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セットアップパートの作り方(その①)

2021年6月11日

セットアップパートとは?物語の冒頭で読者を引き込むための考え方

今回は、物語の序盤にあたるセットアップパートの作り方についてご紹介しますよ。
以前ご紹介した、トライアル&エラーパートプランニングパートの記事とあわせて読むと、物語構成全体の理解が深まると思います。

セットアップパートとは?

一言で言えば、物語の舞台設定や状況説明をするパートです。

これは、ボクが提唱している「創作前の3つの決め事」──

①主人公は誰?(WHO)
②なぜその行動をとるのか?(WHY)
├②-1 何(目的)をするのか?(WHAT)
③どうするのか(HOW)

この中の②WHYと③WHATの間にある「目的」に該当するんですね。

つまり、セットアップパートとは、

・主人公が「何をしようとしているのか?」(目的)
・その世界で「何が起きているのか?」(舞台設定)

を、読者にわかりやすく伝えるための重要な導入部分なんです。

物語の世界を“わかりやすく”見せるために

セットアップパートで大事なのは、細かい情報をたくさん出すことじゃありません。
むしろ、それって何の話なの?という問いにシンプルに答えられることがポイントなんです。

初心者向けストーリー作りのコツとして言えるのは、読者に「めんどくさそう」と思わせないことですね。

例えば、ゲームのコントローラーが複雑すぎたら、遊ぶ気になりませんよね?
それと同じで、小説を書くためのストーリー構成でも「入口」が複雑すぎると読者が離れてしまうんです。この概念は「ユーザビリティ」にも通じていて、1988年に認知科学者ドナルド・ノーマンが提唱した考え方にも一致します。
読者がスムーズに物語に入っていけるようなユーザー・センタード・デザイン(UCD)的な視点が、今の創作には求められているんですね。

セットアップパートの役割と狙い

もう少し具体的に整理しますと、セットアップパートでは以下のような要素を提示するのが基本になります。

・主人公の目的や使命が何か?
・その目的を妨げている脅威や壁(葛藤・対立)が何か?
・それをどう乗り越えていくのか?という問い(セントラルクエスチョン)は?

これらを、読者に伝わるように短く・明確に描くのがコツです。

これは特に、漫画のストーリーを考えるためのヒントにもなります。1話〜2話くらいで、主人公の立場や目標がはっきりしていないと、読者の興味は薄れてしまうんですよ。

ボクもこのパートの作り方で何度も失敗しました。「とりあえず書き始めよう」と思って見切り発車したら、後からグチャグチャになって、結末どころか途中で収拾がつかなくなったことも多々あります。

だからこそ、あなたにはボクのような遠回りをしてほしくない。
ボクが提唱する「スリーベース理論」を活用しながら、脚本家志望のための創作テクニックとして、このセットアップパートを武器にしてほしいと思ってます。

関連記事:創作前の3つの決め事

そして「ラスボス」を見据えよう

最後にもう一つ、セットアップパートで意識してほしいのが「ラスボス」という考え方なんですよ。

ここで言うラスボスって、ドラクエの魔王とかじゃないんです(そういうのも嫌いじゃないけど!)。
恋愛なら告白の壁、ミステリーなら真犯人、青春ものなら夢の実現といった、主人公にとって“最後に立ちはだかる大きな障害”のことを指すんですね。

この“ラスボスの存在”を物語の最初からうっすらでも見せておくと、読者は「この物語、どこに向かっていくんだろう?」ってワクワクしてくれるんです。

例えば、映画『アナと雪の女王』では、当初は「エルサが暴走してしまったのが問題の中心か?」と思わせといて、実は最大の障害はハンス王子の裏切りだったりしますよね(あの爽やか笑顔、まさかの腹黒!)。
あれも、物語序盤から“心を閉ざす人”や“信じすぎるアナ”の描写が入っていたからこそ、ラストの裏切りが効いてくるんですよ。

読者の興味を引き出すキャラクター設定の重要性と、その配置方法もこの段階で決めておくと、後半の展開がグッとスムーズになるんです。

【解説】ラスボスとは、物語の最後に立ちはだかる最強の敵です!でも実は「強い敵」だけじゃなく、自分の心の弱さがラスボスになることもあるんですよね!序盤からチラッと登場させることで、終盤の感動が何倍にもなるんです。あなたの物語のテーマを考えるヒントにもなる、ラスボスの正体や役割をわかりやすく解説していますよ。気になったらCHECK!

まとめ

セットアップパートとは、
主人公の目的・舞台設定・ラスボスの存在を、読者にわかりやすく伝える導入部です。

このパートが読者を物語に引き込むための鍵であり、同時に、作者にとっても作品全体の設計図となります。

ボクが何度も失敗してたどり着いたこの考え方が、あなたの創作活動に少しでも役立てばうれしいです。

次回も具体的な創作テクニックをご紹介していきますので、楽しみにしててくださいね。

あなたの創作を応援してます!

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