ストーリー作りに役立つクリティカルシンキング
クリティカル・シンキングとは、
平たく言うと、物事の本質を捉える考え方です。
例えば、
「そもそも、これって?」
「で?何なの?」
「本当にそうなの?」
ちょっと批判的ですよね。。。
そう。これを繰り返すだけの考え方なんです。
反復させながら、正解に近い正解を問い続ける思考を指します。
ほら、読者ってあなたの作品を横目でみてるかもしれないじゃないですか。
最後のどんでん返しで、ズバーン!と鮮やかに納得の行く〝答え〟を見せつけましょうよ!
というわけで、小説作品も漫画作品も感覚的な力だけではなく、ちょっとあなたの表現の幅が広がるチャンスかもしれませんよ。
このクリティカルシンキングをやり続けていくと主人公の選択や行動に説得力が生まれてくるのはもちろん、作家としてのアイデンティティ(自己肯定感や判断力)も自然に向上するかと思います。
初心者向けストーリー作りのコツとしても、実はこの「考え方を深掘りする力」がかなり有効なんです。
小説を書くためのストーリー構成に悩んでいる方も、物語の骨格を自分で検証し、強度を高める作業ができるようになりますし、
漫画のストーリーを考えるためのヒントとして、直感だけに頼らずに構成を見直す視点として活用できると思います。
ストーリー作りで悩なくてもいい事がわかるようになることが期待でき、嘘のように迷いが減っていけると思います。
さらに、アイデア出しの初期段階でもクリティカル・シンキングはとても役立つんです。
「この設定ってありきたりじゃない?」
「逆の視点から見たらどうなる?」
と自分の考えを突っついてみることで、意外性のある発想やテーマに出会えるんですよ。
クリティカル・シンキングが注目されている背景
近い未来、国内外問わずAIに代替されない正解のない問題について考え、自分だけの答えを出す人材が求められているそうです。
これまでは、決まったことを正確にできる人材が求められていたわけですが、自分の頭で考え、ベターな解答ができる人材が必要とされています。
つまりですね。
自己表現を行いストーリー作品を生み出す個人作家も例外ではありません。
相手に合わせて、空気を読みすぎたり、他人に優しく自分に厳しい日本人には受け入れがたい考え方かもしれませんが、
他者の意見をとりこみつつ自分の筋を見いだす思考はコミュニケーション能力が向上するだけでなく、脚本家志望のための創作テクニックとしても大きな効果があるとボクは捉えています。
ストーリーづくりにも役立つ効果があるとボクは捉えています。
アイデアというのは「ゼロから生まれる」よりも、「あるものを組み替える」ことで生まれることが多いんです。そのとき、常識や思い込みをほぐしてくれるのがクリティカル・シンキングなんですよ。
ロジカル・シンキングとのちがい
似た考え方で、ロジカル・シンキング(論理的思考)がありますが、自分の構想や考えをストーリーに落としこんでみたり主人公の目的(ゴール)に意味づけを組み立てたりする思考です。
このロジカルシンキングでストーリーの大筋が構成されていきます。
お話にもどしますが、客観的なクリティカル・シンキング(批判的思考)は、よりベターな正解を出していくために、
「自分には思い込みがある」という大前提とした思考なんです。
ちょっとスマートでクールな考え方ですよね。
つまり
・自分がストーリーを構築した前提(既成概念)を疑うこと
・構築したものを一旦取っ払って白紙に戻すこと
そのような柔軟性をもつことで、誤った方向性や思い込みをあぶり出します。
あぶり出すことができれば、ストーリー構成の段階で軌道修正がしやすくなるからです。
つまり、そもそも論なんですよね。前回の記事で感動の裏にはスジ(論理)が通ってるんです!を例客で観的に考えている図解をご覧ください。
もし、論点が間違っていれば、軌道修正ができない、つまり、誤った自分の論理に気づけないわけですから、その先いくら対策してもうまくいく可能性が低くなります。
ストーリーにづくりに応用するとなると〝間を置く〟作業とも言えますし、ストーリーを再分析して、作品全体のブラッシュアップに使えるかと思います。
そしてこれをアイデア出しに応用するなら、「今考えたこのネタ、本当に面白い?」と自分に問いかけることから始まります。視点をずらしたり、逆張りしたり、当たり前を疑うことで、アイデアに深みや独自性が加わっていきますよ。
クリティカル・シンキングの身につけ方
①結論がなくても、先に結論を言い切って理由は後で考える。
②自分以外の意見を批判的に分析し、多くの仮説を立てる癖をつける。
などです。
「自己主張」は身勝手とか協調性がないと考えがちですが、クリティカルシンキングの意味では相手を論破することには使われることはありません。
それとこれは余談ですが、「批判」という言葉もネガティブなイメージですが、根拠や論理がなく他人をディスるのは批判ではなく〝非難〟と言えます。クリティカル・シンキングを実践していけば、常に状況と周囲の反応を見つつ、他人の意見を尊重しながらも自分の意見を言えるようになり、そして情報を鵜呑みにせず多角的に分析して適切な判断をだせるようになります。
特にアイデアを量産したいとき、質より量で思いついたものをどんどん出しながら、後からクリティカル・シンキングで「これ、本当に使える?」とふるいにかけていく。この“発散と収束”のプロセスこそ、創作における発想法の王道なんです。
特にこの考え方は、キャラクター設定の重要性と方法を掘り下げるうえでも大切で、「なぜこのキャラはこう動くのか?」と自問自答する視点が、リアリティある人物像の構築につながりますよ。
ちょっと小難しいお話だったかもしれませんが、今日もお付き合いいただきありがとうございました。
アイデアの出し方やストーリー作りの洞察するテクニックとしてクリティカル・シンキングという考え方をご紹介してみました。