あなたがお化け屋敷のオーナーだったら?
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このスリーベース理論について例え話で解説していきますね。
短編も長編もストーリーには必ずオチがあって、オチがないと味気がなくて読者に刺さらないんですよ。
たとえ着想がチープでも、この内容を理解できたなら、あなたはある程度まで高いレベルにまで物語りがつくれちゃいますよ。(いや本当!)
オチがあるということは、当然物語が盛り上がる場面があり、主人公がうまく行く時と、そうでない時のアップダウンのドラマカーブ(個別課題)や、試行錯誤(トライアルアンドエラー)があります。
あなたがフォーカスすべきことは、物語に起伏やアップダウンを作りこんで、読者にハラハラドキドキを味あわせてあげられるかが大切です。
つまるところ、分かりやすい例えでいえばお化け屋敷です。
結論をいいますね。理屈はとても単純です。
つまり、エンタメジャンルを遊園地と例えるなら、あなたは、お化け屋敷(エンターテイメント)のオーナーなんですよ。今から読者を驚かすアトラクションを作ろうとしています。
すでにお化け屋敷という施設と看板はできていますが問題は中身。
さあ、クイズです。あなたがお化け屋敷を製作するプロデューサーだとしたら、まずどこから着手しますか?
ア)入口
イ)出口の一歩手前でビックリさせる箇所
ウ)出口
あなたが読者の立場にたって考えてみれば、自ずと答えは出ます。
正解はイ(一歩手前でビックリさせる)です。
あなたはお客さんをビックリさせて楽しませるために作品を作っているのですよね?
ビックリさせられるか、させられないかは横に置いて、お化け屋敷づくりは、出口の一歩手前から考えるんですよ。これがクライマックスシーンです。
ですから、お客さんが出口を出る前に「きゃああああ!」「うわあああああ!」と怖がれば、
基本的にストーリーづくりは成功しています!あとはどれだけ盛れるかです。
「めっちゃこわかった!」「あはははは!」と観客は大満足!
作家(あなた)は、お化け屋敷を作ったかいもあり、読者(お客さん)もあなたの次回作を期待するようになります。こうしてリピートファンが少しずつ増えていきます。
ではさて。早速、お化け屋敷の作り方のプロセスをご紹介しましょう。
考える手順は以下になります。
つまり、
①クライマックス
②終わり(エンディング)
③始まり(オープニング)
初心者向けストーリー作りのコツとしての「逆算型設計」
第一にすべきこと、
主人公が目的を果たすクライマックスをイメージしましょう!
あなたは「この物語のクライマックスシーンはきっと読者が感動するにちがいない!」という確信はありますか?
[fuki-l]どうかな?まぁまぁいいと思いますが、そのステージまで書いて見ないと何とも言えません[/fuki-l]その確信は本物ですか?
[fuki-r]んー。それはまだちょっと・・・[/fuki-r]ですよね。ここで注意しましょう。
あなたが「これでいける!」という確信がないうちは肉付けをはじめてはいけないということです。
[fuki-l]どうしてですか?[/fuki-l]何故だと思いますか?
例えば、
あなたがハンバーグをつくる!と決心したとします。
ところが、ハンバーグをつくる自信がなかったり、「ハンバーグこそ世界一うまい料理!」という核心がなければ、途中でスパゲティーに変更してしまうかもしれないんです。これはまさに、小説を書くためのストーリー構成でも同じです。途中で迷走する原因の多くは、結末やクライマックスが曖昧なことにあります。
ハンバーグでもないスパゲティーでもない中途半端な料理を作っている内に、「あれ?私は何をつくっているのだろう?」「いまいちだなー」と途中で、予定が変更状態をイメージしてください。
平たくいえば、企画倒れであり、すでに成功率50%以下になります。成功率50%以下の状態で、料理(創作)を続けられますか?
[fuki-l]あ、確かに、無理です[/fuki-l]漫画のストーリーを考えるためのヒント:視覚的演出とビックリの配置
特に漫画では、ページをめくった先で「ドン!」と驚く演出が効果的です。つまり、お化け屋敷の「ビックリ」は漫画ではページ構成に応用できるんですね。
脚本家志望のための創作テクニック:シナリオは「転結起承」で考える
ボクがよく使う方法が「転結起承」。あえて、従来の「起承転結」をひっくり返し、まず驚きと結末(転結)を設計し、それに向けて冒頭(起承)を逆算する方式です。
この設計法は、脚本のプロット構築においても非常に有効です。物語のコア(芯)を先に決めることで、ブレずに描けるんですね。
キャラクター設定の重要性と方法:①誰?が命!
最後に、クライマックスとエンディングが決まったら、主人公が登場するオープニング(入口)を描きます。
ここでは、「①誰?」が重要です。この段階でキャラクターの目的や葛藤をしっかり設定できると、ストーリー全体が生きてきます。
【まとめ:お化け屋敷ストーリーメソッド】
①出口の一歩手前→クライマックス
②出口→エピローグ(結末)
③入口→オープニング
駆け出し作家さんがよく入り口で迷い安いのは、出口がしっかり決まっていないし、手軽に楽しめてしまうことが一番の要因だと考えられます。
見切り発進しても構いませんが、最後がまとめきれなくなる可能性が高いので、必ず出口一歩手前を最初に決めてエピローグを設定した後からの方が、迷いも少なく物語を設計しやすいと思います。
ボクは、ストーリーづくりに悩む、駆け出し作家さんを見かけますが、このお化け屋敷のオーナーは、とてもヒントになる!と評判があります。(人にもよりますけどね・・・)
このお化け屋敷のオーナーの例えを総じて「転結起承」と呼んでいます。勝手にw
従来の起承転結型を、①誰?②何故?③どのように?のポイントをしぼっていくと、物語をまとめやすくなりますよ。
次回は、お化け屋敷ストーリーメソッドの③入口(オープニング)についてご紹介していきますね。お楽しみに!
関連記事:オープニングの作り方
【解説】物語の冒頭で読者を一気に引き込むには?この記事では、キャラクターの動機と行動の一致、テンポのよい展開、さらには「次が気になる!」と思わせるための工夫を、ラブコメの名作『めぞん一刻』を題材にわかりやすく解説しています!シナリオ初心者でも実践できるよう、構成の視点から具体例をまじえて丁寧に紹介しているので、ストーリー作りの入り口に迷ったときのヒントになりますよ!気になったらCHECK!