つじつまを合わせた後にぶちこわす!
あなたがストーリーを書き進めていて、いよいよクライマックスシーンを書く段階に突入したと仮定します。作業で頭がいっぱいな状況で、この記事を読むゆとりははないかもしれませんが、もし覚えていたら、是非、挑戦していただきたい内容です。
目次
最終局面でクライマックスを変更
あなたは、これまでオープニングからクライマックスの一歩手前まで、読者を引っ張ってこれたとします。
何もかも計画どおりですが、スリーベース③どのように?を、あえて設定を砕いてみることをオススメします。
「はい?今までのスリーベースって何だったの?逆に混乱しない?」
そうですね。③どのように?だけで、盛り上がりは十分です。
読者からしてみると「え?なんで?」みたいなことになるかもしれませんし、下手に動かさなくてよいかもしれません。
でもですね。お化け屋敷のアっと驚かせる場面、いわばクライマックスの山場の中の山場、総仕上げの大切なシーン。ここは、もう少し凝ってみてもいいんですよ。
というのも、全体のストーリー7割〜8割くらい進めていくと、結末に慣れ親しんでしまって、威力(パワー)が落ちている可能性があります。
そこで、「もしも、ここで〇〇〇だったら、もっと面白くなるかも?」的なノリをいれちゃいます。(もちろんスリーベースの設計自体は、念頭に置くとします)
具体的な変更の方法
「いやいやここまで来たのに」
「せっかく③どのように?がめちゃくちゃになったら?」
「しくじったら、台無しじゃん?」
・・・という不安があるかもしれませんが、実はストーリーを飛躍させる起爆剤であると考えてます。
具体的には、予想していなかった非常事態を盛り込みます。
例えば、③どのように?→ラスボスに勝つための必須アイテム〝魔法のステッキ〟
主人公が、魔法ステッキの使い方を誤って破壊したり、穴に落として紛失したり、モンスターに食べられたり、ただの枝になったり、ギョっとさせる自殺点・事件(横槍)を入れます。
〝あちゃ〜〟となってガクンと形勢を落とします。
さぁ、あなたが主人公なら、この急展開をどう乗り越えますか?
ここで、あなたがこの非常事態にヒヤヒヤしないと、読者にヒヤヒヤ感が伝わりません。
作家も、読者も「うわあ!どうしよう!とっておきの必殺技があったのに、肝心の魔法のステッキがない!」と手に汗を握るようなリアルな現場が伝えられ、緊迫した臨場感を味わえると思います。
解決できるアイデアが浮かばず、主人公もどうすることもできません。
次に、非常時を回避させるアイデアを考えます。
主人公と作者が一緒に抜け道を探す
ちょっと強引で構いません。あなたが神様になって今まで登場した(人・物・コト)の全てのリソースから、救うための抜け道を思いつきで作ります。
主人公が最後の見せ場、窮地をどう乗り切るか?をジラしてハラハラドキドキ感を作って注目させます。
主人公目線と作家目線で、ギリで乗り越えるアイデアを考え、ひねりを加えます。
例えば、魔法のステッキを失ったのは偽物で、本物はヒロインが持っていたとか。魔法のステッキ自体、ラスボスには元々効力もなくて主人公自体に力が備わっていたとか。
このように土壇場で急展開があれば、読者に強いインパクトを与えられ印象を残せます。
まとめ
①クライマックスで非常事態を起こす
②回避する方法を土壇場(思いつき)で考える
これまで説明してきたストーリーの作り方は、スリーベースを決めた上で構築しやすくするためのものでした。
しかし、よりストーリーをイキイキさせるには、筋書き通り展開させても、あまり芸はありません。
ですから、あえて計画してきたものを無視し、ぶっつけ本番で改変してみるのも有効な手段です。
つじつまを合わせた後はぶちこわす!とは、絶対にスリーベース通り守らきゃいけないものではなく、最後の最後、主人公と同じ目線で抜け道を見い出すことも、作品に魂を入れるポイントの一つです。
あなたの創作を応援します!
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