボクが大好きな『めぞん一刻』(ネタバレ注意)のオープニングについて少しご紹介します。

主人公の五代君が、ならずものの住人たちに囲まれ、嫌気が刺して怒鳴りながらボロアパートから出ていこうとした時、超美人な管理人さんがやってくる。
玄関でばったり目が会い、主人公は管理人の響子さんに一目ぼれしてしまう。

そんなシチュエーションから始まっており、物語の入口がとてもわかりやすくて秀逸なんです。

関連記事:入口の作り方

この入口で、すでに、果たして五代君と響子との恋の行方は?

・・・・というCQ(セントラルクエスチョン)が示されています。

わずか数ページだけで、「ふむふむ続きは?」と読者の興味と関心を惹きつけるパワーがあります。

あなたがストーリー作家なら、リズムや展開のテンポ、濃すぎるキャラ(存在感)の表し方などを研究したら、何か役立つかもしれません。

魅力的なオープニングをつくる目的は、読者を引かせることはもちろん、クライマックスを暗示させ、最後まで見届けさせることです。

入口を作る前に、物語の企画段階で〝これは絶対いける!〟という確信部分があります。その確信部分こそが物語の中で一番盛り上がるクライマックスです。

つまり、クライマックスあっての入口であり、いかに物語の終盤へ引っ張っていくためのフックツカミが作れるかがポイントになります。

この話、何が起ころうとしているのか?いったい最後はどうなるの?という引き(トリガー)を強めさせることが大切です。

関連記事:ストーリー作品としてのフック

クライマックスへもっていくためのオープニングの作り方の注意点ですが、

①キャラクターの行動を小難しかったり複雑に感じさせないようする。
②エロやグロなどのカンフル剤は使用せずに、できるだけ自然に引っ張る
③次の展開がわかるようでわからないようにする。(わかりすぎてはいけない)
④次の展開が気になるから読んでみよう!という興味を持たせる

物語の終盤(クライマックス)はもちろん、五代君と響子さんがゴールインして夫婦になります。(あ、ネタバレですね。大丈夫ですか?)

読者は「多分そうだろうなぁ」と薄々わかりながらも、簡単にゴールにたどり着けない、二人が結ばれないリミットハンディーキャップが付与されているので、どのようにゴールする?と見入ってしまうわけです。

特に、主人公の目標(ゴール)にを阻む個性的なキャラクターが次々と現れ、しかも形勢のバランスがうまくとれています。

響子さんの気持ちが、少しずつ五代くんの人柄に惹かれる(惚れていく)過程が描かれ、中盤のトライアル・アンド・エラーパートでは(うまくいく・うまくいかない)が展開されていきます。

具体的には、響子さんと五代くんのすれ違いとか、二人自身に乗り越えない壁があったり、誘惑があったり。

安易にこの二人を結ばせない演出力があります。少しずつ誤解が溶けていき、二人の愛が膨れ上がり、大人になっていく成長物語系の展開パターンです。

これから何が起ころうとしているのだろうか、この二人はどうなるのか?

あなたの作品のオープニングで、期待値が高いか確認してみてください。

読者に続きを追わせるためには、この期待値を高くさせるための工夫も必要になります。

五代くんと響子さんがむすばれる結末はオープニングの作りで見えているのに、続きが読みたくなる理由は、単純で複雑なんですよ。

関連記事:わかりやすく複雑にする

ラブコメディーにおいては、キャラクター同士の対局構造を設定し、リミットやハンデなどの設定すると、面白いオープニングが作りやすくなります。

例えば、五代君にも浪人生というハンディーキャップがあり、響子さんには、亡き夫の執着心がクライマックスにもっていくためのネックになります。

その設定で、二人が結ばれる道のりは、あまりに程遠いのです。

でも、読者に注目してもらいのは、どのように課題を解決していくのか、どのように二人は近づいていくのか、その一部始終を見守って欲しい、見届けて楽しんでもらいたいという作家のエッセンスが感じられます。

以上、オープニングの作り方を解説してまいりました。参考になれば幸いです。

あなたの創作を応援しています。

関連記事:セットアップパートの作り方(その①)