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テーマという障害

2019年7月1日

創作するにあたって〝作品テーマを決め、テーマに沿って表現しよう!〟と勘違いしている方や、教育現場でも多く耳にします。

テーマっていう言葉は、実は厄介なんですよ。

〝テーマ〟は表現するのではなく、作品をみて読者が「おそらく、これがテーマなんだろうなぁ」と感じさせれば十分なんです。(無理に感じさせようとしなくても大丈夫ですよ)

よく社会問題などで取り上げられる、テーマという言葉ですが、あなたが描こうとしようとしているストーリー内容とゴッチャにしてはいけません!

ストーリー作りとテーマは分けて考えましょうね。

なぜかというと、テーマに沿って創作しようすると、あなたの思考にブレーキがかかり、とても不健康だからです。


名無しくん

ええ?そういうものなの???

はい。作品のテーマ性とかメッセージ性は、決めるものでもなく、感じ取れるものです。

あなたの中で、すでに感じているもの、考えているものだからです。すでにあるものです。

創作前の3つの決め事の内、〝①誰が〟について覚えてますか?

主人公は、〝あなたの分身〟でしたよね?

そうです。あなたがこれまでの人生経験の中で「これだ!」と、認知できた〝答え〟そのものがテーマになります。

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作家(表現者)は、少し考え方が偏ってて、一般の人よりも変わった人も多いですが、比較的、情熱的でお人好しなので、よく悩みがちだと思います。

何かと社会問題に対して、首をつっこんで〇〇であるべきとか聞くと、敏感に反応しちゃいます。

例えば、食料・エネルギー問題や人口爆発とか、北極の氷が溶けるなどのテーマにあわせて、「何とかしてやるぜ!」と無理に作品にしてなくてもいいのです。


名無しくん

え?でも、それって、ひどくないですか?

いえいえ。
だって、世の中で起きている問題って、あなた自身と直接的に関係していますか?

ただ、事象が存在しているだけですよね。世間話(ネタや題材)と、身の上話とは無関係ですよね?

あくまで作品テーマとは、題材があって、その物事に対する捉え方やあなた独自の考え方です。

物語の主人公の考えと、作家さん独自の解釈(物語の種)がリンクされている物語は、読み応えがあって深くて面白いですよ。

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世の中には色々な議題(題材)がありますが、それはテーマとは呼びません。

テーマは、あなた自身の中で「それについては、現時点で私はこう思う!」と解釈をしているものです。

一般論・世論とは異なる考え方を作品として表すことなんですよ。

宮崎駿監督も『風の谷のナウシカ』の発表後のインタビューで、「エコロジカルとか共生とか、テーマとか本当にくだらない!!」と答えてしました。

はい。世論とかマジでどうでもいいんです。あなたの作品とは無関係なんですよ。

作品を受け取る側がそういっているに過ぎないんですよ。

よく“テーマに沿って作品を描こう”そういうことではなく、題材とごっちゃにしてはいけません。世の中の課題を物語や作品しようとしたら、訳がわからなくなります。

ですから題材そのものが物語にはならないですし、それは評論と呼ぶべきで「私はこう思います!何故なら〜からです」ってやつです。

それって芸術(表現)ではなくプレゼンテーションですよね?

これが、作品づくりの障害になります。

そもそも、世の中で起きている事象というものに絶対的な正しい答えなんてありません。

あなたが正しいと思うものが、答えです。

例えば、タバコを吸っている人が、周囲の人に害があるからといって、絶対的に悪いかというと、そうではありません。農家で、畑仕事をしているおじいさんが、休憩をして一服することも悪になってしまいます。(あ、ちなみにボクはタバコの臭いは大嫌いです)

このように議論が堂々巡りになってしまうわけでして、議題に対して創作で表現しようすると疲れるだけ!と、はっきり申し上げておきますね。

議題に対してのあなたの考え方が、メタファー(隠喩)として作品の中にさりげなく散りばめられていればいいだけです。それがテーマ性のある作品だとボクは思います。

このテーマという意味の誤解を解消させ、作家としてのスタンスを考えて直してしていただけたら幸いです。

本日もお付き合いいただきありがとうございました。

あなたの創作を応援しています。

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