「いいアイデアが出ない…」を卒業する!ストーリー作りの最初にやるべきこと

アイデアを出すって、なんのため?
まず、「どうしてアイデアを出すの?」というお話からしていきますね。
「そりゃ、ストーリーを作りたいからでしょ?」
もちろん、それで正解です!でもですね、もうちょっとだけハッキリさせておきましょう。
アイデアを出す目的、それは——
あなたが“書きたいストーリー”を、目に見える形にするためなんです。
創作スイッチはONになってるけど、「どんな話にするか」が、まだハッキリ決まっていない状態かもしれませんよね?
たとえ「この話を書きたい!」と思っていても、アイデアを出していくうちに気持ちが変わることもあるんです。燃えているけど、ぼんやりしているんです。
「いや、そういうもんでしょ?」
はい、その通り(笑)。でも、ちょっとだけ冷静になって考えてみましょうか。
アイデア出しって、実はけっこう繊細な作業なんです
アイデアを出すって、自由で楽しいように見えるかもしれません。でもですね、実は「頭の中にあるものを出す(アウトプット)」と「新しい情報を取り込む(インプット)」を、同時にやってるんです。
つまり、見た目よりずっと脳みそフル回転してる状態なんですよ。
「ほんとに?」
じゃあ、こう考えてみてください。
アイデア出しって、コーヒーをドリップする作業に似てるんです。
コーヒー豆をフィルターにセットして、お湯をそーっと注ぐ。すると、豆のエッセンスがポタポタと落ちて、美味しいコーヒーになる。
でもですね、お湯をドバッと入れすぎるとこぼれるし、逆に少なすぎると濃すぎて苦くなる。
つまり、アイデアを出すには“ちょうどいい加減”と“やり方”が大事なんです。

まずは「どんなアイデアを探すか」を決めましょう

「いいアイデアをいっぱい探すぞ〜!」と意気込む前に、まずは「どの方向で探すのか」をハッキリさせましょう。
そのために使うのが、さっきのドリップコーヒーで言えば「フィルター」にあたる部分。
これは、あなたの得意なことや好きなこと、知識がある分野をベースにした“色眼鏡”のようなものです。
つまり、「とにかく何でもいいからいいアイデアを!」じゃなくて、
「自分に向いている分野でアイデアを探す」ことがコツなんですよ。

『いつ』と『どこ』フィルターをセットする
アイデア出しを始める前に、まずはコーヒーフィルターをセットするような準備が必要です。ここでは2つのことを決めてみてください。
① いつ?(時間設定)
まずは「いつの時代の話にするか」を決めましょう。
・過去(歴史もの・時代劇など)
・現在(日常もの・現代ドラマなど)
・未来(SF・近未来ファンタジーなど)
もし、あなたが歴史や中世に詳しかったら「過去」がいいでしょうし、現代社会に興味があるなら「現在」。SFや近未来が好きなら「未来」ですね。
迷うなら、組み合わせてもOKです。
・過去+現在(タイムスリップものとか)
・現在+未来(未来から誰かが来る系)
・過去+未来(壮大な時空の旅!)
このように、自分が得意そうな時間帯を一つ選んでおくと、アイデアが出しやすくなりますよ。
② どこ?(舞台設定)
次は「どこで物語が起こるか」です。
・現実世界(日本・学校・職場など)
・空想の世界(異世界・魔法の世界など)
現実の世界に詳しいならそっちを。
ファンタジーが好きなら空想世界を選びましょう。
こちらも、自分にとってやりやすそうな方でOKです。
次に、コーヒー豆=「ジャンル」と「テーマ」を選ぼう!

さて、美味しいストーリーを淹れる準備が整いました。ここからは、いよいよ物語の“味”を決める大事な工程に入りますよ。どんな香りにするか、どんな深みを持たせるか……それを左右するのが「コーヒー豆」、つまりジャンルとテーマの選定なんです。
ジャンルとテーマは、ストーリーの味わいを決定づける核みたいなもの。「どんな物語にしたいのか?」「どんな読後感を届けたいのか?」という部分に直結してくるんですね。
★ 分野(ジャンル)って?
分野とは、ストーリーの土台となる部分です。
例えば、
・ギャグ
・ラブコメ
・スポーツ
・バトル
・サスペンス
・パニック
など。ギャグもラブコメなども、起承転結があり、「いつ」「どこ」とちがって結末がありますよね。
「これもやりたい!あれも入れたい!」って思うのもいいですが、慣れてないうちは、ジャンルはひとつに絞った方が作りやすいですよ。
★ 題材(テーマ)って?
テーマは、物語で扱う「モメごと」や「問題」のことです。
例えば、
・戦争
・恋の三角関係
・科学実験
・宝探し
・自殺(重いテーマですね)
「ジャンルが家」なら、「テーマは家具」みたいな感じで、ジャンルの中にある要素です。
もし、これまでにあなたが見てきた作品(映画・アニメ・漫画)と共感するものがあるなら、そこにヒントがあるはずですよ!
あなたのフィルターをセットしてみよう!
さて、ここまでをまとめますね。
アイデアを出す前に、コーヒーフィルターを準備するつもりで、
まずはこの2つを決めてください。(どちらからでもかまいません)
・いつ?(過去・現在・未来)
・どこ?(現実世界・空想世界)
これがあなたの“いつどこフィルター”です。
そのあとで、コーヒー豆のように
・分野(ジャンル)
・題材(テーマ)
を選んでみてください。
この要領でアイデアを探していくと、方向性がぶれにくくなって、良いアイデアが浮かびやすくなるんですよ。
まとめ
ストーリー作りに悩んだとき、「まず何から決めればいいのか分からない…」ってこと、ありますよが、最初にやるべきことは実にシンプルなんです。
まずは、物語の土台となる「時間設定と舞台設定(=フィルター)」を決めること。これは、どんな視点でストーリーを語るのか、どんな切り口で読者を引き込むのかを整える作業なんですね。
そして次に選ぶのが、ストーリーの「ジャンル」と「テーマ」、いわば物語の“味”を決める「コーヒー豆」の部分です。
ここで「ラブコメにする? それともサスペンス?」「家族を描く? それとも夢を追う話?」と方向性を定めることで、ぐんとしぼられて適正なアイデアが抽出されるんですよ。
というわけで、コーヒーフィルター(時の設定)→ コーヒー豆、(題材、テーマ)という順番で組み立てていくと、「アイデアが出ない…」というモヤモヤから卒業できるはずです!
まずは一杯分の物語を淹れるつもりで、じっくり選んでいきましょう。
あなたの創作を応援しています。