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キャラの「感情表現」って、実は物語のカギなんです!

2020年2月17日

今回は、創作の中でもめちゃくちゃ大事な「感情表現」について、お話ししたいと思うんです。
「いやいや、そんなの台詞で語らせりゃいいじゃん」って思ったそこのあなた。
それ、ちょっともったいないですよ!

感情って、台詞だけじゃなくて非言語でもガンガン伝わるものなんです。むしろ、そっちのほうがリアルだったりするんですよね。
というわけで今回は、初心者向けストーリー作りのコツについて、リアクションや描写を中心に、わかりやすくご紹介していきますね。

台詞よりも「感情の動き」が大事なんです

キャラクターが何を感じて、どう反応するか。これって、読者の心を動かすうえで超重要なんですよ。

例えば、誰かにフラれたキャラがいたとしましょう。

台詞だけで描くとこんな感じ:

「……君の気持ちは分かったよ。もういいんだ」

うん、悪くないんです。でもですね、これだけだと正直ちょっと淡白。
感情の波が伝わりにくいんですよ。

感情描写を足すとこうなります:

彼は微笑みながらも、指先がわずかに震えていた。肩は小さく上下し、声はかすれていた。

……どうですか?一気に情景が浮かびますよね。

ボクらが創作で描くべきは「何を言ったか」より「どう感じて動いたか」なんです。
台詞がなくても、感情って“見える”んですよね。

感情って、いつどうやって生まれるの?

じゃあ、感情ってどんなときに生まれると思いますか?

感情って、意外といろんなところから湧いてくるんです。
具体的には、こんな状況で感情が動くことが多いですよ。

・身の危険を感じたとき
・結果が予測できないとき(合否発表のページを更新するあの瞬間とかね)
・過去を思い出したとき・想像力が働いたとき(推しが結婚する夢を見たときの目覚め、つらい)
・他人の感情的な場面に立ち会ったとき
・ルールを破ってしまったとき(遅刻して入った教室の「シーン……」って空気)

これって、現実でもボクらが経験してることなんですよね。だからこそ、読者も「分かるわ〜」って共感しやすくなるものなのです。

キャラにも「感情が湧くきっかけ」があるんです

物語の中でも、キャラクターが感情を動かす場面って、だいたい“何かにぶつかったとき”です。

例えばこんな場面:

・主人公が、ずっと頑張ってきたのに報われないと知ったとき
・親友だと思っていたキャラに裏切られたとき
・宿敵と正面からぶつかるとき(ラスボス登場BGMドーン!)
・絶望的だった状況が、一気に好転したとき(奇跡は起きます!起こしてみせます!)

こういう瞬間に、感情がブワッと溢れ出るんです。

でもですね、感情の発生には2つのパターンがあると思うんですよ。

感情のタイプ①:舞台設定から来るもの

これは、その世界の状況や流れから自然に生まれる感情です。

例えば、戦争が続いている世界で、親しい人を亡くしたキャラクター。
平和な日常が突然奪われてしまった――そんな背景が感情を生むんです。

あるいは、ラブコメで言えば、文化祭の準備中に、好きな人が他の誰かと親しげにしてるのを見てしまった瞬間とか(やめろ、胸が痛い)

背景の流れにキャラが巻き込まれることで、自然にリアクションが生まれるんですね。

感情のタイプ②:キャラの個人的な事情から来るもの

これはもっとパーソナルな理由からくる感情です。

例えば、幼いころに親を亡くしたキャラが、誰かの「家族っていいよね」って言葉に反応してしまうとか。

あるいは、かつてのトラウマが似た状況でフラッシュバックするとか。
過去の経験や、持っているハンディキャップが、感情を引き起こすきっかけになるんですね。

(ボクも学生時代の黒歴史が唐突に思い出されると、夜中にひとりで悶絶してます…やめてくれ記憶…!)

対立と葛藤が感情を生む!

多くの物語では、感情の源って「人間関係の衝突」なんですよね。

例えば、真逆の価値観を持つキャラ同士がぶつかるとき。

  • 自由を重んじる主人公 vs 規律を重んじるラスボス
  • 愛を求めるヒロイン vs 愛を拒むクールなキャラ

価値観が違えば違うほど、その衝突からドラマが生まれて、感情もどんどん動いていきます。

さらに、目的に向かう途中で起こる「葛藤」も重要です。

「大事な人を救うために、自分の正義を捨てるか?」とか、
「仲間を裏切ってでも、夢を叶えるか?」とか。

こういう葛藤って、ボクら読者にとっても「うわ〜どうする!?」って考えさせられるんです。

(ちなみにボクなら、正義を捨ててパンケーキ食べます。あのふわふわには勝てない)

感情があるから、読者は共感できるんです

読者が物語に引き込まれる最大の理由は、キャラクターの感情がリアルだからなんですよ。

ただ、ここで大事なのは「共感」と「感情移入」はちょっと違うってこと。

共感は「分かる〜」って感情。
感情移入は「自分ごとのように感じる」ってことなんです。

感情移入が起こるのは、読者の予想を超えたとき。

例えば、いつも冷静なキャラが、仲間を守るために初めて涙を見せたときとか。
「うわ…まじか…」って、読者の心がぐわっと動く瞬間があるんです。

これが「感情の魔法」ですね。

リアクションの作り方

リアクションの作り方

人生には、うまくいく時とうまくいかない時があります。私たちが社会という舞台に立った瞬間から、摩擦や葛藤は自然と生まれていますよね。

ストーリーもそれと同じで、主人公が目標に向かって進む中で、感情をコントロールしながら困難にぶつかるからこそ、失敗したときの苦しさや、成功したときの喜びが生まれるんです。

つまり、リアクションを作るうえで大切なのは、

すれ違いトラップやコミュニケーションエラーを演出すること。

キャラクターが目標に向かって進む中で、スムーズにいく場面とうまくいかない場面が交差するように構成するのがポイントです。

具体的には、キャラクター同士の間に摩擦を作ったり、舞台となる世界に制限やタイムリミットを設けることで、葛藤のある状況を生み出します。

こうした仕掛けを取り入れることで、キャラクターの内面の動き――つまり感情の揺れ――を自然に描写しやすくなるのです。

感情表現を配置する場所

では、物語の中のどの場面に、キャラクターの感情表現を配置すれば効果的なのでしょうか?

それは、「ここぞ!」というタイミングです。キャラクターに感情(喜怒哀楽)を表現させるのは、読者の感情移入を促すため。そのためには、物語の要所で感情が表に出るように配置する必要があります。

例えば『進撃の巨人』では、主人公エレンの母親が巨人に食べられるシーンで、彼の憎しみと悲しみが強く描かれます。そしてその直後に「巨人を一匹残らず駆逐してやる!」という強烈な決意が語られます。

この場面が印象的なのは、感情の動きと、物語の流れが密接に結びついているからです。

このように、感情表現を効果的に入れる場面は、物語のターニングポイントです。

ターニングポイントとは、キャラクターが大きな転機を迎える場面であり、ストーリーの方向が変わる分岐点でもあります。

つまり、感情を描くのに最も適しているのは、

何かを決断する前
決断した直後

このような場面です。

物語を大きく転換させる際、「どのタイミングで」「どんな感情を」表現するかを意識して配置すれば、読者を混乱させることなく、自然にストーリーへ引き込むことができるようになります。

物語は、感情が牽引しているんです!

物語って、これまで積み上げてきたものが一気に崩れたり、逆に大成功したりして、エピソードが終わって次の展開へ進んでいく⋯そんなドラマチックな流れがあるんですよね。

で、その行動や決断の背景には、必ずターニングポイントがあるんです。

キャラクターの動機や理由を描写するだけじゃなくて、その動機や理由を決定づける要素として「感情」が関わってくるんですよ。

アメリカの神経科学者、アントニオ・R・ダマシオの研究によれば、「人間の計画や意思決定には感情が不可欠」ってされていて、これはストーリーにもそのまま応用できるんです。

キャラクターの感情こそが、ストーリーを引っ張っていくエンジンなんですよね。もう、物語の車に例えたら、感情はエンジンオイルみたいなものですよ(止まったらアウトですからね!)。

感情表現が得意な作家さんもいれば、ちょっと苦手だな〜って思ってる方もいると思います。でもですね、どちらにしても物語を書くうえで忘れちゃいけないのが、自分の人生をちょっと振り返ってみることなんですよ。

というわけで、こうしてボクのブログを読んでくださっているってことは、「物語を書きたい!」っていう目的(ゴール)を持ってるってことですよね?

でもその前に、「書きたい!」って思った“はじまりの感情”があったはずなんです。

例えば、

「感動した作品に出会ったから!」
「頭の中に世界が浮かんだから!」
「キャラが勝手にしゃべり出したから!」

こんなふうに、あなたが「書きたくなった瞬間」には、必ず何かしらの感情の動きがあったはずなんですよ。(ちなみにボクは推しキャラが死んだ時に書き始めました。情緒ぐちゃぐちゃでしたけどね!笑)

そのとき感じた気持ちを、ちょっとだけ思い返してみてくださいね。
それが、あなたの物語の始まりなんですよ。

関連記事:感情がないと物語は動かない!? ストーリー作りで感情がスーパー大事な5つの理由

【解説】キャラが動かない…物語が響かない…そんなときは「感情」を見直してみてください!実は、感情こそがキャラを動かし、読者の心を揺さぶり、物語をドラマに変える“物語の心臓”なんです!笑って泣けてハラハラする理由、ぜ〜んぶ感情のチカラかも!?気になったらCHECK!


感情表現についての注意点

特に、コニュニケーションを刺激描写を得意とする作家さんなら、ついつい深い精神世界やディティールを描こうとしてしまいがちです。

残念なことに、キャラクターの複雑な感情を読者は追ってくれていないのです。

何故でしょうか?たくさんの感情を出しすぎると、読者は消化不良を起こしてしまうからです。

悩んでいる人の話を延々と聞いていても、同情はするけど、心に響かないのと同じです。

親身に聞いたとしても、相手の事情・背景や100%理解できないものですし、せいぜい「考えすぎじゃない?」って、簡単にあしらってしまう程度です。

例えば、嫉妬
嫉妬の発展形で、怒り、いらだち、悲しみ、不安などを表現したとします。

嫉妬という感情でもバリエーションがあり、人は一度に二つ以上の反応を抱いてしまいます。

ですが、その情報は厳密に言えば、読者とは無関係なんですよ。

それ以前に、物語というのは、うまくいく時うまく行かない時が交差しているので、できるだけ単純にしないと、読者の頭に負担をかけてしまうからです。

登場人物も、主人公、ラスボス、ヒロイン、サブキャラ、これだけでも4名いますし、舞台設定など、ただへさえ覚えることが多いので、酷使してしまうためです。

読者の最大の関心事は、物語で解決されるべき問いかけ(セントラルクエスチョン)が最優先です。

細やかな複合感情や回想シーンなど盛り込みたいお気持ちはわかるんです。・・・ですが物語のペースが落ちるだけでなく、読み飛ばしてしまうかもしれません。

キャラの細やかな情の動きに反応を狙わないことをオススメします。

感情とはストーリーを引っ張り、読者に刺激を与えていけるパワーがあります。それだけに、感情の出しすぎには、注意!と覚えていただけたらと思います。

極力コンパクトに、ピンポイント小出しにしていきましょう。

関連記事:読者から共感を得られない時

感情表現の分類とNG

読者は、極端は言い方をすれば、ワクワク感と、早く結末を知りたいだけです。(まちがってたら失礼!)なので、共感させる表現のポイントが必要になってきます。

感情表現には、いくつか種類があります。

①ボディーランゲージ(動作)
手で×(バツ)を作るなど。

②精神的リアクション
先読み(焦燥感)や妄想(マイナス思考・プラス思考)をするなど。

物的サイン
結婚指輪を投げ捨てるなど。

それぞれ、連想する言葉に置き換えてみましょう。

例えば、嫉妬
①ボディーランゲージ
 →爪を噛んだり自傷行為に走る
②シグナル
 →ライバルは自分と関係がないと自分に言い聞かせる
③物的サイン
 →何本もつまようじを折る

嫉妬という感情は、必ずといっていいほどライバルキャラクターが存在しますので、基本は敵対感情ですよね。

感情の種類によって異ますので、嫉妬の意味を理解した上でリアクションを描写するとよいでしょう。

例えば、
花子は、彼女に怒りをあらわにして嫉妬をした。

これはアウトです。(まんまですね・・・)

〝嫉妬〟という言語を使っていますが、キャラの台詞ならまだしも、言葉にならない非言語を文字通りに書いてはNGです。

また、ダラダラと長い文章を綴るのもみっともないです。

文が長ければよいわけではありません。かえって読者を苛立たせるリスクがあります。

短く心に響かせる文章は、読者に想像させる文章です。

そのポイントとしては、嫉妬という感情を抱いたキャラクターに、先程のボディーランゲージ、精神的リアクション、物的サインの中でベターなものを選び、キャラの感情を連想させやすくさせることです。

例えば、
花子は、洗面所の鏡を素手で割った。彼女の美しさに屈したことを意味するかもしれない。

これは、サイン(物的リアクション)を込めた感情表現ですが、花子の煮えたぎる怒りと無念さを表現しました。

このようにサインに限らず、ボディーランゲージ(動作)を複数の要素を盛り込むことで、説得力のあるシーンを描けるはずです。

100%伝わるようにしなくてもいいんです。読者に感じさせるだけで。

キャラの決め台詞

最後に、キャラクターの感情表現のリアクションの一つ、決め台詞について少し触れておきます。

いろいろな動作や表現があると思いますが、一番ストレートなリアクションが、キャラの決め台詞です。

決め台詞は、感情表現の範囲外です。

あくまで、感情の先にある後付けとなっていますし、正確にいえば、そのキャラ独自の価値観や思考パターンであり、繰り返し読者に理解してもらうためのリアクションだと思います。

今回は、感情表現の見せ方についてご紹介しているのですが、あえてボクの持論を申し上げますと、決め台詞は思考の表れであり、感情表現ではないと考えます。

つまり、
・決め台詞はキャラクターの思考を言語化しているため、感情表現とはいえない
・決め台詞はあくまで作り手の考え方、伝え方を読者に理解するための説明

キャラの感情表現は、どのような哲学をもっているのか?どんな考え方をしているのか読み手が連想しやすいリアクションであり、あくまでどんな感情を抱いているのかを出力したもの(形にしたもの)だと思います。

「これだけは言わせたい!」(もしくは、この台詞を言わせないとキャラ像がわからない)といったものを払拭させ、読者に理解を得させることが主題となりますので、感情表現と決め台詞とは別にした方がよいかもしれません。

以上、ボクが考えている感情表現でしたが、参考にしていただけたら幸いです。

あなたの創作を応援しています。

関連記事:共感と感情移入の違い

【解説】創作において「共感」と「感情移入」は似て非なるもの。​共感はキャラクターの感情に寄り添うこと、​感情移入は読者が物語に没入し、キャラの行動に心を動かされることです。​本記事では、これらの違いを明確にし、読者を物語に引き込むためのテクニックを解説しています。​感動を生むストーリー作りのヒントが満載!気になったらCHECK!