面白い、つまらないの基準
面白いと思われる作品は、主人公の方向性が一貫しているかどうか?にかかっていると思います。
主人公の動機が、あちこちに飛んでいなければ大丈夫です。
ご安心ください。
創作前の3つの決め事(スリーベース)の内の、②なぜ?(目的の動機づけ)が、あいまいでなければ、物語の面白さとしては50点以上です。
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・主人公がその目的に向かうために何が必要になるか?
・その目的を達成するための条件(ターゲット・キーマン)とは?
・・・など
ワクワクさせる要素が読者に伝わっており、しっかり導線設計されていれば、読み応えのあるストーリーだと思います。
大切なのは、主人公の目的はコロコロ変わっても、動機まで変わらなければよいということです。
もし、主人公の動機(想い)まで変わってしまうと、主人公を支えるサブキャラ、最後に戦う相手(ラスボス)の魅力が、芋ずる式に失われてしまうからです。
つまり、主人公の一貫した動機と方向性を失うと、ヒロイン・ラスボス・サブキャラの存在価値を失います。
なぜでしょうか?
動機がブレまくりの主人公にラスボスが本気で相手にするはずもないですし、サブキャラもブレまくる主人公に支えたり、付き合う価値を感じないし、ぶっちゃけ読み手もくだらないと思ってしまうためです。
下手をすれば、読者は不愉快な思いをさせるかもしれません。
もう一度いいます。主人公の動機がコロコロと変われば、物語がブレてしまうんです。
そういうお話は、作家であるあなたも、読者も面白いはずがありません。
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それと、もう一つ!
主人公を支えるために存在するサブキャラクターの話(エピソード)が異様に長いとつまらなくなります。
主人公のストーリーよりも、サブキャラが割り込んで目立ちすぎてしまうとつまらなくなります。
書き手は面白いと思っても、読者は主人公の動機を追っているので、その動機とは関係のない話が長ければ、「で?あの話はどこにいったの?」とスルーされる確率があがります。
例えば、
桃太郎のお話では鬼退治が物語の目的です。
ところがサルのお話が膨らんで、鬼ヶ島でなく猿ヶ島にいってサルの村長の喧嘩をやめさせるエピソードを盛り込んだとしましょう。「鬼退治は?」となって物語のゴールが遠くなり、「まだ、あるの?」と読者をあきさせます。
作り手としては、メインストーリーとサブストーリーは分けて考えることをオススメします。
もしくは、サブストーリーを、メインストーリーに紐付けできるように意識しましょう。
関連記事:メインストーリーとサブストーリー
先ほどの桃太朗の物語では
鬼退治がメインストーリーで、
桃太朗が猿と仲間になるためのパートがサブストーリーです。
猿に印象を与えすぎると、桃太朗の動機や目的がぼやけるのでバランスを意識してください。
もし、猿ケ島へ言って、本来の目的(鬼ヶ島)へ行くための大切な物語であれば、読者はまだ許容範囲でしょう。
しかし、読者はそうそう人が良いばかりではありません。
猿ヶ島に、主人公が目的に向かうための道筋があるなら、それをしっかり読者に伝えるべきだと思います。
それとエピソードが増えた分だけ物語がわかりづらくなる、ということを覚えていてくださいね。
枝分かれすることで、物語の導線が薄まり、物語に関心や興味を失う可能性が高くなります。
結果的に、面白くなくなってしまうリスクがあるのかもしれません。
『ゴジラ』なら、ゴジラを退治する。
『ドラゴンボール』なら仲間を蘇らせる。
メインストーリーを放置して突然異世界にワープしたり、現実世界にもどるためのエピソードを付け加えたり、これといった因果関係もなく、新キャラを増やしたら読者がついてこれなくなります。
シビアに言ってしまうと、メインストーリーを明示されていても、読者はそこまで人が良いばかりではないという認識を持つべきかと思います。
もちろん、あなたは複雑な物語構成にしていない方に期待しております。
しかし、もし仮にですが、
主人公の言動不一致、サブストーリーが異様に長いとします。すると読者は、あなたの暗号(ストーリー)を解くために負荷を与えかねません。
読み応えのあるストーリーは読者の反応は「続きが読みたい!」「早く知りたい!」が基本なので、主人公に謎を作ったり、変化させたり、あまり大きく変換させすぎてはリスクがあります。
方向転換させてはいけない、とまでは言いませんが、変化せざる得ない確固たる理由がないかぎり、大きく方向転換(場面展開)しないほうが無難かもしれません。
本当に必要なのかどうかを、よくよく慎重に吟味されることをオススメします。
もう一度申し上げます。
面白い物語は主人公が行くべき方向性が、最初と終わりがブレないんです。
つまり、面白い作品は、読者が主人公に感情移入していることじゃないですか。それだけ単純ということです。
お客さんがあなたのお話に乗って来てくれているワケです。
関連記事:主人公の挑戦(覚悟)と決意(誓い)
「で?どうやって解決するの?」
「最後達成するの?どうするの?」
・・と話にのってきたお客さんを、次の展開に引っ張り上げるためのエピソードに集中してください。
そこに新しいキャラを登場させてもよいですが、それは主人公の目的とどのように関係しているのかだけ抑えましょう。
難しく考えずにシンプルに。
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いきなり無関係なお話(作者は関係があると思っても)が割り込むと、一端、切れた状態になり、読者は「これは何のお話なのかな?」という状態です。
いくら「このパートは関係があるシーンだから!」「次を見たらわかる!」と考えていても、読者が、おいてけぼりをくらってしまう可能性があることを頭のどこかの片隅に入れておいてくださいね。
ですから、メインストーリーの場面展開の舵切りは、できるだけ遠くの人・物・事を扱わないようにすることです。
できるだけ、近くの人・物・事とは、主人公に関係する周囲のキャラを動かします。もしくはラスボスの側近など、近くにいる存在を扱い、本編とつなげていくことを意識してください。
例えば、
その頃、遠い異国の地では〇×が起こっていた・・・
・・など、メインストーリーと関連のないパートを急に入れると、読者への願望(理解させることに負荷)をかけさせてしまっているので、ちょっと抽象的かもしれませんが、
「この章はもう終わりですよー」
「次の話は〇〇からの話ですよー」
というワンクッションを置くことを意識するとよいと思います。
もし、あなたが次の展開のアイデアが思い浮かばなかったり、迷って困った時は、
・主人公の方向性が一貫しているかどうか?
・後々、主人公と関連してくるパートなのか?
・本当にこれで読者が理解できるのか?
・・・を一度、振り返って確認してみてくださいね。
ストーリーに一貫性、一つの有機性として考えることが大切なワケですが、冒頭でもお伝えしましたように、主人公が〇〇をする、という導線設計です。
それは、①誰?が②何故?③どうする?という要約文で、まずはそれを決めることをおすすめします。
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この導線設計の3つの土台が決まれば、あとはドラマ曲線を描くだけです。
誰?何故?で、いかに読者に同情させ、どうする?で感情移入させるように構築していけば、60%の確立で読み応えのある物語が創作できますよ。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
あなたの創作を応援しています!
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