物語はヒーローを描く

ヒーローと言えばバトル+ラブコメというパターンを活かして英雄的行為を表現することがほとんどですよね。
例えば、
あるワンシーンで、拳銃やナイフを持ったマフィアが現れて、あなたの愛する人を陥れたり危害を加えようとしていたら、どんなアクションを起こすでしょうか?
・逃げる
・戦う
・抗議する
・交渉する
・ひざまづく
・助けを呼ぶ
など。
通常、愛する人を見捨てて逃げたとしても読者は不快に感じるものです。
ですから、結末は決まっていて何かしらのアクションで手を打つでしょう。
他作品や、漫画でもそんなシチュエーションは数多くあります。
しかし、たいていは
「出来レースだなぁ」
「お約束だな」
・・とつい「面白くない」と感じてしまうことってありませんか?(特に最近・・)
絵とか文章はうまいけど、やっぱり臨場感が足りないと言うか物足りないというか・・・。
英雄的行動と聞けば国家の命運とか世界的規模で歴史を動かす偉業などというイメージをしてしまいますが、そんな大それた話でなくてもいいんですよ。
そもそも、この日本という国で〝自分が愛する者が奪れそうになる〟というのは稀ですのでイメージしずらいのかもしれません。
でもですね。
作家・・・いえ。あなた自身の器(表現)を広げるためにも、実際に目の前で事件が起きたなら、あなたならどうアクションするか?を、めちゃめちゃリアルに深刻に考えて欲しいのですよ。笑
もっと身近なもので、あなたができそうな行動範囲で十分なんです。
・・・と、急に言われてもリアルに想像が浮かばないと思います。
そこで!
ボクが主人公になったつもりで、リアルに妄想エピソードを公表しますので、笑わずに読んでください。
深夜、何者かがドアの鎖を大型ペンチで切断して進入してきました。
ドアが開く音が響いたので、母親も何かしら?と寝ぼけてます。
ボクはたまたまトイレから出て、強盗が入ってきたことを認識しました。
暗くてよく見えませんでしたが、相手はナイフや武器を持っているかもしれません。
ですが、ドアをこじ開けること事態、不審者に間違いなく、危機が迫っているので部屋の奥へ引き上げました。
まず、自分のことよりも、母親が気になります。裏口から逃がすこともできなくはありません。
しかし、たった今、得たいの知れない者が入ってきたばかりだし、説得している間に襲われたらアウトです。
そもそも寝床まで距離があるので、おそらく間に合わないと判断したため、ボクは強盗と戦う決意をしました。
どのように戦うのか?
キッチンに包丁とフライパンが置いてあります。
・包丁=剣
・フライパン=盾
ボクは剣と盾を持ち出し、テーブルの影に身を潜めました。
すると、侵入者がダイニングまで進入。
電気をつけ、犯行者は二人いることがわかりました。
明かりがついたので寝室に光が漏れました。
母親はてっきりボクが電気の明かりをつけたのだと勘違いをしています。
犯行者たちは警戒しているはずです。下手に攻撃すれば返り討ちに合うかもしれません。
ボクは警察に連絡しようと思いましたが、スマホは手元にありません。
彼らが金目当てなのか殺人が目的なのかまったく不明。
相手がナイフを持っていたら、フライパンで防御したり反撃し正当防衛をしなくてはいけません。
しかし、犯行者は二人で、白兵戦になったらボクの方が不利です。
一人にフライパンを投げつけて、あと一人は包丁で戦うしかない。
しかし、敵はどんな動きをするのか見当もつかない。
彼らはダイニングを注意深く見渡している。もし犯行の一人が寝室に近づき、母親を襲うようであれば、背後からフライパンで頭を殴らないといけません。
もう一人の犯行者が、ボクに襲いかかってくるようなら包丁で立ち向かいます。
うまくいくかどうか?その後はどうなるのかは全くわかりません。
勝つか負けるかなんて考えている余裕はありません。自分の命や大切な人の命が脅かされているわけですから、生きようとする本能なのでしょう。
今ボクは、恐ろしくて心臓の鼓動が耳元から聞こえてきます。手に汗をかき、握っているフライパンが床にすべり落ちそうです。
目の前で強盗が母親に危害を加えても、尻込みをしたまま怯えて動けないかもしれないし、母親を見捨てて逃げ出すかもしれません。
犯人たちに見つからないように息を潜めて隠れていますが、固唾を飲みこむ音で見つかってしまいそうで、頭が真っ白になってしまいそうです。
どうすれば??
いったいどうなる?
その時、どういうワケか自分でも信じられない行動を起こします。
定規で直線を引くように、フライパンを握る片腕を包丁で切り裂き血を流しました。その痛みで恐怖心を弱めるためだったかもしれません。
そして、ボクは全神経を攻撃態勢に向けさせました。
パックリ切れた腕の傷から血が流れて床にポタッポタッとこぼれました。
その瞬間、冷静さを取り戻したボクは強盗たちを追い払うためのアイデアが浮かびました。
それは、流血を額に塗りパジャマに血をたらした凄惨な姿を犯行者に見せて威嚇するのです。
犯人たちはついに母親のいる部屋へ近づき戸をあけようとしたその時、
ボクは上半身血だらけになった姿のまま立ち上がりました。
・・・いかがでしょうか?
もちろん、ボクが愛する母を守るためにとった行動はヒーローと呼べるかは疑問に感じるかもしれません。妄想なのでありえない話かもしれませんが、常日頃から一大事が起きた際、あなたがどんなアクションを起こすのかシュミレーションしてみるといいですよ。
あなたも非常事態をリアルに妄想をすれば、登場人物に魂が入り生命力の強いキャラクター(主人公)を描くことができるかもしれません。
上記のように、もしも強盗が侵入したらボクはそんな行動を起こす気構えなので、主人公の思考や行動をリンクさせていけます。
あなたが弱くて逃げ出したり肝が据わってなくても大丈夫です。自分だけが助かり、大切な人を守れなくて後悔しても構いません。
だって物語なんですから。
お話には続きがあります。きっと巻き返しがあり再起を図っていくことでしょう。何故なら、あなた自身がそのような生き方を望まないヒーローの心があるからです。
愛おしい者、力弱き者のために勇猛果敢に体を張る、というシチュエーションは、数多く使われている展開パターンなんですが、臨場感が足りなければ面白さが伝わりません。
あなたは今〝自分〟という物語を生きてますし、いざ危険に見舞われた時、人間(本性)が現れます。もし卑怯で醜い自分を発見したら、それも脇役(ザコキャラ)へ変換すればよいだけです。
ストーリーは非日常を設定できるわけですから、普段から、あなた自身と登場人物を重ねたり、生き方を見直たり、未来を見通すことをオススメします。
これがアイデアの出し方とストーリー作りの本質だとボクは考えています。
このブログでは、プロットを作る前に、①誰、②なぜ、③どのように、の3つのポイントだけを抑えて、要約文を作ることを一押ししてます。
関連記事:創作前の3つの決め事
その①の誰とは、主人公のことで、あなたの分身を意味します。
現時点で、理想の姿に到達していなくても、
~でありたい自分
~が理想とする姿
・・・の目的(ゴール)を頭に思い浮かべられますし、ストーリーは意志と努力によって書き換えることもできます。
他作品からの教訓を学び、取り入れるだけでなく、自らが疑似体験したエピソードを交えて語ることで、主人公の人生観を有機的に紐付けできればベターだと思いますよ。
あなたの創作を応援しています。
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