作っていけない主人公
どうしたら、魅力的な主人公が描けるのか?すごく悩みますよね。書いている途中で「あれ?」ってなってしまいます。
やっぱり物語の中心は主人公だ!とわかっていながら、なかなか良い感じの主人公が作れない。描けない!表現できない!
「ダメじゃん・・・」
「くそ!くそ!」
「しょぼすぎる!」
そう感じているのは、あなた一人だけではありません。
かつてのボクも髪を逆なでながら何度奮闘したかわかりません。笑
まずは、基本的に、どんな主人公を作っていけないかを具体的にピックアップしてみますね。
・柄が悪い
・良心が薄い
・表情が暗い
・思考がマイナス
・不誠実
「え?いいじゃないですか!何が悪いんですか?」
「それが作ってはいけない主人公?悪い気はしませんが・・・」
はい。あなたのおっしゃる通り悪くはないですよ。でも、一つ問題があります。
「問題?」
物語は主人公の変化を表現して描くことですよね?
主人公の登場シーンは、ほとんど序盤やオープニングです。
だとすれば、初っ端から、いきなり柄が悪かったりすれば、読者は不快感を感じるだけです。
ですから、まずは、第一印象を良くすることです。
「え?でも、あえて悪い印象を与えたいんですけど?」
はい。気持ちはわかります。インパクトを強くさせたいからですよね?
強く見せてもいいんです。ただし、それだけでは、読者を感情移入させる成功率はかなり低いです。
「ええええええ?」
読者は、何を求めているかというと、あなたの主人公(キャラ)が、今後どんな展開を見せてくれるのか?です。どんな活躍を見せてくれるのか?に注目しています。
柄が悪く、無愛想でもいいんですよ。でも問題は
主人公の背景(事情)を伝えられていない状態では魅力を感じません。感情移入できない主人公は作ってはいけません。
ワケありなんですけど、そのワケありは、読者にとっては見えていないんです。
人気のある主人公は、やっぱり誠実ですよね。そして、陰りや悲しみを背負って生きています。
あなたも、きっとそういう人柄がお好きじゃありませんか?
一生懸命に努力しながらも、なかなかうまくいかなくて絶望している。でも、前向きに生きようとしている。
あるいは、どうしようもく巨大な敵に囲まれて身悶えしえいる背景というものが必要です。
さて、作ってはいけない主人公ですが、創作前の3つの決め事でご紹介した、①誰?を決めるコツをご紹介しました通り、主人公のモチーフは、自分自身であるということお伝えしてます。
関連記事:創作前の3つの決め事
主人公のワケありは、可能な限り、あなた自身が過去に体験したエピソードとリンクさせた方が、インパクトが強く映えさせられると思います。
何故、主人公のモチーフが基本的に〝自分自身〟でないといけないのでしょうか?何故、創作の出発点が自分自身でないといけないのでしょうか?
例えば『鬼滅の刃』の主人公である炭治郎とか、他作品の主人公に影響を受けて創作をスタートし
まず、作品のオリジナリティー(エキス)が半分以上失われてしまうことです。すでに出回っている作品であれば尚更ですが、ポンジュース果汁50%以下の作品になります。
確かに、その主人公はあなたと似ていたかもしれないので、自分と共通するから描きやすいですし、スタートしやすいのかもしれません。
で。ボクが申し上げたいポイントは、
他作品(主人公)を読んだ後で創作をはじめた
他作品(主人公)を読む前から創作をはじめていた
後者であれば、オリジナルメッセージやインパクト効果が高いと思います。でも、もし前者であれば著しく作品パワーを下げているのでもったいないかと思います。
この記事を読み続けてくださるあなたは、もちろん後者の方かと思いますが、念のためにもう一度はっきり言いますね。
主人公とはあなたの分身であり動機・理由(核心部分)がなければ、その作品(主人公)は、すでにあなたらしいエッセンスを失っているので、途中で描けなくなてしまうんですよ。
関連記事:誰の決め方のコツ
主人公のモチーフはあくまで、あなたの身の上話(ミノウエバナシ)の方が、物語をまとめやすく作りやすいですし、メッセージ性に強いインパクトを与えやすいということを申し上げたいのです。
「他作品の主人公がかっこいい!」
「あの表現が素敵!」
その気持ちはよくわかります(ボクも基本そうでしたから)笑。
ですが、今一度、自分の胸に手を当てて、あなた自身が何者で、何を描きたいのかを問うてみるのもよいかもしれません。
やはり、あなたがこれまでの体験で感じてきたこと、学んだこと、教訓になったことをアイデアとして描くのが一番パンチが効きますし、パワーがありますし自然に読者の心に届けられやすいと思います。
関連記事:気になるテーマからアイデアを絞り出す
失敗なり成功なりの体験を通して感じてきたすべての知見は、あなたの物語パターンとの関連があり、有機的に結びついていくものだからです。
読者は、あなたが感じた主人公を求めているのではなく、あなた自身(作家)が何を感じているのか?を読みたいのです。(ボクも読んでみたいです!)
多くの人に共感が得られる主人公を描くには、主人公があなた自身いう自覚とその軸足で創作に挑むことが大切ではないでしょうか。
その軸足で、主人公のゴールの設定を見いだすことができますし、魅力的な主人公を描きやすくモチベーションの持続も保たせる力になっていくと思います。
あなたの創作を応援しています。
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