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ストーリーは感情移入!映画は体感させるもの

2020年9月10日

当前ですが、スタジオジブリ映画は、小説でも漫画でもなく、映像と音楽の分野における総合芸術です。

このようないい方は失礼かもしれませんが、ぶっちゃけ物語がなくても秀逸なアニメーションや綺麗な音楽や声優でごまかせるんです。(あ、最近は視聴者も目が肥えてきましたのでごまかせるかどうかは不明ですが・・・)

いずれにしても、アニメ映画とは、視覚と聴覚で体感させるものですから臨場感があるので、文章や漫画に比べて刺激は強くて当たり前です。

進撃の巨人』は、巨人が人間を捕食対象するグロ表現ですが、そんなグロさの中にも人間が生きていく上で、普遍的テーマが散りばめており、物語の中でコントラストが強く美しく描かれてますよね。

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アニメーション動画と音楽は、物語にプロフェッショナルなクリエイターに後付けされたものですから、ボクもあなたも動画やBGM抜きに、シナリオや脚本といったストーリーだけで勝負する心づもりでいましょう。

勿論、ボクもアニメが大好きで、高校の頃はビデオ(当時はDVDがなかった時代)で同じシーンを何度も巻き戻して友だちと観賞していました。「このシーン!好きなんだよね!」「オレも!わかるわかる!音楽の入り具合とも絶妙だよね!」と戯れてたのを思い出します。

ストーリーで勝負とは、アニメーション映画が油絵だとすれば、鉛筆でモノクロの濃淡だけで表現するデッサンと似ています。

ですから、映画のキャラを演じる萌えな声優さんたちや、お気に入りBGM音楽をイメージを借りたままでは、導線は描けないと思うんですよ。

ストーリーのアイデア、舞台設定、あるいは心の底から「これを描きたい!」という強い信念(コア)がないと、奇抜で刺激物のようなネタ・アイデアでカラフルに彩りたくなるものです。

しかし、アニメ独特の勢いとはちがい、物語はキャラクターの背景、生まれ育った環境、事情、性格などを文章で表し、キャラクターに台詞を発言させ演じさせるものですから表現には限りがあります。

とりあえず何かを描きたいから描くのではなく、あなたは描きたい何かがあるから描くのですよね?

物語とは、文字通りあなたの語りです。

奇抜な舞台設定や、ストーリーの伏線、小手先の技術が問題ではなく、いかに読者に共感させ感情移入させるかがポイントになりますが、キャラクターに感情移入させるにはコツがあります。

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それはまず、歓喜よりも、困難に置かれた状況や、葛藤や対立の舞台がベースになります。

そして、感情表現というからには、あなたが感情的である必要があり、つまり、うまくいく時は有頂天になり、うまくいかない時は激しく苛ついたり、歯ぎしりしたり、八つ当たりするといった起伏の激しい激情型であることが条件です。(その辺は、ボク個人はクリアしております)笑

感動する映画を見て涙するを周囲を気にしすぎて、ためらったり、我慢するくらいのタイプがいいですよ。

激しく声を出す、出さないに限らず、心はマグマのような炎が蠢き、簡単に一喜一憂してしまうような繊細さや、弱さがあるからこそ、文、絵、歌詞などで表現ができると思います。

そして、あなたのその感情を、ストーリーというタイムライン上に乗せ、

・キャラの葛藤と対立(演技)
・脅威と効きの世界(舞台)

で、読者が共感できるように、意図的に設計を施します。

キャラクターのモノローグ(相手がいない独り言う台詞)など、読者に理解させ言語として伝えることはもちろんですが、

更に、キャラが困難な状況下(舞台)でどのような気持ちなのか、言葉だけでは伝えきれない、非言語的な表現方法があります。

ボディーランゲージ(動作)、シグナル(精神的リアクション)、サイン(物的リアクション)など、詳しくは前回の記事をご覧ください。

関連記事:感情表現について

実写映画(ドラマ)やアニメ映画の場合、俳優さんや声優さんの演技力と、久石譲菅野よう子澤野弘之などの、天才的な作曲家によって、制作会社(オリジナルコンテンツ配給会社)によって編集・演出されています。

逆説的に言えば、ストーリー作家は、作曲家や演出家に編集・演出させるきっかけを与えているわけです。

そのオリジナルコンテンツとは、あなたのことです。

2000年代に入り、インターネット情報社会に変革した時点で、ボクが「これは確実」と確信していることがあります。

それは、大量生産・大量消費時代が終わり、個(カスタマー)と多様性が、注目される時代へ突入していることです。

ですから、何故あなたはそれを描くのか?が重要で、マーケット思考も益々変革してくるでしょう。

コンテンツで、体感させる役割を持つのは、アニメーションと音楽と映像ですが、その大本となる企画・文章・絵(漫画)が、あなた独自の作風が注目されるようになりますよ。

「何故、この作品を描きましたか?」と読者から質問されたら、「私は〇〇に対して〇〇であるべきだと考えたからです」という、作家ポリシー、信念(コア)が注目され、そのあなたのコアに共感を覚える人々が、ファンになってくれるでしょう。

「なーんだ!今までと大して変わらないじゃん!」と思われるかもしれませんが、ボクは、アーティストや作家さんには、とても恵まれた時代になってきたし、チャンスが多くなるかと思います。

ワクワクするのは、ボクだけでしょうか?

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ジブリアニメ映画で『借りぐらしのアリエッティ』(2010年)のように、小人から見た世界観や壮大なスケール感、例えば、人間の身近な台所を、響き(音)や映像で、大きく見せたりすることは、物語だけでは、体感させることのは難しいかもしれません。

ですが、何故?それを描くのか?という明確な動機さえあれば、アリエッティのような小人が主人公でも、文章・絵(漫画)で読者に臨場感を与えられると思います。

ブレずに最後まで完結できた作品は、コア(根と骨)のある作品だと思います。

題材を決めて、テーマを考える際に、迷ってみてもいいんです。その迷走の中で、あなたはヒステリックになったとしても、自暴自棄になっても、そんな肥やしから生まれた作品というのは、いつも新鮮で、しっかり根づいていると思いますので、自信を持って創作ライフを続けていってくださいね。

素敵な作品が完成できるよう、ご健闘をお祈りしてます。

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