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どんでん返し

2020年5月23日

どんでん返しと見開きに大きく書かれた台本

〝物語はどんでん返し〟から作りなさいとよく教えられてきました。

はじめに断っておきますが、どんでん返しというのは、クライマックスとは別ですよ。

どんでん返しは、クライマックスの一部分です。

クライマックスは、主人公が念願の目的(ゴール)を果たす最後パートであり山場のシーンです。

どんでん返しとは、その絶頂点を越えてひっくり返すことだったたり、落としこむ瞬間です。

「ええええええ?」
「そうだったの?」
「あ、そういえば!」
「うわっ騙された」

・・・という読者の、驚きのリアクションを起こさせる装置。

最後の最後にきての 「どんでん返し」。

「あと、もうちょいの所で」
「え?何?マジで?」
「うわぁ、やばいじゃん!」
「どうするの?どうなるの?」

──どんでんがえし──
(ドドーォォ・・ン)

「えええええええええ?」
「げげっ!」
「なるほど!そうか!そうか!」
「やるじゃん!主人公」
「いっけええええ!」

・・・という読者の反応になります。
このお約束パターンは、あなたの作品にないよりかはあった方がよいと思います。

驚愕のどんでん返し!
衝撃のどんでん返し!

ミステリー物のキャッチフレーズ広告でよく謳われています。

どんなエンターテイメント作品も、物語に解決をもたらし、収束させるための必然があります。このどんでん返しの痛烈なショットシーンの表現によって作品を鮮やに仕上げていきます。

この「どん」「でん」という語源ですが、実は歌舞伎の舞台裏装置から来ているようです。

観客席側から見たステージの床ですが、実は、この床の裏側が背景画になっており、ステージの背面壁を後方へ押し倒すことで、床の裏面の背面壁が現れるんです。

まるで忍者技の〝畳返し〟のように、一瞬で場面が切り替わり観客を感動させる仕掛けです。

この時、鳴り物の楽器で「ど~ん」「で~ん」という音を出すことで、どんでん返しと呼ばれるようになったそうですよ。

少し本題から横に逸れましたが、
ともかく、このどんでん返しで読者の度肝を抜いた後、あなたはドヤ顔をするのです。笑

この快感を得るために今、物語を描こうとしているのではないでしょうか。

強いて言えば、このどんでん返しの瞬間を描くために、今、苦労しながらコツコツと物語を書き綴っているかと思います。

あなたの物語のラストに、是非、もうひとヒネリとインパクトを装飾していきましょう。

関連記事:ヒネリや奇想天外を考えるタイミング

さて。今から読者目線に立って視点を切り替えてください。

ストーリーを追ってきた読者さんは、物語の行方や結末が「どうなっちゃうの?」という期待値が高いでしょう。

その上、あなたにミスリードされ、まんまとだまされたことが明らかになる瞬間は、きっと驚きが隠せないと思います。

冒頭で申し上げた通り、ストーリー作りは、まずどんでん返しのアイデアからです。

でも、どんでん返しって、なかなか思いつかないものですよね。

何故、すぐに思い浮かばないかというと物語の展開を考えつつ「最後どうしようか?」と、同時進行で考えざるを得ないからだと思います。

そもそも、はじめからどんでん返しが思いつくこと自体が稀でしょう。

はじめから出来レースで主人公とラスボスは、あらかじめ勝敗が決まっています。

かと言って、読者に「あぁ、主人公は結局勝つんじゃね?」と結末を予測させては面白味がありません。

関連記事:結末を予測させないコツ

「んー。言っていることはわかるんだけど・・・」
「いまいち、どのように考えればよいのかわかりません」

ですよねぇ。では、ちょっとだけコツを教えますね。

どんでん返しは、ぶっちゃけ難問解決のアイデアです。

そのアイデアの出し方の一つとして、

エピローグ(ラスボスを倒した後のお話)と、序盤(オープニング)から中盤(展開パート)に残した伏線を回収することを意識すれば、大ピンチに見舞われた主人公の難問の解決策が浮かびやすくなります。

例えば、
主人公が彼女に告白して付き合える物語

つまり主人公が好きな彼女へ告白して受け入れてくれたらハッピーエンドです。ですが、クライマックスは、〝実は彼女には彼氏がいた〟という展開。(がーん・・)

やっと主人公が告白する準備が整ったのに、元カレが彼女と寄りを戻そうとしている深刻な展開です。

作中史上、大ピンチが主人公に襲いかかります。

もはや、主人公は絶体絶命の状況の中、すべての策も尽き、やるべきことは全てやったけど、四面楚歌、万事休すです。

好きな彼女と元カレが、キスしようとしているのを主人公が見守っている場面があったとしますよ。

そんな中、作家として決定的なカード(切り札)を行使するには、本編の中で伏線を探し当てる必要があります。

ヒントは本編の中にあるはずです。

伏線を見つけるには、まず主人公以外の身近な登場人物の言動に注目してください。

序盤・中盤あたりの展開パートに、つじつまが合いそうなシーンを思い出すんですよ。

例えば、序盤で元カレには別の彼女ができており、その別の彼女が、元カレの不正を暴露するとか。
あるいは、中盤あたりで、主人公が好きな彼女が「昔は簡単に人を好きになれたのに今は怖くて・・」という台詞があり、その文脈を別の解釈にして「今は、あなたに飛び込めないから、心の整理ができるまで待ってて」要するに「あなたが好き」というサインだった。など。

実はあのシーンは、ここで使えるかも
あの台詞の意味は別な解釈ができる

・・・などヒントを拾い集めてください。

ここで注意すべきポイントは、解決の糸口がこじつけであってはいけないということです。

瓦解するための理由は、こじつけではなく意味づけすることが大切です。

こじつけは、作者のご都合主義になりかねないのでお気をつけください。

関連記事:結構犯しやすい〝意味づけ〟と〝こじつけ〟

どんでん返しの考え方は、人それぞれですが、ボクが作品を創作する中で培った内容を紹介させていただきました。

少なくとも、あなたが進めている物語の導線が複雑に歪曲してなければ、何らかしらヒントが得られるかもしれません。

どんでん返しの奇抜なアイデアが思い浮かび、衝撃的なクライマックスが表現できて素敵な作品に仕上がりますようご健闘お祈りしております。

本日もお付き合いいただき、ありがとうございました。

関連記事:クライマックスの作り方