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ダメ押しとダメ出しの違い

2020年4月7日

自分に厳しく、ストイックな作家さんは、自分の決めたルールに100%守ります。

ひたむきに努力する姿は作家ポリシーがあり、忍耐強さがありボクは憧れています。

ですが・・・

これもダメ!あれもダメ!全部ダメ!とどめにダメ!

ダメダメばっかですと、自分が嫌になりませんか?

ボクも昔「決めたからには、最高のものを目指す!」とがんじがらめになっていた時期がありました。

関連記事:良い完璧主義と悪い完璧主義


名無しくん

いやいや。一流を目指すのなら、半端は許されません


名無しさん

中途半端な気持ちでは、良い作品は作れません!


名無しくん

ダメ押しは作家の名物です!

はい。ダメ押しばかりだとアウトプットパワーというか、気が塞がれてしまうリスクもあると思うのですよ。

自分の原稿にバッテン印をかいたり、ミッフィーの口のような、バツが多いとやる気を無くしてしまわないでしょうか?

せめて「ダメかもしれない」とか、「ダメかなぁ?」くらいでよいのではないでしょうか?

ダメ押しよりダメ出しではないでしょうか?


名無しさん

は?ダメ出し?ってダメ押しも同じ意味じゃないですか?


名無しくん

そうですよ!ダメ押しでもダメ出しでもどっちだってダメです!

はい。では、まずダメ押しの意味からいきましょう。

既に結果が見えてることへのストップを指すこと。

もともとは囲碁用語ですが、大相撲で良く用いられているようです。具体的には、対戦相手が土俵からはみ出していたり、土俵に手を付いていたり、すでに勝負が決まっているにも関わらず、相手を押したり突き倒したりする無駄な行為。

つまり、作家の創作に当てはめると、

結果が見えていないのに「待った!」が入ることです。

勝負が見えているからといってストップばかりかけてしまうんです。ボクは芸術の世界に勝負はないという考えなんです。

一方、ダメ出しの意味ですが、

欠点・弱点など、改善点を指摘したり修正を促したり実行させること。より良くしていくための作業のこと。テレビ業界用語(特にバラエティで頻繁に使われる)で、一般にもその言葉が広まり、上司やファンからもダメ出しという言葉が使われています。

基本、上からの指摘によって良いところを見つけるトレーニングになりますが、個人作家は誰からも指摘されないので、つい自分に厳しくしてしまう傾向があります。

いくら自分以外の人間から良い部分は〇〇!悪い部分は直せ!と言い続けられても、結構ジャブが効いてへこたれることが多いのです。

相手からの指摘をありがたく受け止めて、乗り越えられるタイプであれば問題ありませんが、そもそも受け止める器がなければ精神的に弱まるばかりで生産性や創造性もUPしません。

ダメ出しから、無意識にダメ押ししている時がありますので注意してほしいのです。

ですから、自分自身にダメ出しを使う場合は、必ず良い部分を探してあげてください。


名無しくん

いやいや。それは自分を甘やかすことと同じです


名無しさん

そうですよ!とことんダメ押ししないと自分がいい加減になりませんか?

いい加減じゃダメだけど、良い加減が大事なんですよ。

「ご心配なく!余計なお世話じゃぁーい!」という作家さんは、この記事を読めばきっと、ボクが自分に甘く緩い印象を受けるかもしれません。

ボクが申し上げたいのは、柔軟、継続しやすいスタイルで、ルーティーンを無理なくこなすことを申し上げたいだけです。

ダメ出しの多い作家さんの利点は、他人の価値観や周囲に流されないことだと思います。

よほどのことがない限り、流されないというのは、作家として優れています。

そして、ストイック作家さんには、目指すべき目標や理想があり、耐久力・突破力があります。


名無しくん

わかってるじゃないですか!この甘ったれた自分を叩きのめしてやるんっす

・・・でもですね。

そもそも、目指すべき方向が、的外れであれば、徒労で終わるばかりか消耗戦ループから抜け出すことが難しくなりかねません。


名無しくん

そうそう!的外れなんですよ!だからそういう自分をボコボコにしないと治らないんですよ!

ご自分が、壊れませんか?


名無しさん

壊れたって構いません!それが作家としての本望なんですから!良い作品が生み出せれば何だってやるんですよ!私は何が何でも勝ちたいんです!

はい。ちょっと落ち着きましょう。

車の荒い運転で例えますと、長時間のブレーキとアクセルを同時に踏み続けて、時間が経つとエンジンがバラバラに壊れるようなものです。

どこまでが自分の限界なのかがわからないといけませんよね。

その見極め方なんですが、

①急に思い立ってストイックになっていないか?
②成果が出ているか?

です。是非、チェックしてみてください。

1番目、急に思い立ってストイックにやっている場合、
「やる気」を一時的に引き起こそうとしている可能性があります。よくあるパターンですと「ダメ!ダメ!ダメじゃないか!」と自分に対して罵倒すると作品にパワーを入れている気になってしまうのです。ビシバシ自分にムチを打つことが常習化すると気持ちがよくなっちゃうので気をつけましょう。

2番目、これまでダメ押しして、見合った成果が出ていなければ、これまでの力の入れ方を8割ほどペースを落とした方がよいかと思います。成果が出ていたとしても、それに気づけないのでいつまで経っても満足できません。一度振り返って見ることもオススメします。

以前、単眼と複眼のお話をしたかと思いますが、作品作りに欠かせない単眼思考は、ダメ押しばかりになりやすいです。

関連記事:複眼と単眼

複眼思考であれば、何に対して満足がいかないのかを冷静に考えられるので、やたら自分を鼓舞しなくてもよくなります。

「ダメ押しがいけない!」と申し上げたいのではなく、熱血&直進的アーティストである単眼モードと、二者択一のクリエイティブな複眼モードは、どちらも作品づくりに欠かせないものなので、特に作品を最後まで完結させて行く上で欠かせないのは、やはり複眼思考であり、メタ認知することが大切です。

メタ認知とは心理学用語です。

この認知力の高い作家さんは、第3者的な視点で作品を評価ができるようになるため、ダメ押しすること自体減ります。

関連記事:ストーリー作りに役立つクリティカルシンキング

物語の終盤のクライマックスシーンの決める際にダメ押しするならまだしも、作品の全体像が固まっていないのに、一人相撲している場合が多いのです。

まぁ、それは極端な例かもしれませんが、とりあえず、アウトプットしてある程度書きはじめてから、両腕を組んで、落ち着いて上から眺めてみる・・・というのも一つの創作方法だと思います。

なかなか作品づくりに手がつけられない作家さんのために綴りましたが参考になれば幸いです。

今日もお付き合いいただきありがとうございました。

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