ストーリーメッセージの大切さ

「なんか物足りないなぁ…」
初心者向けストーリー作りのコツを学び、物語を描いてきて、そんな風に思ったこと、ありませんか?
しっくりこないというか、心に響かないというか…。
なんかモヤモヤする。これじゃない感が残る。
ボクも昔からよくありましたよ。筆は進むけど、読み返すと「うーん…」って首をかしげちゃう。
(頭では満足してるのに、心が「へぇ〜」って感じの時、ありません?)
今日は、そんな「モヤモヤの正体」について、ちょっと根っこの部分に踏み込んでお話していきますね。
モヤモヤの原因、それは「メッセージ性」かもしれない
物語に物足りなさを感じてしまうのは――
はっきり言いますと、その作品に「メッセージ」があるかどうか?そして読者がそのメッセージに「価値」を感じられるか?ここに尽きると思うんです。
逆に言えば、しっかりとしたメッセージがある物語って、不思議と読後感が残るんですよ。
読者の心にジワ〜っと、何かが染み渡る。
ボクらはただストーリーを書いているわけじゃなくて、
そのストーリーを通じて、「自分の考え方」や「生き方」みたいなものを伝えてるはずなんですよね。
でもですね、それが物語の中で「ちゃんと表現されているか?」というのがポイントなんです。
(なんか就活の自己PRみたいになってきた…笑)
事の本質、題材とは・・・
・死生観
・善悪観
・人生観
・神観
など、人生における本質的な観念や課題があります。小説を書くためのストーリー構成を考える上で、こうした要素にスポットを当てると、深みが増すんですよ!
物足りなさが感じるというのなら、人類に与えられたこの本質的課題(主義や思想)を、物語作家であるあなたが、もう少し突っ込んで考えていただけたらと思います。
ストーリーメッセージの価値の決定は、笑いや涙ありの楽しさの有無がすべてではなく、ボク個人としては、人と人を結びつける力があるかが本当に価値があるメッセージだと思います。
名無しくん
随分と大げさですね。
名無しさん
要は壮大なテーマが足りない?
いえいえ。大げさとか、壮大さというより、
あなたが、本質的な観念や課題に対して
どのように向き合っているのか?
どのような考え方をしているのか?
どのような捉え方をしているのか?
どのような解釈をしているのか?
つまり、
私の死生観は〇〇である!
私の人生観はこうだ!と言い切れるもの
原作者として、強く断言できるもの
それこそが、
あなたの作品コンセプトであり
あなたの作品テーマでもあり
あなたのアイデンティティであり
あなたの価値観そのものだと言えます。
そのエッセンスが作品の中に脈々と流れているか?
物語や主人公を通して、イキイキと表現されているのか?
メタファーが物語の中に入り散りばめられいるか?
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あなたのメッセージを受け取った読者の反応をイメージ
「あ、わかる!何かこれすごく心に響くよ」「うんうん、私も!」「この作品はいろんな人に読んで欲しいよ」「わかるわかる!」「あの人に読んでもらいたいなぁ」
ボクが思うに、その核たるものが薄いので腑に落ちなかったり、今一歩物語に重みを感じられない理由の一つかもしれません。
お盆が目前なので、例えば死生観という題材について取り上げてみましょう。
脚本家志望のための創作テクニックとして、こうしたテーマ設定は非常に有効です。
新海誠監督のアニメ映画『君の名は。』や『天気の子』には、神道的でスピリチュアリズム的なメッセージがこめられています。多くの人が、死後の世界や魂の存在を肯定しており、日本人の心に響く大ヒットした物語です。
過去のTVアニメでも、高橋留美子の『犬夜叉』や武内直子『セーラームーン』など巫女キャラクターと物語は、クール・ジャパンに注目している外国人が、〝日本の神道的死生観と、欧米の一神教文化と相通じるものがある〟と言われています。
名無しくん
んー救世主とかは、よく聞きますが、キリスト教ですよね?来世はなく天国とか地獄とか?。
名無しさん
宗教に入って考え方や教えを学んだらいいんですか?
名無しくん
イスラムとか仏教とか興味ありません
いえいえ。笑
あなたが純粋に身近に感じきたもので充分ですよ。特別なことでもありません。
例えば、
「自分って何で生きているのだろう?」
「自分が死んだら、消えるのかな?」
「前世や来世ってあるのかな?」など
あなたが感じられるありのままでよいと思います。今までのあなたの人生の中で、そんな漠然とした素朴な疑問にちょっとフォーカスしてみてください。
ちなみにボクの場合、祖父母や知人・友人など〝死〟という現象と直面し、考えさせられるきっかけがあったんです。
だから、生と死を、作品の中に必ず入れています。どの作品にも、毎回キャラが死にます。笑
人は死に直面すると、〝生きる〟とは何か?といろいろな感情が溢れ湧いてくるからです。
キャラに躍動感が出て、面白いものが描けるんですよ。これがボク独自の表現方法(オリジナル)ですし、平たくいえば作風です。
キャラクター設定の重要性と方法として、こういった価値観の内面化は欠かせないポイントですよ。
ところが〝死〟と言えばですね。
あの世とや、金縛りとか、カルト的とか、そのようにタブー視しがちです。
ホラーがよいと言いたいわけじゃなくて〝死〟というのをあまりにもネガティブにとらえている人々が多く、日常生活の中でいつ死と見舞われてもおかしくない身近な題材なはずなんです。
コラム記事:宗教思想と物語について
普段、皆こぞって口にしていないだけなんですよ。(そういうことを語り合える親しい友人がいれば、きっと楽しいですよ)
今回は、死生観についてですが、言葉に言い表すことができない不思議さや、目に見えない何かを表現できれば、作品に深みや豊かさが出せるかもしれません。
コロナ自粛によって、お墓参りだけでなく神社の参詣者も激減されている中ではありますが、この機会に、〝死〟というテーマについて学んだり、考えてみたり、あなた独自の解釈がインスパイアされることを期待してます。
価値観というのは、人間関係のもつれや産みの苦しみを乗り越える過程で、様々な葛藤や対立を作劇する重要なネタづくりになります。
物語の終盤には、登場人物たちが幸せになれるようペンを走らせてくださいね。
また、キャラクターに直結する善悪観・人生観の題材についても機会があればお話できたらと思います。(ボクはそう言うお話、結構好きなので)
ただし、思想や考え方というのは、〝絶対〟というものはありませんし、時代によって流れていくものです。
ですから、ご自分のペースで信念とか生き方、哲学なりをバージョンアップさせるだけというお話になると思います。
あなたが新しい考え方に触れていけばいくほど、新しい発見があり作品づくりも楽しくなるかもしれません。
少しわかりづらい内容でしたらすみません。ストーリーのメッセージ性についてご紹介しました。最後までお読みいただきありがとうございました。
あなたの創作を応援しています。
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キャラクターが「弱い」と感じるのは、作者自身の価値観や信念が曖昧だからかもしれません。この記事では、魅力的なキャラを生み出すために、作者が自分の考えを明確にし、それを作品に反映させることの重要性が書いてあるよ。自分の「軸」を持ち、キャラクターにしっかりとした信念を与えることで、物語はより深みを増していきます。創作に悩む方にとって、心に響くヒントが満載!気になったらCHECK!