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ストーリー作品としてのフック

2019年10月27日

いつも創作お疲れ様です。

以前の記事で、あなたがもし、お化け屋敷を開発するプロデューサーだったら、最後につくる箇所は入口だということを解説してきました。

そこで今回は、物語を出だし、オープニング作りの考え方ついてご紹介します。

物語のオープニングで大切なのは、読者が「ん?何だろう?」とついつい気になってしまう〝ひっかけ所〟です。

このひっかけ所を、脚本用語ですと「ツカミ」という呼び方になりますが、ボクは〝フック〟と呼んでます。

ボクが何かの作品を読む時「このオープニングはフックが効いている!」と勝手に言ってます。(ボクシングのパンチじゃありませんよ)

もちろん、工具材料のフックは、何かをひっかける鉤(かぎ)だったり、釣り針のようなので、ツカミよりも、フックの方がニュアンスが伝わるし、その呼び方にしております。

引っかけるためのフック(釣り針)の前に、撒き餌(魚や小鳥などを寄せ集めるための餌)を準備しないといけないんですよ。

関連記事:ストーリーの動力源は〝ツカミ〟

とはいうもの、読者に興味を引かせるってちょっと、難しいですよね。

でも、ご安心ください。いかに、興味を釣り上げる仕掛け(釣り上げシステム)あるいは、いかに次の展開や場面につなげれれるか、のポイントを掴んでいれば、あなたの作品も変わり映えすると思います。

あなたが一番表現したいクライマックスシーンまで、読者を牽引できるか否かですが、そのストーリーのスタートダッシュにフックがないとどうなるでしょうか?

気を引かせたり、魅了させる要素が薄いことになります。

当然、読者に、何もひっかからないので、作品を最後まで読んでくれる可能性は低く(離脱率が高い)なると思います。

オープニングでは、

・できるだけ分かりやすく
・続きが気になるように

でしたよね?

関連記事:オープニングの作り方

では、これからあなたの作品を読もうとしている読者さんをイメージしてください。

どのようにわかりやすく続きが気になるように仕掛けますか?面白そうなストーリーというのは、必ずといっていいほど、斬新なキャラの登場シーンです。

物語の始まり方に強いインパクトを与えたい場合は、エスタブリッシュショットが必要です。

ニュアンス的には、「え?なになになに?」「それ何?」「どういうこと?」です。

以前にもお伝えしたインパクトです。

インパクトの作り方は複数の要素のギャップでしたよね?これが、撒き餌なんですよ。

このようなフックがないと「ふーん・・・」で終わります。

関連記事:エスタブリッシュショットはOP中のOP!

フックというのは、物語の謎要素であり、主人公の目的に対してのアンチテーゼです。

もし、あなたの作品で、出だしの部分が「ちょっと物足りないなー」と感じてましたら、フックが足りていないと思ってください。

そこで、あなたの作品がわかれば、具体的に教えられるのですが、わかりませんので、ここではフックの作り方のイメージとしてご紹介しますね。

以前に〝続きを読させたくなるコツ〟でも紹介しましたとおり、

①フタをしめた箱を置く
②フタをあけてはダメというシールを貼る


この二つを意識することで、フックの基本形ができます。

では、①フタをしめた箱を置くとはどういうことでしょうか?

例えば、だるまさんが転んだ遊びがわからない読者に対して、「はじめの一歩とーんだ!」って叫びます。「これなーんだ?」という疑問を投げかける要素です。

脚本用語で、セントラルクエスチョンと呼びますが、どんな遊びだ?ルールは?果たしてどんな展開になるのだろう?と、読者が勝手に感じてくれます。

読者に対して、明らかに答えがあるよ!というサイン(箱)を、わざわざ見えるところに置くんです。

その刺激イベントは、インパクトがあると同時に、あなたの物語の結末を意識することがポイントになります。

関連記事:セントラルクエスチョンの考え方

次に、②のフタをあけてはダメというシールを貼るとはどういうことでしょうか?

読者に対する、モヤモヤする強烈な問いに対して
「あけたら危険です」「絶対にやばいです!」「危ないから1メートル以上は離れましょう」的な、閲覧禁止的な要素を組み合わせていきます。

例えば、
浦島太郎でいうと、乙姫さまから貰った玉手箱があります。「これは決してあけないでくださいね」と言う台詞。

・テーゼ(正)→乙姫からもらった箱が気になる
アンチテーゼ(誤)→開けたら絶対にだめ

この台詞ってすごく印象に残るシチュエーションじゃないですか。じゃー、何のためにもらった箱だよ!プレゼントは開けるためにあるんだろうが!って読者がツッコミまれすよねw

ズバリそれですよ。

関連記事:アンチテーゼは冒頭におく

人間の脳の構造からして、逆説的な疑問が残ると気持ちが悪いんですよ。「なんでえええ?」となってしまいます。

子供のころ「冷蔵庫に入ってあるプリンを食べちゃだめよ」と母から言われると余計に食べたくなるアレです。

では、その玉手箱をオープニングフックとして活用してみましょう。

物語の結末を意識しつつ、インパクトと「危ないですから〜しないでください」というフレーズの中で、読者に興味を告知させてあげると、強力なフックを仕掛けられます。

初っぱなから、見てはならない、いじってはいけない、これをしたらダメ、あれをしたらダメ・・・のオンパレードです。(読者がげんなりしない程度に・・・)

まず、あなたの作品のオープニングの中に、この玉手箱要素があるか、確認してみてください。

あとですね。スリリング感がありますか?

見てはならないものを見る(答えを知る)と、とてつもないことが起こる前触れや、何かが大切なものが、ひどく変わったり、失ったりしまうから、絶対に見ない方がいい!というシールを貼って、結果、どのように変わるかは、まったく予測不可能なシチュエーションです。

そんな始まり方であれば、怖いもの見たさの読者にも訴求できると思います。

関連記事:グロテスクはロマンスとつながっている

何か得体の知れない、謎のベールに包まれているので、ついつい続きを読みたくなっちゃうし、ヒヤヒヤしちゃいます。

これが、オープニングの仕掛け技であり、フック作りの概念です。もう一度いいます。

箱をあけたら大変なことが起こるよ!
だから開けたらダメです!

でも、開けてみないと何もわからないですよ!でも開けてはダメですよ!という強烈な矛盾です。まさしく「え?なになになに?」「それ何?」「どういうこと?」を与えることです。(ボクってエグいかもしれまえん)

フックとは、これから何かが起ころうとする時のビックリ箱だと考えてみて下さい。

あなたの作品に「これを見たらどうなる?」「知ったらどうなる?」「ちょっとヤバそう・・・」を入れてみてください。

読者は必ず興味を持つと思いますし、このフックを冒頭に貼って、知的好奇心を揺すぶってください!

最後までお読みいただきありがとうございました。

あなたの創作を応援してます!

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