セットアップパートの作り方(その②)
前回のセットアップアップパートの作り方(その①)の続きですが、今回、セットアップパートを作る前の準備と手順についてに解説します。
あなたが、もし遊園地にある〝お化け屋敷〟のオーナーなら、まずどこから先に考えるか?という記事をアップしたことがあるんですけど覚えていますか?
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答えは、出口直前の少し手前の部分、すなわち物語で言うところのクライマックスシーンです。
実は、セットアップパートの考え方はクライマックスシーンがあることが前提条件なんですよ。
言い方をかえれば、物語の最高潮であるクライマックスシーンをイメージできていないと、セットアップパートが考えにくいとも言えます。
つまり、
セットアップパート(序盤)は、クライマックスシーン(終盤)を魅せるために存在するということです。
米脚本家&映画シナリオ講師シド・フィールド的に言えば、セットアップパートは第一幕と呼び、世界観や状況説明・登場人物の紹介とラストに向けての動機づけになります。
もう一度、前回の記事のおさらいしてみますと、
セットアップパートとは舞台設定(状況解説)であり、あなたの世界で何(WHAT)が起きようとしているのか?
そして、主人公がかかえる個別課題、全体課題などと、克服・解決に向けて、物語が動き出そうとしている序盤のシーンです。
更に、その冒頭部分が、ユーザービリティ的に親しみやすく、より読者にわかりやすく簡潔に伝えるパートであれば好ましいということをお伝えしたつもりです。
さて。もう一度、お化け屋敷のオーナーの話に戻りますよ?
あなたがお化け屋敷のオーナーであれば、まず一番先に考えることは、出口一歩手前で「わ!」っと驚かせるエリアでした。
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これは、物語の結末(出口)の前に起きる、最高潮クライマックスシーン(出口一歩手前)を設計することと同じことです。
あるいは、あなたの物語を〝人生設計〟として見立ててください。
将来、自分は〇〇になりたい!というイメージを最初浮かべます。これがクライマックスシーンだと仮定しましょう。
やりたいことができるか、できないかは別にして、将来、自分のやりたいことをするために、今は、何をはじめたらよいか?っていうのが、物語の序盤であるセットアップパートに該当しています。
このように、あなたの人生設計と、あなたが描こうとするストーリー作りの構造は類似しています。
主人公がゴールする手前のクライマックスシーンの後には必ず〝結果〟がつきものです。
結果とは、成功・失敗(Yes・No)や勝つか負けるかです。(引き分けもあります)
セットアップパートに必要な要素は、読者には〝結果〟というセントラルクエスチョン(CQ)〝問い〟を与えることです。
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セットアップパートの決め方としては、クライマックスの〝結果〟を基準として、時系列の前のパートにどんな刺激イベントや、キャラクターの分岐点(ターニングポイント)を設置したら好ましいかを考えます。
例えば、〝パソコンを作る〟ということが主人公の使命や目的だとしましょう。
部品の調達と製品の組み立てという、2つの段階(節目)があったときに、先に製品の組み立てから始めようと思っても、材料がそろってなければ始めることができませんよね?
まったく関係のない部品を調達したら、「そもそも何を作るんだっけ?」となります。
つまり、
①クライマックス→②中間地点→③セットアップパート
という順に考えていけば、円滑に物語を構成できるでしょう。
ビジネス界でも〝マイルストーン〟という言葉があります。
これは、プロジェクトを進行させるために、オープンサービスの日程から逆算して複数のタスクをスケジュールに落としてから、初期段階の作業に着手します。
映画製作も劇場公開日を決めて、それに合わせて、ロケハン・キャスティング・撮影・オーサリングなどのタスクを決めていくのと同じなんです。
ゴール(基準点)を定めることでスタートライン(セットアップ)が見えてくる理屈と言えるでしょう。
ここまでは、主にセットアップパートを作る前の前提と手順を解説しました。
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さて。ここからは、一番大切なことをお話します。
あなたが物語を描く理由が深く関わってくるので、芸術的観点で言えば、大変神経を注ぐ部分です。
あなたがその物語を描く動機や、題材に関しての独自の解釈があり、しっかりコア(核心部分)があれば問題はありません。
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しかし、もし、それが曖昧になっているとすれば、その企画自体を再構築したり、吟味し直してみることをおすすめします。
そのくらい〝何?〟(WHAT)は作家にとって慎重に決めるべき課題とも言えるんですよ。
チェックすべきことは、最初に思い浮かべたアイデアの種が、ストーリー展開(クライマックスシーン)に無理があったり、こじつけになっていないどうかを確認をしてみてください。
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クライマックスシーンが描きたいがために、無理にセットアップパートを考えても、うまくいくとは限りません。
プロ作家さんのように、クライマックスを想定して変態的にセットアップパートをスラスラ描けてしまうのは、セットアップパートに限らず、章(チャプター)毎に設置するターニングポイントの設計ミスも見抜いているし、手順を意識せずとも難なくこなせていると思います。
いわゆる、作家の主観や思い込みによって、意味付けではなくこじつけであることが無意識で気がついているのです。
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