リミットを与える

「制限」があるから物語は走り出す!
〜リミットを活かしたストーリー展開のススメ〜
こんにちは、ボクです。
今回は、物語をグッと面白くする「リミット」についてのお話をしますよ。
「なんかこのストーリー、盛り上がらないなあ⋯」
「主人公が強すぎて、ハラハラしないんだよなあ⋯」
そんなとき、ぜひ思い出してほしいのが「リミット」という仕掛けなんです。
◆リミットって何?
リミットとは、ざっくり言えば「制限」や「制約」のことです。
物語の中で、主人公や世界そのものに「これはできない」「ここまでしか行けない」という“壁”をあえて設けることで、物語にリアリティや緊張感を与えるんですよ。
例えば、
・あと48時間で異世界の扉が閉まってしまう!
・その魔法、特定の場所では使えない!
・病気で残された時間はあと半年⋯
こういう制限があるからこそ、物語は転がっていくんです。
何でもできる無敵キャラって、意外と物語が進みにくいんですよね(ラスボスが「退職届」とかで倒されるパターン、困るんですよ⋯)。
◆リミットには2種類ある
リミットには、大きく分けて「非日常のリミット」と「日常のリミット」があります。
それぞれ、ちょっと見ていきましょうね。
関連記事:舞台設定
◯ 非日常のリミット
ファンタジーやSFなど、日常では起こらない世界でのリミットです。
例えば、
・強力な魔法が使えるけど、「神殿の結界内では無力になる」
・魔界から来たけど、「帰りのゲートがあと24時間で閉じる」
・変身能力があるけど、「日が暮れると強制解除される」
こういう制限があることで、能力バトルにメリハリが生まれたり、展開にスピード感が出るんですよ。
◯ 日常のリミット
こっちは現実世界寄りの設定ですね。
・受験日まであと1ヶ月!(胃がキリキリするやつ)
・不治の病で余命があと半年(もう泣けてくるやつ)
・試合までにケガを治さなきゃいけない(スポ根漫画でよく見るやつ)
日常リミットの良いところは、読者が「自分ごと」として感じやすいことなんです。
特にスポーツや医療、学園モノなどは、この“わかりやすさ”が大事なんですよ。
◆リミットと舞台設定の関係
ここでちょっと、舞台設定のおさらいです。
物語を考えるとき、こんな3つの要素を意識すると世界がグッと具体的になるんですよ。
・この世界で何が起こっているのか
・誰がどんなふうに問題を解決しようとしているのか
・解決するにはどんなハンディやリミットがあるのか
この3つの中でも、③の「リミット」はめちゃくちゃ重要です。
なぜなら、物語を引き締める“ゴールのライン”になるからなんです。
逆に言えば、リミットがないと物語がダラダラしやすいんですよ。
だって、いつでもなんでもできちゃうなら、読者も「今やらなくてもいいじゃん?」ってなりますからね。(ボクも締切なかったら原稿終わらない気がします)
関連記事:舞台設定の3つのポイント
◆リミットは、ハンディキャップと重ねると効果倍増!
もうひとつ大事なことがあります。
それは「リミットとハンディキャップはセットで使うと強い」ってこと。
例えば、
『魔女の宅急便』では、キキが途中で魔法の力を失って、ホウキで飛べなくなっちゃうんです。すると、お仕事ができなくなりますよね??
「いやいや、魔女の基本スキルやん!?」ってツッコミたくなりますが、
その“当たり前”が使えなくなることで、逆に物語がすごくドラマチックになるんですよ。
つまり、
・リミット=状況的な制限(時間・場所・環境)
・ハンディキャップ=主人公の個人的な問題(能力・性格・病気など)
この2つが重なっていると、物語は一気に“熱く”なるんです。
例えば、
・時限爆弾があと5分で爆発する!(リミット)
・主人公は手の震えでコードが切れない!(ハンディ)
・恋人の命がかかってる!(モチベ爆上げ)
みたいな感じで、感情と状況のダブル制限がかかっていると、読者は自然とページをめくっちゃうんですよね。(そりゃそうだ!気になって寝れない)
◆ご都合主義を避けるには?
非日常の世界では、どうしても「何でもアリ」になりがちです。
でもですね、そうなると逆に“ご都合主義”っぽくなってしまって、読者が白けちゃうんですよ。
だからこそ、空想世界ほどルールを決めて、制限をかけることが大切なんです。
・魔法には売り物で金がいる
・転生先で使えるスキルは1日1回まで
・世界の法則で「ある行動はできない」と制約する
この制限を上手く設定しておくと、ファンタジーなのにリアリティが生まれるんですよ。
つまり「夢の世界なのに、心がついていく」っていう感じですね。
◆まとめ:制限があるから感動できる
もし、あなたの物語がちょっと単調だったり、山場が弱いなと感じたら、
ぜひ「リミット」を与えてみてくださいね。
制限は、物語の敵じゃありません。
むしろ、制限があるからこそ、キャラクターの行動に価値が生まれるんですよ。
そして、できれば主人公の内面(ハンディ)と、外側の世界(リミット)を絡めて、
ストーリーの深みを作ってあげてください。
あなたの物語に、もうひと味加えたいとき──
そのスパイスが、「リミット」なんです。
(カレーで言えば、ルーが煮崩れないためのとろみ!←急に主婦目線)
すみません。というわけで、今回は「リミット」についてたっぷり語ってみました。
あなたの創作を応援してます!
元の記事へどうぞ:ハンディキャップ効果