オープニングの作り方|読者を引き込むストーリー構成のコツを解説

オープニングは物語の入口を作る重要なパート
オープニング作りは、絵コンテを書くような感じで、一つ一つのシーンを描写して、読者が自然に話について来れるか?がポイントです。
具体的には
①キャラクターの動機が分かるように描く
②キャラクターが、葛藤、対立している情景が分かるように描く
③キャラクターの動機と行動を一致させる
④テンポよく展開させる
など。この考え方は、初心者向けストーリー作りのコツとしても非常に重要な部分ですよ。まず読者を引き込む「入口」の構成が、物語全体の流れに大きく影響するんです。
まだ他にもありますが、オープニングとはざっくりこんな感じです。
シリアス系ラブコメディー&ギャグ漫画作家の高橋留美子さんのオープニングの作りは、個人的にどの作品も秀逸で関心させられます。
たった数ページのコマだけで、個性あふれるキャラが登場し、セットアップパート(物語の本題に入るための状況説明や前段階の話)を、明示しながら、読者の心をすばやく鷲づかみにしてしまいます。
出だしの惹きつけ方が大変上手なんです!
特に、ボクが大好きな『めぞん一刻』(ネタバレ注意)のオープニングについて少しご紹介します。
主人公の五代君が、ならずものの住人たちに囲まれ、嫌気が刺して怒鳴りながらボロアパートから出ていこうとした時、超美人な管理人さんがやってくる。
玄関でばったり目が会い、主人公は管理人の響子さんに一目ぼれしてしまう。
そんなシチュエーションから始まっており、物語の入口がとてもわかりやすくて秀逸なんです。
例えば、悪い例としては、
「主人公は高校二年生。成績は普通。家族構成は父、母、妹の四人家族で⋯」
と設定だけを延々と説明してしまうパターンです。
これでは読者は「それで何が起きるの?」となってしまいます。
一方で良い例は、
「主人公が遅刻しそうになりながら学校へ走っている途中、転校生とぶつかる」
といったように、行動の中で状況や人物像を見せる方法です。
読者はキャラクターが動いている方が自然と物語についていきやすいんですよ。
『めぞん一刻』に学ぶストーリー構成の基本
この入口で、すでに、果たして五代君と響子との恋の行方は?
・・・・というCQ(セントラルクエスチョン)が示されています。(セントラルクエスチョンとは、物語全体を通して読者が知りたくてたまらなくなる核心の問いのことです。)
わずか数ページだけで、「ふむふむ続きは?」「二人の行方は?」と読者の興味と関心を惹きつけるパワーがあります。五代君に共感できる理由は、彼が完璧な主人公ではないからです。
住人たちに振り回され、将来への不安を抱え、失敗もする。
だからこそ読者は「頑張れ!」と応援したくなるんです。
また、響子さんも単なる美人キャラではありません。
亡き夫への想いを抱えながら前に進もうとしているため、読者は彼女の心情にも興味を持ちます。
このように、魅力的なオープニングは出来事だけではなく、「この人物をもっと知りたい」と思わせる仕掛けも含まれているんですよ。小説を書くためのストーリー構成では、オープニングの役割は「読者を最終地点(クライマックス)に向かわせるための最初の踏み出し」であるとも言えますよね。
あなたがストーリー作家なら、リズムや展開のテンポ、濃すぎるキャラ(存在感)の表し方などを研究したら、何か役立つかもしれません。
魅力的なオープニングをつくる目的は、読者を引かせることはもちろん、クライマックスを暗示させ、最後まで見届けさせることです。
入口を作る前に、物語の企画段階で〝これは絶対いける!〟という確信部分があります。その確信部分こそが物語の中で一番盛り上がるクライマックスです。
つまり、クライマックスあっての入口であり、いかに物語の終盤へ引っ張っていくためのフックやツカミが作れるかがポイントになります。
この話、何が起ころうとしているのか?いったい最後はどうなるの?という引き(トリガー)を強めさせることが大切です。
関連記事:トリガー(引き)
クライマックスへもっていくためのオープニングの作り方の注意点ですが、
①キャラクターの行動を小難しかったり複雑に感じさせないようする。
②エロやグロなどのカンフル剤は使用せずに、できるだけ自然に引っ張る。
③次の展開がわかるようでわからないようにする。(わかりすぎてはいけない)
④次の展開が気になるから読んでみよう!という興味を持たせる。
漫画のストーリーを考えるためのヒントとしても、まずこのオープニングを「絵でどう伝えるか?」という視点で考えると、表現の幅がグッと広がりますよ。
キャラクター設定が読者の期待値を高める
物語の終盤(クライマックス)はもちろん、五代君と響子さんがゴールインして夫婦になります。(あ、ネタバレですね。大丈夫ですか?)
読者は「多分そうだろうなぁ」と薄々わかりながらも、簡単にゴールにたどり着けない、二人が結ばれないリミットやハンディーキャップが付与されているので、どのようにゴールする?と見入ってしまうわけです。
特に、主人公の目標(ゴール)にを阻む個性的なキャラクターが次々と現れ、しかも形勢のバランスがうまくとれています。
響子さんの気持ちが、少しずつ五代くんの人柄に惹かれる(惚れていく)過程が描かれ、中盤のトライアル・アンド・エラーパートでは(うまくいく・うまくいかない)が展開されていきます。
脚本家志望のための創作テクニックとして、こうした「トライアル・アンド・エラー」構造は、シナリオ設計でもよく使われますね。起承転結ではなく、挑戦と失敗を重ねて感情のうねりをつくるんです。
関連記事:トライアル・アンド・エラーパートの作り方
具体的には、響子さんと五代くんのすれ違いとか、二人自身に乗り越えない壁があったり、誘惑があったり。
安易にこの二人を結ばせない演出力があります。少しずつ誤解が溶けていき、二人の愛が膨れ上がり、大人になっていく成長物語系の展開パターンです。
これから何が起ころうとしているのだろうか、この二人はどうなるのか?
あなたの作品のオープニングで、期待値が高いか確認してみてください。
読者に続きを追わせるためには、この期待値を高くさせるための工夫も必要になります。
五代くんと響子さんがむすばれる結末はオープニングの作りで見えているのに、続きが読みたくなる理由は、単純で複雑なんですよ。
ラブコメディーにおいては、キャラクター同士の対局構造を設定し、リミットやハンデなどの設定すると、面白いオープニングが作りやすくなります。
関連記事:リミットを与える
この考え方はラブコメ以外のジャンルでも応用できます。
例えば
バトル漫画なら、「主人公は世界最強を目指しているが、圧倒的な実力差を持つライバルがいる」という構造になります。
ミステリーなら、「犯人を見つけたい探偵」と「正体を隠したい犯人」の対立構造になります。
ファンタジーなら、「魔王を倒したい勇者」と「世界を支配したい魔王」というわかりやすい対立になります。
ジャンルは違っても、読者が気になるのは『主人公は目標を達成できるのか?』という部分なんです。
例えば、五代君にも浪人生というハンディーキャップがあり、響子さんには、亡き夫の執着心がクライマックスにもっていくためのネックになります。
その設定で、二人が結ばれる道のりは、あまりに程遠いのです。
でも、読者に注目してもらいのは、どのように課題を解決していくのか?どのように二人は近づいていくのか?その一部始終を見守って欲しい、見届けて楽しんでもらいたいという作家のエッセンスが感じられます。
このように、キャラクター設定の重要性と方法を理解しておくことは、読者の心を掴むためにも非常に大切です。
以上、オープニングの作り方を解説してまいりました。
最後に、あなたの作品のオープニングを確認するためのチェックリストをご紹介します。
オープニング作りチェックリスト
□ 主人公の目標や動機がわかるか?
□ 主人公が抱える問題や葛藤が見えるか?
□ 読者が「続きが気になる」と思う疑問があるか?
□ キャラクターの行動と動機が一致しているか?
□ クライマックスにつながる要素が含まれているか?
□ 登場人物の魅力が伝わっているか?
□ 説明ばかりにならず、行動で見せられているか?
もし半分以上にチェックが入らなかったら、オープニングを見直す余地があるかもしれません。
逆にほとんどチェックが入るなら、読者を引き込む入口として機能している可能性が高いですよ。参考になれば幸いです。
あなたの創作を応援しています。
関連記事:オープニングの見せ所

【解説】物語は始まりが命!読者の心を一瞬でつかむには、ただ派手にするだけじゃダメなんです。主人公のピンチや制限=「リミット」を冒頭に入れることで、ぐぐっと引き込まれる展開に!“むかしむかし”より“いきなり大ピンチ”が読者を釘付けにする鍵なんですよ。気になったらCHECK!







