ストーリーアイデアをスライドする

アイデアの出し方全般に言えることは、結論として、ねらってアイデアを出すというものではないとボクは考えてます。
新しい商品をつくるためのミーティングに参加したことがあるのですが、まず否定から入いっちゃう人がいるんですよね。
例えば
「そんなの売れるはずがない」
「論点がずれている」
「それはできない」
「意味がない」
「時間の無駄だ」
いやね。「前向きに考えろ」「肯定しろ」とまではいいませんよ?
まず、アイデアの材料を出すための目的があるにも関わらず、個人的な善し悪しで「あれはダメ、これはダメ」と判断する人って多いんですよ。
売れるとか、できるとか、できないとかは、一旦は横に置いて、まずは材料がなければ、議論ができないじゃないですか。
ストーリー作りのアイデア出しも、ほぼ同じであるとボクは考えています。
質のよいアイデア出しとは、まったく異なる分野でも、とっぴおしのない事でも、善し悪しは関係なく、なるべく多くのアイデアを可視化するというのがポイントになってきます。
参考記事:アイデアのまとめはマンダラート
さて。冒頭でアイデア出しは、ねらうものではないと申し上げました。
ここから本題に入ります。
より質の高いアイデアを分類・分析していくコツというのは、そもそもアイデア出しというは、情報(材料)を加工し取捨選択する作業なのです。
ですから、
「思っていたものより、ぜんぜんちがうものがでてきた」
「まぁ、でも、これはこれでいいかも」
「芳しくなきゃ、少し変えてもよいかな?」
・・・というニュートラル思考(中立的な考え)や、いつでもアイデアのスライドを動かせる状態にしておくとよいでしょう。
とはいうものの、作り手としては、早くいいアイデアを握りたいという欲求にかられます。ボクもそうなんですけど、その欲を抑えるには、〝間〟を置くことをオススメします。
よいアイデアなのか否かは時間を置いて確認しないとわからないものです。
関連記事:〝間〟を置く
「こんな風につなぎ合わせたりすれば、もっと面白くないかな?」
「これを増やしたりすれば、もっと面白くならないかな?」
「これを応用したりすれば、もっと面白くならないかな?」
など、試行錯誤しますよね。
以前、オズボーンの発想法でご紹介しましたように、面白いストーリーを作っている途中で、必ずと言っていいほど、つじつまをあわせるための作業が必要になります。
ジグソーパズルを完成させるような作業です。
関連記事:オズボーンの発想法
一つの物語のアイデアに限らず、ジャンルやカテゴリーのアイデアが早く浮かび、表現したいことに結びつけられたらいいですよね。
あなたの奇想天外なアイデアや展開で、主人公が危機を切り抜ける読者にあっと驚かせるシーンのアイデアなど。つまり、〝誰?〟〝何故?〟〝どのように?〟という発想が、物語の土台骨となり、そのシーンを描くために創作するに他ならないとも言えます。
関連記事:創作前の3つの決め事
さて。
少し、本題から横にそれてしまいましたが、
情報(材料)を加工したり、取捨選択する作業をアイデア出しだということを解説しました。
ボクが思うに、ストーリー作りのアイデアの出し方というのは、〝企画〟として捉えているんですよ。
新たな展開の可能性があるアイデアを探求するなら、方向転換や路線変更とをスライドしつづけるのが、上手な企画のあり方だと思います。
韓流ドラマでは、放送中に視聴者の意見に沿ってストーリーの方向転換する、なんていうことが頻繁に行われているようです。
ストーリー作りで多くの作家さんが迷ったり挫折してしまうのは、この方向転換や路線変更が、正しくできていない時に起きていると思われます。
つまり、アイデアをスライドするとは、
・複数の項目別でまとめる
・項目を入れ替える
・できるそうなこと、できなさそうなことを分ける
・必要なアイデアを選択して不必要なアイデアを捨てる
といった分析し、洞察する作業になります。
ちょっと小難しいことを言っているかもしれませんが、ざっくり言うと、スライドする段階で目的をもたないことです。
例えば、
「何となく、こんな感じがいいかなー」
「こうした方が、これよりも面白くなるかなー」
・・・という中立的な考えと、インプット&アウトプットが大切です。
ですから、面白くないとか、つまらないとか、頭ごなしに自分のアイデアを否定しまくると、迷路にはまって、創作が辛いものになってしまいがちです。
本来、創作(アイデア出し)は面白くて楽しむべきだと思いますよ。
あなたも、アイデアをスライドする概念を取り入れていけば、効率的に質のよいアイデアを発想することができるようになるかもしれません。
詳しい内容は、いずれ、もう少し具体的にまとめていきたいと思いますので、楽しみにしていてくださいね。
本日もお付き合いいただきありがとうございました。
関連記事:ジャンルを決めたらコアを堀り当てる
最近のコメント