キャラの性格の作り方

いつも創作お疲れ様です。
普段の人間関係では、人を性格を判断する時に、
例えば、
・よくしゃべる人(タイプ)→明るい性格→良し
・しゃべらない人(タイプ)→暗い性格→悪し
など、ついつい主観で良し悪しをつけてしまいませんか?
しかし、物語のキャラクターの性格を作る上では、客観的に性格を捉えることが大切です。
性格の良し悪しではなく、ストーリー全体の方向や目的を見据えた時に、役割を与えることで、物語が作りやすくなり、キャラの性格が考えられるようになります。
つまり、キャラの性格と物語(ストーリー)は有機的に連動しあっているということです。
ちょっと、わかりづらくてすみません。
どういうことかといえば、
性格(タイプ)から確かな感情が生まれ、確かな感情からストーリーが作られています。逆に言えばストーリーが感情を作っているとも言えるわけです。
ストーリー(主人公の目的)とそれぞれの性格はつながっていた方が作りやすいと思います。
初心者向けストーリー作りのコツとして、まずはキャラクターの性格と目的をリンクさせる方法をおすすめしますよ。
目次
主人公の目的を中心に性格を作る
ストーリーは主人公ありきです。ですから主人公の性格を軸として、ヒロインやラスボスやサブキャラなどの性格を作ります。
〝人は見かけによらず〟という言葉があるように、先ほどの例をとってみた場合・・・
・明るい性格→よくしゃべるけど嘘つき→悪し
・暗い性格で→あまりしゃべらなくても誠実→良し
など、立体的、多角的に捉えれば、主人公の目的や理由を基準にした良し悪しが見えてきます。
ですから、主人公の目的(ゴール)を明確にすると、物語上におけるキャラの立場や位置がわかり、性格が見えてきやすくなります。
つまり、キャラの性格づくりは、関係模様を考えることから始まります。
・主人公が目的(ゴール)を果たすための協力者
・主人公を妨害するための敵対者
この協力者と敵対者の葛藤・摩擦・対立から生まれる感情から性格をイメージしていきます。
漫画のストーリーを考えるためのヒントとしても、こういった性格と目的の関係性はとても重要ですよ。
主人公の目的・理由に必要な性格
さて。このブログでは、スリーベース(①誰が②なぜ③どのように)を先に要約文をまとめた上で、(あるいは途中段階でも可)プロット・シナリオをつくることをおすすめしてきました。
そこで、②なぜ目的・理由がありましたよね。
主人公の目的(ゴール)にふさわしい性格になっているかということです。
ここで、キャラクター設定の重要性と方法が活きてくるんです。
まずどんな価値観をもつキャラが必要になるのか? 強いては、その感情から生まれる性格を物語(ストーリー)とマッチングさせるかがカギになります。
例えば、
主人公が「絵がうまくなりたい!」という目的(ゴール)をもって美術部に入部するとします。
感情が行動に表れます。
そうすると主人公よりも、絵がうまい先輩(師匠・友だちなど)が必要になります。
美術の先輩が、ただ、絵が上手くなるように優しく教えてあげ、うまくいく結末だったら、物語としてはなんの面白味もクソもありません。
主人公の目的を中心に協力するキャラと、敵対するキャラの性格を考えましょう。
次に何故妨害をするのか?何故主人公に協力するのか?理由を考えた後、性格と背景を組み立てます。
目的に沿って性格をイメージする
例えば、美術部の先輩の性格を作る時、何をイメージしますか?
・こだわりが強い
・自分に厳しく他人にも厳しい
・アドバイスがかなりシビア
など。
主人公にとってのゴールは絵がうまくなることです。
主人公が最も恐れるゲームオーバーは、絵が上手くなるのをあきらめたり自信喪失などです。
もちろん、それで物語が終わってはいけませんが。
でも、「オレは、もう絵は描かない!」といって放り出すシーンも描いてもいいんですよ。
ただし、全面的にサポートするキャラクター(性格)が居れば大丈夫です。
そのサポートキャラは主人公をリスペクトする寛容な性格でないといけませんよね。そこでこのキャラは何故、優しい性格をしているのか?その背景も考えることも大切です。
ストーリーは、うまくいったりいかなかったりリズムがあります。
主人公が絵がうまくなって「自信を持つ」というプラスの現象と、ひどくしごかれて「自信喪失」のマイナス現象を、相互に繰り返しながら展開させていくのがメインストーリー〝幹〟になります。
脚本家志望のための創作テクニックとしては、こういった感情のアップダウンを中心に構成するのはとてもおすすめです。
例えば、
・ダメ出しばかりを言ってケチョンケチョンにする
・何人もの部員を自信喪失させて辞める部員が後を絶たない。
・シビアなオーラが出ていて近寄りがたい
・その理由は何やら過去に原因があるらしい・・・
・普段はもの静かでめったに話さない堅物
つまり、序盤の設定紹介パートで、
・主人公が絵を上手くなるための努力
・ダメ出しオーラを放つ先輩
この相反する対極構造から性格を考えます。
その次に何故、先輩がそのようなストイックな性格になってしまったのかをイメージしていきましょう。(できるだけ、自分の過去と照らせ合わせて)
例えば、
・過去、絵を学んだ大好きだった師匠が死んだ
・両親共に有名画家でコンプレックスを抱えている
など。
このように、キャラの性格の背景を膨らませながら、少しずつ決定させていきましょう。
性別をイメージする
物語全体を動かすキーキャラクターの性別をどうするか、というのもポイントです。
・厳しさの中に優しさがある先輩が男性だったら?
・逆に女性だったら?
・恋愛的な要素を含めたらどうか?
というふうに、ストーリーに深みを持たせる選択肢になります。
性別や関係性からくるストーリーの変化を楽しみましょう。
例えば、師匠が厳しい男性だとインパクトは弱いと思います。だって、厳しくてゴリゴリな教師ってありがちで、普通に考えても男性ですよ。
なので、師匠の性別はクールな女性の方にした方が面白いかもしれません。
台詞をイメージする
最後は台詞。性格は言葉に表れます。
・どんな言葉を使うのか?
・口調や口癖は?
・どんなときに感情が爆発するか?
などなど。セリフからキャラクターが立ち上がってくることも多いんです。
もちろん、決め台詞を無理に考える必要はありません。自然な流れの中で浮かんでくる「そのキャラらしさ」を大切にしてくださいね。
まとめ
キャラクターの性格づくりは、目的・背景・関係性・セリフといったさまざまな要素から少しずつ形になっていきます。
いきなり「性格だけ」でキャラを作ろうとするよりも、物語と感情の流れに沿って自然に導き出すような感覚が大事なんですね。
そしてそれは、初心者向けストーリー作りのコツや、漫画のストーリーを考えるためのヒント、さらには脚本家志望のための創作テクニックにも共通して活かせるアプローチなんですよ。
あなたの物語に、魅力的な主人公や、キャラクターが生まれますように。
あなたの創作を応援しています。
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【解説】主人公づくりに迷ったら、まずは「あなた自身」をヒントにしてみましょう!誰(主人公)・なぜ(動機)・どのように(行動)をざっくり決めれば、キャラ設計がぐんとラクになります!さらに、自分の性格タイプや性別を意識することで、キャラのリアリティが増して物語が深まるんです!男性的・女性的な感覚の違いを押さえるだけでも感情表現の幅が広がりますよ!気になったらCHECK!