ズームインとズームアウトで物語は一気に立体になるんです
キャラクター設定の重要性と方法
物語づくりをしていると、こんな壁にぶつかることはありませんか?
「キャラクター設定は考えたはずなのに、なんだか薄い」
「ストーリーを書き始めたけど、途中で迷子になる」
「アイデアはあるのに、形にならない」
これ、才能がないわけでも、センスがないわけでもありません。
多くの場合、考え方の視点が片寄っているだけなんです。
そこで今回は、初心者向けストーリー作りのコツとして、
ボク自身のかなり恥ずかしい失敗談も交えながら、
「ズームイン」と「ズームアウト」という考え方を使って、
キャラクター設定の重要性と方法をわかりやすく解説していきますね。
人は無意識に「どちらか」だけで考えてしまう
まず、あなたに質問です。
物語のアイデアを考えるとき、どちらのタイプでしょうか?
・壮大なテーマや世界観から考える
・キャラクターの細かい設定から考える
例えば、夏休みの自由研究を決める場面を思い出してみてください。
「地球の内部構造について調べたい!」
と、スケールの大きいテーマから考える子もいれば、
「家でできる簡単な実験がいいなぁ」
と、かなりざっくり方向性だけを考える子もいます。
どちらも間違いではありません。
でもですね、物語づくりにおいては、どちらか一方だけだと失敗しやすいんです。
……はい、ここでボクの出番です。
ボクの失敗談:デッサンでズームインしすぎた話
ボクが大学受験のために、美大向けのデッサンを勉強していた頃の話です。
課題は「空き瓶の静物デッサン」。
モチーフはシンプル。だからこそ、構図とバランスが超重要。
なのにボクは、
瓶の先っちょから描き始めました。
「この口の形、完璧じゃない?」
「ガラスの厚み、うまく表現できてる!」
……と、細部に全集中。
ズームイン、ズームイン、ズームイン……
そして描き終わって、ふと全体を見ると。
瓶が、
画用紙の下(地)に、
ギリッギリ。
いや、正確には、もうアウト。
余白ゼロ。逃げ場なし。
構図、完全崩壊。
自分でも思いました。
「……あ、これ、やったわ」
先生の一言はシンプルでした。
「最初に全体を見なさい」
そりゃそうだ。
ズームアウト、完全に忘れてたんです。
「木を見て森を見ず」は物語でも起こる
この失敗、あとになって気づいたんですが、
そのまま物語づくりにも当てはまるんですよね。
例えば、キャラクター設定。
あるシーンで主人公が失敗した。
↓
「このキャラはダメな人間だ」
……いや、早い早い。
物語全体(森)を見てみると、
・過去に誰かを助けた経験がある
・努力してきた積み重ねがある
・この失敗が転機になる
こうした流れが用意されていることも多いはずです。
一場面(木)だけを見て判断すると、
キャラクターはすぐに平面的になります。
これは、小説を書くためのストーリー構成でも、
よく起こるつまずきポイントです。
でも、全体だけ見ていてもキャラは生きない
じゃあ、ズームアウトだけ意識すればいいのか?
というと、これも違います。
「この物語のテーマは友情です」
「主人公は優しい性格です」
設定としては正しい。
でもですね、それだけだと何も起きない。
・どんな言葉遣いをするのか
・怒ったらどうなるのか
・服装は?癖は?弱点は?
ここが決まっていないと、
キャラクターは紙の上で立ち止まったままです。
これは、漫画のストーリーを考えるためのヒントとしても重要で、
「コマの中で、キャラが何をしているか」
を説明できないキャラは、読者の記憶に残りません。
ズームインとズームアウトとは何か?
ここで改めて整理しましょう。
ズームインとズームアウトは、
カメラやスマホの操作をイメージするとわかりやすいです。
◎ズームアウト
・物語全体を見る
・テーマ、ゴール、構成を考える
◎ズームイン
・細部を見る
・キャラクターの行動、感情、設定を詰める
物語づくりでは、
この2つを何度も往復することが大切なんです。
ボクのデッサン失敗も、
「最初にズームアウトしていれば防げた」
ただそれだけの話なんですよね。
(わかってても、やらかすのが人間ですが)
ジャンル別・ズーム思考の使い方
小説を書くとき
◎ズームアウト
・短編か長編か
・どこで始まり、どこで終わるか
・感情の山と谷
◎ズームイン
・主人公の過去
・思考のクセ
・口癖や反応
これは、小説を書くためのストーリー構成を考えるうえで、
かなり効いてきます。
漫画を描くとき
◎ズームアウト
・全体の話数
・起承転結の配置
◎ズームイン
・目線
・手の動き
・小道具
漫画のストーリーを考えるためのヒントとして、
「1コマ単位でズームインする」意識を持つと、
表現力が一段上がります。
脚本を書くとき
◎ズームアウト
・映像全体のテーマ
・観客に何を残したいか
◎ズームイン
・ロケ地
・セリフの間
・調べ方
これは、脚本家志望のための創作テクニックとして、
かなり重要な視点です。
まとめ:まず「画用紙」を見る癖をつけよう
ボクは、あのデッサンの失敗以来、
何かを作る前に、必ずこう考えるようにしています。
「いま、全体のどこを描いてる?」
物語も同じです。
全体を見てから、細部を見る。
細部を詰めたら、また全体を確認する。
この往復ができるようになると、
キャラクターは自然と立体になり、
ストーリーは驚くほど書きやすくなります。
ズームインとズームアウト。
どちらかに偏らず、ぜひ両方使ってみてください。
(瓶を画面ギリギリに押し込んだボクからの、切実なアドバイスです)
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