ハンディキャップ効果

主人公のハンディキャップを活かせば「巻き返し」物語はもっと面白くなるんですよ
今回はハンディーキャップを活かした「巻き返し」の話をしていきますよ。初心者向けストーリー作りのコツの中でもかなり重要なポイントになりますから、じっくり読んでみてくださいね!ストーリー作りでよく出てくる用語なんですが、わかりやすく解説していきますね。
そもそも「巻き返し」って何なんです?
巻き返し(リバーサル)というのは、簡単に言うと「形勢逆転」ですよ。
物語の中で、主人公が窮地に立たされて「もうダメだ!」となったところから、意外な助けやひらめき、偶然の出来事によって、再び希望が見えてくる転換ポイントなんです。
ボクたちが映画や小説でドキドキワクワクする瞬間って、この巻き返しが訪れた時じゃないですか?
例えば、ヒーロー映画で敵にボコボコにされてた主人公が、仲間の登場で反撃を開始するとか。恋愛ドラマで振られたはずの相手が、やっぱり自分の元に戻ってきてくれるとか。ああいう「よっしゃキター!」って瞬間ですね。
でもですね、「巻き返し」が面白くなるために必要なことがあるんですよ
この小説を書くためのストーリー構成で、巻き返しって、最初から作ろうと思って作れるものじゃないんです。
その前に、絶対に必要なのが「ハンディキャップ」ですよ。つまり、主人公が圧倒的に不利な状況に追い込まれていることが大事なんです。
だって考えてみてください。最初から主人公が強くて、敵が弱くて、スイスイと目的を達成していったら、誰も「巻き返し」に感動しませんよね?(え?RPGのチートプレイかな?)
というわけで、まずは「主人公のハンディキャップ」をどう作るかがポイントになってくるんですよ。
ハンディキャップが物語の面白さを生む秘密
漫画のストーリーを考えるためのヒントとしても、ハンディキャップって要するに「不利な条件」のことですね。
主人公に大きな目標を与えつつ、その達成がめちゃめちゃ難しい状況に追い込んであげればいいんですよ。すると自然に物語には起伏が生まれてきますよ。
例えば、ボクたちがみんな大好きな『ロード・オブ・ザ・リング』(以下ネタバレ注意ですよ!)を思い出してくださいね。
主人公はフロド。ラスボスは闇の帝王サウロンです。
サウロンの軍勢はオークやナズグルなどの化け物たちがワンサカいて、世界中を覆いつくそうとしてるわけですよ。しかも味方側だった白の魔法使いサルマンまで闇落ちして敵に加わるし、頼みの綱だったガンダルフもバルログと一緒に深淵に落ちちゃうし⋯もう八方塞がりもいいところですよ。
フロドはどうしたか?
指輪を抱えて逃げるのが精一杯ですよね。剣を振り回しても敵には全然歯が立たないし、一緒に旅してる仲間たちも普通のホビットだったりして、これからどう戦えばいいの!?って絶望感満載なんです。(ここで「誰だよ、この無理ゲー設定したの!」って叫びたくなりますね)
敵が強すぎれば、自然と主人公は不利になる
脚本家志望のための創作テクニックでもよく言われることなんですが、つまり、ラスボス(敵対者)が強大であればあるほど、勝手に主人公はハンディキャップを背負わされるんですよ。実にシンプルなんです。
「よし、じゃあ敵をめちゃくちゃ強くすれば、自然に盛り上がるんだな!」と思ったそこのあなた、半分正解ですよ。
でもですね、これだけじゃまだ足りないんですよ。
このままでは物語は「逃げてばっかり」で終わっちゃいます。読者は「もうちょっと希望見せてくれよ!」と痺れを切らしてしまいますよ。(たまに絶望感マシマシの作品もありますけど、心がすり減るんですよ⋯)
そこで「巻き返し」の種まきを仕込むんですよ
ここからが物語作りの腕の見せどころです。
主人公に「ほんの少しの希望」を与えてあげるんですよ。
これが巻き返しの第一歩なんです。
例えば、フロドにも頼れる仲間たちが現れますよね。
・魔法使いガンダルフ
・剣士アラゴルン
・弓の名手レゴラス
・ドワーフ族の戦士ギムリ
この豪華メンバーが揃って、読者はこう思うんですよ。
「お?これならサウロン倒せるんじゃね?」と。
でもですね、もちろんそんな簡単には倒せません。
どんなに仲間が増えようが、サウロンの軍勢の数に比べればまだまだ圧倒的に不利なんです。ここが絶妙なバランスなんですよ。
ちょっとだけ有利になったけど、まだ安心できない。
この「微妙な希望と不安のバランス」が、読者をグイグイ引き込む力になるんですよ。
さらに緊張感を高める「裏切りの可能性」
ハンディーキャップを活かしてもっと面白くするテクニックがありますよ。
それは「主人公側に裏切りそうなキャラを寄生させる」ことです。(寄生って言い方よ!)
『ロード・オブ・ザ・リング』なら、やっぱりゴラムの存在が象徴的ですよね。

彼は元々指輪に魅入られていた人物で、フロドたちの旅に途中から同行しますが、いつ裏切るか全く読めません。キャラクター設定の重要性と方法を考えるうえでも、こういった「危険キャラ」の配置はすごく有効なんですよ!
こういうキャラがいると、読者は「コイツ大丈夫か!?裏切らない?マジで!?」とハラハラし続けます。
(ボクなら3日でストレス性胃炎になりますね)
これが「不確実性の演出」です。結末の予測がつかなくなることで、読者は最後まで物語に引き込まれていくんですよ。
実はラスボス側にもハンディキャップを仕込めるんですよ
面白いのはここからなんです。
あまりにラスボスが強すぎると、今度は読者が「どうせ勝てないじゃん」と冷めてしまうリスクも出てくるんですよ。
というわけで、ラスボス側にも弱点を仕込むんです。
『ロード・オブ・ザ・リング』では、指輪そのものがサウロンの命綱になっています。
もしその指輪を火山の溶岩に落として破壊すれば、サウロンは滅びるという唯一の手段が提示されますよね。
これが物語の「目的(ゴール)」になるわけです。
「え?ラスボスは倒せないけど、指輪なら破壊できるかもしれないぞ?」という新たな希望が生まれます。
でも、もちろん簡単にはいきません。
指輪の誘惑にフロド自身が負けそうになるわ、ゴラムが奪おうとするわ、ナズグルが執拗に追ってくるわで、胃がキリキリする展開が続くんですよ。(消化薬必須ですね)
この力のバランスのゆらぎが「巻き返し」を生み出すんです
つまり、物語が盛り上がるためには、
① 最初に「圧倒的不利な状況」を作る
② 小さな希望を与える(仲間の登場、弱点の発見など)
③ でも安心させすぎず、新たな危機を投入する
④ さらに大きな巻き返しが発動する
という「希望と危機のシーソーゲーム」を繰り返していくのがポイントなんですよ。
これが上手にできると、読者は物語に夢中になってページをめくり続けてくれますよ。
逆に、これが下手だと「最初から勝つのわかってたし」や「展開読めたわ〜」と冷められてしまうんですよ。(恋愛ドラマでよくありがちなパターン⋯)
巻き返しを作るための実践テクニック
最後に、初心者の方でも実践しやすい巻き返しのコツをまとめますね。
◆ 敵を強く設定する
最初から主人公が勝てそうにない相手を用意しておくんですよ。
◆ 主人公に弱点を与える
身体的、精神的、環境的なハンディキャップを背負わせておくんです。
◆ 徐々に味方を増やす
強力な仲間の登場で「希望の芽」を育てますよ。
◆ でも安心させすぎない
味方の中に裏切り要素を仕込むのが効果的ですよ。
◆ ラスボスにも弱点を設定する
主人公の目的を「ラスボスを直接倒す」ではなく「弱点を突いて倒す」にすると、ストーリーが知恵比べになりますよ。
◆ 希望と危機のバランスを常に揺らす
「やっと希望が見えた!」→「でも新たなピンチ!」を繰り返すことで、読者はドキドキし続けますよ。
というわけで、今回は「ハンディキャップ」を活かした「巻き返し」の関係についてお話しました。
ストーリー作りはバランス感覚がとっても大事なんですよ。ほんのちょっと希望を見せたり、ほんの少しだけ危機感を足したり、読者の心を揺らすその細かい工夫が、物語を一段上のレベルにしてくれます。
あなたの物語にもぜひ、緩急の効いた「ハンディーキャップ」を仕込んでみてくださいね。
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