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その世界で通用する造語やネームを考える

2020年1月29日

物語のディティール(肉付け作業)をする上で、あなたが世界の中だけで通用する言語を考えていきましょう。

いわば、その世界では、常識として成り立つオリジナルキーワードであり、読者に刺さる言語です。

実在するものと組み合わせたネーミングを打ち出し、エピソードに拡散させていくのです。

メリットとしては、舞台の構造(設定)が、読者に覚えられやすくなるということ。そして登場人物にキーワードをしゃべらすことで、物語が重厚となり盛り上げていくことができます。

例えば、『弱虫ペダル』では、主人公の総北高校と、ライバル校の箱根学園高校という、架空の高校があります。名付けて〝ハコガク〟です。このキーワードを設定して、キャラにしゃべらせるんですよ。

ストーリーが展開する度に、そのキーワード(用語)を散りばめておくと、読者は世界に入りやすくなります。

さて。問題はネーミングを付ける方法ですよね?

一般が認知されている人・物・事、歴史に実在するものや、色・地名などをとりいれるとよいでしょう。

関連記事:キャラの名前の付け方

更に、キーワードに役割を与えたり、種類や特徴があると覚えやすいですよ。

例えば、『進撃の巨人』の軍事組織(ネタバレ注意)でいえば・・・
・調査兵団
・駐屯兵団
・憲兵団 

進撃の巨人の世界にしか存在しないキーワードをエピソードに散りばめると、読者は「あ、前に言ってた、あれか・・・」となります。

登場人物が、キーワードを幾度も発言させることで、知らない内に世界の常識となり、読者を教育するということです。

「ああ、あれが・・・こうで、こうか・・・」と舞台設定や構造を学ばさせていくためにも、ネーミングはいい加減につけてしまってはもったいないと思います。

特に『進撃の巨人』のオープニングに登場する言葉〝壁外調査(へきがいちょうさ)〟というのは、世界や舞台構造が含まれる、優れたキーワードだと個人的には思っています。

壁外とは、壁の外という意味ですよね?実際、人類を守る壁など、どこにも存在していないはずなのに説得力(リアリティー)があります。

調査とは人類の脅威となっている巨人がどこから出現したのかという謎の解明です。

しかも、調査兵団の特徴も設定してあります。

・命知らずな危険な取り組みをする変わり者ぞろい
・駐屯兵団や、憲兵団、他の部隊からも煙たがられている。

民でさえ「税金の無駄遣い」だとあしらわれる始末・・・。

このように組織名も工夫して読者に覚えられていきますね。

関連記事:舞台設定の3つのポイント

ついでに、キャラクターのネーミングのコツは、とにかくシンプルさが一番です。

ボクの黒歴史『ライグラル』の登場人物のヒロイン、ユーコ・カルフィンです。(すみません、また余談です)

ある国の大統領の娘の名前ですけど、これまた、かわいい、何となくかっこいいのが由来です。笑

「ユーコ・カルフィン・・・ふーん。そうなんだーへー」と、なりそうです。

大統領の娘であるなら、ピン!とくるのは、オバマとか、最近ではトランプですよね?

ユーコ・バマランとかなら。いかにもそれっぽくないでしょうか?

そんな感じで、自分の好みより、読者が覚えやすさを優先できているかなんですよ。

もう、おわかりですよね?

何となくとか、かわいいとかでなく、関連イメージの単語をつかったり、 だじゃれっぽかったり、 読者がピン!とくる複数のキーワードとつなぎあわせ、覚えやすくする仕掛けを意識するとよいでしょう。

例えば、ボクが「このネーミングうまいなー」と思ったのは、『ドラゴンボールZ』(フリーザ編)で登場するギニュー特選隊の5名の名前。
・ギニュー隊長
・ジース
・リクーム
・グルド
・バータでした。

一見、普通のネーミングですが意味があるんです。しかもとてもシンプルなんですよ。

ギニュー→牛乳
ジース→ジュース
リクーム→クリーム
グルド→ヨーグルト
バータ→バータ

いかがでしょうか?覚えやすいでしょう?

あなたも、これからネーミングを考えるのに苦労せず、創作の楽しみの一つとなるかもしれませんね。

今日もお付き合いありがとうございました。
あなたの創作を応援しています。

関連記事:悪役はストーリーを盛り上げる

↓ボクの失敗談(テヘペロ)

個人的にボクがつくったオリジナルストーリーですが、『ライグラル』(題名)という、学生時代につくった作品があります。

地球人と宇宙人の混血の超能力者が宇宙から襲来するモンスターを退治します。

念力、テレパシー、瞬間移動、変身などを使って壮絶な戦いを繰り広げます。
〝ライグラル〟というのは、人間と超能力宇宙人との間で生まれた子孫というオリジナル用語(造語)です。

何故、こんな名前をつけたかと申しますと、何となくゴロがいいですし、カッコよかったからです。

でもですね。何となくインテグラルというか、数式をイメージしてしまいます。

読者の反応としては、
「ライグラル・・・地球人と宇宙人の混血、ふーん。そうなんだー」
・・・と、おそらくイマイチな気がしますし、「ライ・・なんだっけ?」とすぐ忘れられちゃいそうですよね?

かっこいいかもしれないけど、意味を込めていないので覚えにくいんです!笑

さぁ、こうならないように、一般に周知されている単語を組み合わせることがポイント!

例えば〝ライグラル〟ではなくて、エスパー+人間(ノイド)でエスパノイドとか、サイキスターとか。

意味を込めた方が、覚えやすいと思いませんか?ネーミングのコツは、馴染みやすさ覚えやすさ、が意味づけされていることが大切だと思います。

関連記事:仮決めタイトル