オープニングは、読者とのファーストコンタクト
本日は、オープニングで意識することについてご紹介します。
ストーリーのオープニング作りも、人間関係の初対面も同じだというのがボクの見解なんです。
もし、あなたが男性(女性)だった場合・・・・
ある女性(男性)と、はじめて会話をしました。シチュエーションは、たまたま同じ部署で知り合ったとか、婚活や、飲み会など何でもいいんですけど。
要は、あなたと相手とは、まったく初対面の場に出くわしたとしますよ?
最近の出来事や、世間話やお仕事など、ある程度自己紹介をして、少しずつ打ち溶けてきました。
すると相手は、あなたに少しだけ興味を持ったとします。あなたも彼女(彼)に、少し関心をもったとします。
お相手はあなたに、次のように言い寄ってきました。
「実は私(僕)、運動音痴なんですよwww。〇〇さんはスポーツしてます?」と恥ずかしいそうにしています。
そこで質問です。あなたは相手にどのように答えてあげますか?
仮にですが、あなたに、そこそこ好きで得意なスポーツがあったとします。
ボーリングでも、バレーボールでも、サッカーでも何でもいいです、あなたが好きなスポーツがあったとします。ボクなら水泳(決して速くは泳げないけど泳げる)です。
さぁ、相手にどのように答えますか?
回答①「そうですか、私(僕)水泳くらいならちょっと泳げますよ。ボクもはじめは水がもぐるのが怖かったけど、少しずつですが、慣れてきて楽しく泳げるようになりました」(と、スポーツに対しての苦手意識を緩和を促す)
回答②「そうですか、実は私(僕)も運動音痴なんですよwww。〇〇さんのお気持ちよくわかります。体育の授業なんて退屈ですよね?コンプレックスがあって運動会なんてリレーの銃声を聞くだけで吐きそうになるんですよ」(と、相手に合わせて恥ずかしそうな態度で本音を偽る)
あなたは、目の前の相手、女性(男性)に①と②どちらを答えますか?もしくは、①、②はどちらが好ましいと思われますか?
回答①を選んだなら、あなたは、とてもまじめで誠実な方ですね。ですが、相手はあなたに興味や関心をなくしてしまいやすいでしょう。(注意:良いとか悪いではありませんよ?)
回答②を選んだら、相手は、あなたに距離をグッと近づき、相手が更にプライベートなことを自分からどんどん話してくるでしょう。(注意:良いとか悪いではありませんよ?)
つまり、何がいいたいのかと言えば、
「水泳ができます」と答えた時点で、相手は「この人は運動できるんだ、私(僕)は無理だ」と思ってしまうんですよ。
ファーストコンタクトに失敗するので、それ以上の人間関係は発展しなくなります。自分とは対象外の人間として判別し「思い描いてたイメージとちがうなぁ」と思わせてしまうのです。
逆に、運動はできるけどさほど得意でなければ「私(僕)も運動音痴です」という答え方であれば、「わーい、仲間がいたぁ!」とたちまち、あなたの虜になって、ワクワクさせることができます。
相手が勝手に興味をもってくれます。
どのように楽しませてくれるのか、あなたに対する関心と、期待値があがることになります。
ファーストコンタクト成功です。
はい。ちょっと話を濁らせたかもしれませんね。
あ、ちなみにボクは恋愛テクニックを教えているのではありません。(さすがにそれはわかりすよね?(^_^;))
あなたも相手も、良好なお付き合いをしたい場合、あえて自分を映えさせずに、多少は敷居を低く脚色するのも手だと思うのです。相手の楽しませることが動機なのですから。
前置きが少し長くなりましたが、結論を申し上げますと
人間関係も、ストーリーのオープニングづくりも出会い頭が大切だ、ということです。
これから始まろうとしている物語(相手とお付き合をはじめる)オープニングは、読者とのファーストコンタクトと同じで、アピール力が必要なんですよ。
ストーリーは作り話でしたよね?
能力を低くみせても何の心配も入りません。もし、回答①を答えたらなら、あなたにもっと柔軟な思考でいて欲しいのだけです。
相手が、興味・関心を途絶えさせないためにはどうすればよいでしょうか?
それはあなたの作品に興味を持たせるための力です。
あなたが考えている主人公が、めちゃめちゃ能力があって、ステータスの高いことを誇示するよりも、ちょっと欠けている、何かが抜けているキャラクターの方が、共感が得られやすく、感情移入しやすいかと思います。
はい。もちろんあなたがイメージしている主人公の理想像はよくわかります。でもオープニングで敷居を下げると親近感がわきませんか?かっこわるく、ゆるくても大丈夫なんですよ。
流石にのび太くんにしちゃうと、下げすぎかもしれませんが。笑
欠点は魅力ですし、コンプレックスに反応することを覚えてください。入口の作り方でもお伝えしましたように、ハードルは上げない難しくしないことです。つまりやさしく、わかりやすくすることでしたよね?
読者に、かっこいいと思わせたい気持ちはよく理解できます。
でも、とっかかりを易しく、敷居を下げれば、完璧すぎる主人公よりも、不格好でかっこ悪い方が、読者は食い入るように読む(相手とお付き合いできる)確率はグっと上がると思いますよ。
確かにそうかもしれませんね。でも、ステイタスが高い=かっこよいとは限りません。
例えば
1000騎の部隊を率いる将軍が主人公。将軍ですから、部隊に危機があれば、一人でも多く部下を敵から守り、自分を犠牲にしてでも逃してあげるというのが理想のリーダー像ですよね。
ところが、逆に、敵陣に突っ込むのが怖くて、自分だけが助かるために、部下を見殺しにしてしまったなんて話、かっこ悪いですよね?
もちろん将軍は「なんてことをしちまったんだ」と激しく苦悩するところからのオープニングならいかがでしょうか。
あるいは、年収1億円稼ぐ一流営業マンが主人公の場合、一流営業マンですから豪華な家に住んで、オシャレな車に乗って世界一周旅行しプライドも高く贅沢三昧。
そんなイメージですよね?ところが、飛行機が無人島に墜落して助かるものの、知性のない小人の土人の奴隷(かわいい女の子)として働くところからオープニングならいかがでしょうか?
二つのオープニングを取り上げましたが、どちらも、「お?」「どうなるの?」って来ませんか?・・ていうか、シチュエーションギャップのコントラストが高くてインパクトを与えられないでしょうか?
何でもできるスーパーヒーローよりも、ちょっと欠陥あり(ワケあり)で一癖三癖あるキャラクターの方が興味が湧かないでしょうか?
人は、みな弱いし、何かしらコンプレックスを抱えていて、欠陥を隠して生きているワケですから、読者は、そんなかっこ悪さ、弱さに惹かれ物語に愛着を持ちます。
どのように、巻き返すのか?挽回していくのか関心を持ちやすいです。
また、乗り越えた時、チェンジできた時、感動を与えれると思いますよ。
今日も、長々とお付き合いいただきありがとうございます。あなたの創作を応援しています。
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