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面白いとは何か?

2022年1月20日

いつも創作お疲れ様です。

本日は、物語のアイデアの出し方についてご紹介します。

ストーリーづくりで面白さを追求してみる時、何が面白いのか?と問う前に、先に考えることと言えば、まず、面白さとは何か?だと思います。

さて。意外と難しいですよね。で、ボクなりに学んできた内容をまとめてみました。

面白さには、ズバリざっくりですが、
①共感的面白さ
②趣むき的面白さ

この2種類あると思います。

順番に、解説にしていきますね。

①共感的面白さとは、

「あ、わかる!」とキャラクターの揺れ動く感情に共感して笑ってしまう表現方法だと言えます。

その笑いのメカニズムは、緊張→引き(トリガー)→緩和という法則があると以前ご紹介しました。

共感の面白さとは、主に、各場面(シーン)や、各シチュエーションのストーリーパーツで、ところどころに刺激イベントとして配置されており、ギャグシーンとして笑えるイベントに相当する面白さです。

作り手が、ウケを狙ってギャグを飛ばします。その受け手である読者が「ウケる!」という流れの中で、「クスクス・・・」と、思わずニヤけ、時々「あはは」と声をだして笑うイメージ。

これは、キャッチボールで例えると、ボールを受け取った読者の反応がストレートに「わかる」という構造で、作り手は、壺にハメ、受け手はハマったわけです。

読む側からしてみれば「この作者、笑いの壺を抑えてるなー」と関心させられるんですよ。

そうです。単純に面白い。「これ笑えるww」「わかるwwww」って感じの面白さです。

実は、この「わかる」ですが、認知的な原則があります。

例えば、あなたは算数と国語とどっちが好きか?と問われたら、おそらく国語と答えるでしょう。(国語より算数が好きな人は理数系です、あなたは文系ですよね?)

なぜかというと「わかる」からですよ。

算数は「わからない」ことが多かったら、「つまらない」ですよね?どっちかつーと、国語の方は「わかる」からキャッチボールができているし、笑いにアクセスしやすい環境なので「面白い」と感じやすいのです。

逆に「わからない」と不快に感じます。

でもですね。ミステリーもので「謎めいている」(わからない)から面白いのではないか?と疑問に思うでしょう。

ここで、勘違いしないでいただきたいのは、謎が謎としてわかるから面白いのであり、何が謎なのか、がわからなければ面白くない(不快に感じる)ので、セットアップパートはできるだけわかりやすくしましょう。

関連記事:セットアップパートの作り方(その①)


この共感的面白さには、実は2種類ありまして、
①ポジティブタイプ
②ネガティブタイプ


があります。

ポジティブな共感は、いわば、「あるある的」なライトな面白さです。先に挙げた「あはは」や「クスクス」と笑ってしまうタイプです。

ネガティブな共感は、「何じゃこいつ!クズじゃね?」「アホすぎるwww」「ざまーみろ!」という面白さです。笑いの公式でも解説しましたが、同情ギャグとスカッとギャグに該当します。ボケとつっこみなら、つっこみの方です。表現の対象が読者の目線よりも低い位置にあります。

ブラックジョークなどの皮肉めいたものから、やじり、揶揄、自虐、滑稽な面白さとも言えるでしょう。

関連記事:笑いの公式

ポジティブな共感に対して、ネガティブな共感は、キャラクターや出来事を、読者が俯瞰で観察して笑っている感じです。いわば見下げた面白さですね。

自分よりも馬鹿なやつ、低レベルで幼稚なキャラクターに対しての感情であり、逆撫でさせたり、もどかしく思わせたり、やきもきしたりする面白さ。

共感的面白さにも、以上のような種類やレベルがあることを覚えてくださいね。

で。次にいきましょう。

②趣むき的面白さとは、

各章で作劇された表現や、物語で扱っているテーマだったり、ストーリー全体に関わる面白さです。

先にあげたブラックジョークとも関わってくるのですが、ストーリーの作風には、悲劇と喜劇がありますが、どちらも含めた言葉で悲喜劇と呼びます。

読み手に、涙と笑いを誘い、感情にゆらぎや抑揚を与えた面白さです。「腹をかかえて笑えるほどではないけれど、あの作品すごく面白かったよ(良かったよ)」と感想をいう読者を思い浮かべてみてください。

これまでとは違ったドラマティックで味わいのある面白さ。奇異なテーマを扱っていたり、「ジャンルAとジャンルBという異質な要素の掛け合わせが趣きがある!」的な面白さです。

古典で言えば、「いとをかし」です。ちなみに古典の授業に200%ついていけなかったボクですが、この言葉だけは何とか覚えています。「糸」と「お菓子」で覚えました。(はい。どーでもいい話ですね)

趣があるとは、意外性に富んだ、やや大人ウケする面白さかと思います。

英語表現でいえば、共感的面白さを(interesting)に対して、趣むき的面白さをファニー(funny) おかしい、おかしな、という意味合いです。

エンタメやコンテンツという狭い意味での面白さというより、美術館でヘンテコな作品をみて楽しかった!という広義的な面白さかと思います。

笑いは伴っていない「これは何だろう?」的な面白さだったり、「いいなーあこがれるー」といった表現の対象が読者の目線よりも高い位置にあります。

ちょうど、呼吸と同じで、吸ったり、吐いたり・・・・。そのような、躍動と揺らぎというのは、共感的な面白さは動的で、趣むき的面白さは静的だと考えられます。

あなたの作品にも、波が奏でるストーリーが描ければ、創作が楽しくなるかもしれませんね。

ボクは、この2種類の面白さを、バランスよく取り入れている作品は人気が高いと思っています。まぁ、どちらも大切です。

関連記事:面白い、つまらないの基準

この共感的面白さの要素と、趣むき的面白さの要素の配分についてですが、後者の要素が多いと、ややシリアス的な作風となり、前者が多ければ、コメディー(コミカル)タッチの傾向が強いかと思います。

そのサジ加減は、取り扱う題材にもよりますが、あなた自身がシリアスなタイプなのか、それともコミカルなタイプかで判断してもよいと思います。

ちょっと重い題材が好きな場合、例えば、社会派ドラマや重厚な戦記ものであれば、全体が固くなりそうなら、柔らかくするためにコメディー要素を意図的に取り入れたりすると、より趣むきのある作品に仕上がるのではないでしょうか。

それを最終的に決めるのは作り手である、あなた自身ですが、「できる!」と「面白そう!」は別に考えて、あなたが「できそう!」なら、チャレンジしてもよいと思います。

しかしハードルが高くて難しそうであれば、あなたに見合った題材を選択するとよいと思います。

基本、あなたが「やりたい」ことを「やってみる!」が創作を楽しむ秘訣ですから、自分をバージョンアップさせるために、自分の可能性を信じ、豊かな発想で、作品づくりに活かしていきましょう。

あなたの創作を応援しています。

関連記事:ストーリーの題材について