出口の作り方
エンターテイナーとしての〝オチ〟は、クライマックスです。
しかし、始まり(オープニング)と、物語の結果がなければ、オチ(結末)は成立しません。
したがって、小説でも漫画でも、ストーリーの落とし所には、主人公の使命や舞台世界も、必ず着地点があり、収束に向かいます。
クライマックスの次に重要なのは、ラストシーンですよね。
すなわち、どんな終わり方(出口)にするか?どんなエンディングにするかなんですよ。
では一緒に、終わり方(出口)を考えてみましょう。
物語を書いている内に、終わり方は変わっていくかもしれませんが、共通して言える基本的なことは〝余韻を残す〟ことです。
つまり、物語の深みや味わいを読者に残してあげることがよい終わり(出口)だと思います。
関連記事:物語の結末に余韻を残すコツ
そのためには、ラストにあなたが一番伝えたいことを全部書いてはダメなんです。
初心者向けストーリー作りのコツとしては、まず「終わり」をイメージしてから書き始めると、物語がブレにくくなります。小説を書くためのストーリー構成において、エンディングは単なるラストではなく、それまでの流れを感動に変える重要なパーツなんです。
はい。お気持ちはわかります。でも全部書いてしまうと、読者にとって主人公は他人事になってしらけてしまうんですよ。
正確には、〝書かずに読者に伝える〟といったらところ。
物語は終了して「あの後、こうだったらいいな」など期待させるだけでもよいですが、更なる展開を読者に〝想像〟させたり〝連想〟させる終わり方がよいと思います。
漫画のストーリーを考えるためのヒントとしても、オチを曖昧にするテクニックは非常に有効です。スパっと終わるのではなく、「あれ?続きがある?」と思わせるような余韻こそが、読者の記憶に残ります
例えば、
ラスボスを倒して、主人公とヒロインは結婚して幸せに暮らしたのでしためでたしめでたし!で終わっては余韻を残せません。
「あれ?てことは?これは?」とか
「え?まだ終わってないの?」など、
違和感(疑問・不安)をあおらす感じの終わり方です。
あるいは、ラスボスが「おまえらを覚えておくぞ、ぐふふ」という意味深な台詞で終わると、読み手が、いろんな解釈や詮索をしたくなるような終わり方。
このように、ちょっと余韻を、加えてストーリー全体にスパイス的な味付けする感じです。
主人公が、個別課題や全体課題を解決して、新たな世界のはじまりでも終わりを表しても構いません。
どういうことかというと、それは読者の想像力にお任せしましょう!です。
終わり方は「これ!」って言い切ってしまうのではなく、あやふやで、さりげなくてよいと思います。
何故かというと、お化け屋敷で楽しんだお客さんが、友だちにシェアして欲しいからです。よい物語、面白い物語とは、人と人とが結ばせると思うのですよ。
「ヒロインがもっとこうすればよかった」とか
「そうそうあの時、主人公がとった行動が謎すぎる」
「ていうか、つづき書いてほしいね」など。
脚本家志望のための創作テクニックとして、この「すべてを語らず、あえて伏線や謎を残す」スタイルはとても重要です。視聴者の心に余白を残すことで、物語が終わった後にも語りたくなる魅力が生まれます。
読者が、あなたのつくった世界観にどっぷりハマって、噂話されるためにも全部書いてはいけません。謎を残す終わり方が、よい出口(エンディング)の作り方だと思います。
出口は、あなたが細かくはっきり書いてしまうと、読者の想像力を奪い、考えさせることがなくなり、感動してじっくり、浸っていたいという楽しみを奪ってしまいます。
〝蛇足〟という言葉は、蛇に足を書いてしまったために価値を失うという意味ですよね。
もう、おわかりですね?読者にガッカリさせないよう、書きすぎには気をつけてください。
そうです。あなたは、最後まで読者を楽しませるエンターティーナーなのですから。
【お化け屋敷を作る順番】
①出口の一歩手前→クライマックス
②出口→エピローグ(結末)←今ここ
③入口→オープニング
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