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エスカレーションの設定(舞台設定)

2021年5月14日

いつも創作お疲れ様です。

まずはじめにエスカレーションという言葉に意味についてですが、普通にビジネス用語として使われています。

一般的な意味はサービスに何か欠陥があった場合、現場が対応しきれない、あるいはどうあがいても改善されない、やばい!自分じゃ無理!

そんな解決できない状況においこまれた時、上司に報告したり、有能な動機に助けてもらったり、組織の上層部から支援を受けたり、上に上に引き継ぐというのがエスカレーションです。

この概念を舞台設定に当てはめてみれば、主人公よりも上の立場の役柄(有能)なキャラクターが登場する展開の設定となります。

つまり、主人公に助けが必要なんです。

いわゆる、助っ人ってやつですよ。

非日常(ファンタジー)なのか、あるいは日常の現実世界なのか、舞台設定にもよりますけど、主人公が組織外でも組織内に所属してもどちらでもよいのですよ。

でもですね。このシュチュエーションを作り出すには少しコツがいるんです。

以前、ご紹介した舞台設定の3つのポイントでご紹介しましたように、主人公に脅威と危機が迫っていないと物語は面白くなりません。今回は詳しい内容については端折ります。

関連記事:舞台設定の3つのポイント

さて。

読者目線でいえば、オープニングから始まって主人公の目的を知らせてゴールを目指すことまで伝えました。

読み手は、主人公に共感して物語を追うわけなんですが、それだけではちょっと物足りません。

主人公自身(個人)における葛藤(悩み)や、身近なキャラとの対立(しがらみ)など、乗り越えるべき課題は山積みしないといけません。

このようなトラップ・シチュエーションを盛り込んだ作品は人気が高いです。

関連記事:トラップ・シチュエーションの作り方

これはあくまで個別のトラップですが、もっと、もっと大きな不利な流れに飲み込まれようとする設定も考えてみましょう。

主人公は個人的な悩みを抱えながらも、じわじわと脅威と危機が迫ってきています。

主人公の目的(ゴール)を阻んでいるものは、集団や組織(社会~国家)といった舞台全体における、掟やルールといったものにも束縛されて、物語の結末に至るまでのリミットを加えてみてください。

関連記事:リミットを与える

もちろん、あなたが描く物語が個人まりしていても大丈夫です。

無理に壮大な世界でなきゃいけないってわけではないですが、より読者の期待値を上げるには社会や集団や組織というものも視野にいれておくと表現の幅も拡がると思います。

しかし、主人公が簡単な道を歩んでゴールインしても、味気ないのは当然です。作り手も読者もワクワクしません。

かといって、がむしゃらに一匹狼根性でゴールまっしぐらの展開もリアリティがなく物語を味わうことができません。

だとすれば、どのようにしたら面白くなるでしょうか?

主人公が一貫した方向性のメインストーリー(縦軸)があり、終盤のラスボスや試練を乗り越えるかどうかの瀬戸際や、ハラハラドキドキの過程(プロセス)が描けてはじめて物語が盛り上がるんですよ。

つまり、エスカレーションを設定するポイント場面は、

①主人公のメインストーリーから幹枝分かれしている
②間接的にラスボスと決着をつけるまでの直線上にある

大きくこの2点です。

関連記事:面白い、つまらないの基準

繰り返しになりますがエスカレーションの設定とは、敵対勢力が手強くて、主人公が手に追えない時に、やむなく味方(主人公の目的とは異なる)側からの助け舟がきて、身を委ねる場面設定です。

やはり、この場面設定は物語作りには欠かせない要素だと思うんですよ。

つまり主人公よりも、ずっと立場(権力)が上で、人格的にも能力のあるキャラが登場します。

そう。もうね、一人じゃ次のステージに進めないというか、どうにもならないんですよ。

身近な仲間でも状況が瓦解できず、主人公が限界を迎えて断念する場面なんです。その方が面白いと思いませんか?

撤退が余儀なくされて、主人公は一時悔しがります。

「うああああああああああ!畜生!畜生!ちくしょおおおおおおお!」と狂ったように泣き叫び鼻水を垂らしてうなだれます。(あ、個人的にはそういう熱いキャラの方が好きなんです)

読者も、主人公に同情して、思わずもらい泣きしそうになるコツは感情表現についてをご覧ください。

関連記事:感情表現について

そんな時、誠実で紳士的なキャラが同情してくれたり、憂慮ある台詞で励まし、そんな心配りができて能力の高いキャラを登場させてみたらよいと思います。

もちろん、その場限りでなはなくクライマックスシーンと、どのような形で絡ませていくかも一度は考えてみてくださいね。

で、注意点が一つ。

それは、主人公がどうしようもなく悲しみに打ちしがれて、物語を牽引する気力(エネルギー)が萎えてばかりいると、読者も萎えてウンザリさせてしまいますので、ストーリー全体が暗くならないようにバランスを考えてちょっと癒やしを入れましょう。

具体的にはですね。このタイミングで脇役(物語に直接関与しない)を登場させ、うまく調和させてみるんですよ。

関連記事:脇役キャラクターをうまく使いこなす

まぁ、ギャグシーンですね。

ボクは涙あり笑いありのドラマ曲線を自由自在に描ける作家を目指してます。具体的には大真面目に寒いジョークを言ったり、すべったり、ころんだり、どつかれたり・・・

はい。本題から少し逸れてしましたが、

エスカレショーンとは、舞台設定(この世界で何が起きようとしているのか)の問題(事件)が顕著に現れたり、激化(悪化)することで、

・事態を収拾(助け舟)
・一旦は引く(断念)

といった大切なパートです。

主人公がゴールを果たそうと必死こいてあがいてきたものの、努力が報われなかったり、かえって仇や裏目に出てしまう。

その火種よって事が大きくなりすぎて、一人ではどうしようもなくなった時に、上の立場のキャラクターや集団や組織単位が出動するほど状況の変化が必要になるんです。

そのエピソードを描くことで、あなたの物語は飛躍的に大きく展開します。

且つ、多様化していきますので、あなたが混乱しなように縦との関係が強いのか、横との関係がより強いのかを明確にしておきましょう。

関連記事:サブキャラの関係性の作り方

このエスカレーション場面が終わると、どこに向かうのか気になりませんか?

そうです。主人公は仲間と絆が深まるんです。

やがて主人公の感化(覚醒)が起こり、転機(ターニングポイント)を迎えさせ、読者を感情移入させるための材料にします。

関連記事:ターニングポイント

いったんは、ボロ負けした主人公も、再び、挑戦(覚悟)と決意(誓い)のパートを描き、巻き返しシーンへつなげてください。

ターニングポイントが、クライマックスへ向かうための強力なツカミとなり、きっと読者にセントラルクエスチョン(CQ)を与えられるでしょう。

関連記事:段階的セントラルクエスチョン

まとめます。

まずは、主人公には助け舟が必要だということ

エスカレーション場面設定のポイントは
①主人公のメインストーリーから幹枝分かれしている
②間接的にラスボスと決着をつけるまでの直線上にある

主人公の限界によって状況が悪化し、その事態の収集、主人公は一旦は引く立場(後方)になる。

以上がエスカレーションを描くコツになりますが、この設定をあなたの物語に盛り込んで、結末に至るまでの期待感をアップさせてみてくださいね。

あなたの創作を応援しています。

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