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ハコ書きとは?

2019年10月29日


〝ハコ書き〟っていう言葉を聞いたことありますか?

ハコ書とは、シナリオを書く前の大枠のメモのようなものです。

〝ハコ書き〟は映画業界用語でも使われていて、監督が脚本を書き下ろすための補助的な役割があるようです。

書き方は色々あって、例えば、起承転結に4ブロックに分けて、「誰と誰が会って何をする」といった場面(シーン)を四角で囲みます。

ストーリーづくりにおいても、スリーベースが決まったら、シナリオ作りの前段階でまとめておくとよいと思います。

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でも、映画監督(作家)さんは、この作業自体にあまり意味を持たないと感じているの方が多いようです。

その理由として、

・構成はしっかり固まるけど、感覚的なものが薄まっていく。
・構成の段階でラストシーンが出来ていて、埋まっていないブロックに埋めつづけ完成する作業自体意味を感じない。

などが上げられているようで、

「そんなものを書いても、どうせ後で変わるし、とりあえず書いちゃえ!」というのが基本的なスタイルだそうです。

では、シナリオやプロット、ストーリーづくりに〝ハコ書き〟は必要ないのか?というと、ボクの見解はNOなんです。

料理に例えると、

「とにかくおいしい料理をつくりたい!」という理由で、おいしければ、和風でも洋風でもどちらでもいいと思って調理をはじめるシェフのようなものです。

つまり、ランダムに素材を選んで、作ってみて味を確かめてみたら、洋風っぽいから「よし洋風にしよう!」と進めるといったものです。

または、洋風でも和風でもない奇抜な料理をめざすといったところでしょう。

確かに面白いもの、美味しいもの、ができるかもしれませんね。

もちろん美味しい料理ができればこしたことはないですが、そのやり方だと、かなりの時間と労力が発生しちゃうんです。

「いやいやいや。無駄な時間だったかもしれないけど、だからこそいい作品が創れる!これがアートだ!」と断言できる作家さんたちは、作品をつくってきた経験がたくさんおありだからだと思います。極めている(あるいは極め続けたい)というかご自分のスタイルを完成させているんですよ。

それはそれとしてよいと思いますが、中級以上のレベルをめざす作家さんにとっては再現性が低いし、リスクが大きいのでボクはあまり推奨はしたくないんですよ。

何故なら、アイデアの出し方やストーリーの作り方がいまいちよくわからないし、ラジカルやり方では通用しなかったから困っているワケですよね。

時間や手間暇さえかければ、いいものができる!というのは作家さん個人の主観であって、かければかける程、鮮度が失われて、劣化しやすくなることをお忘れなく。

例えば、
アイデアを1案、2案、3案・・・と出していき、どれも納得ができず、4案、5案、6案・・10案くらい出したとします。

ところが、結局のところ一番始めに出した1案が一番よかったという経験はありませんか?

これは、あなたの創作意欲も消耗してパフォーマンスを下げているかもしれません。

ハコ書きを書くことに自体に価値視してない映画監督さんも多いですが、ハコ書きをきちんと書いていれば、たくさんの手直しをするハメにはならなかった、と後悔する監督もいます。

宮崎駿監督は、ハリウッド式の三幕構成(30分─1時間─30分)を、わざと使わない作家として有名です。

ジブリアニメの中で、最も国内外で大ヒットを博した「千と千尋の神隠し」という映画作品ですが「もう一度観たい!」と思えなかったのはボクだけでしょうか?

ボクの理解力のなさかもしれませんが、今ひとつ内容がわからなかったんですよね。

もちろん、動画や音楽やCGも非の打ち所がないほど素晴らしいですし、個性的なキャラも楽しませてもらいました。

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女の子が異世界にいって豚になったお父さんお母さんを連れ戻すというメインストーリーがあり、主人公の手助け役であるヒロイン(コハクという男の子)の目的と結びつきが薄いことから、僕にはピンとこなかったのかもしれません。

あくまでこれはボクの感想ですんで、ファンの方はすみません!

ジブリアニメの初期の作品『風の谷のナウシカ』「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」「魔女の宅急便」は、不思議と「もう一度観たい!」と今でも思えるのです。

この違いは、ストーリーが分かりやすく見応えがあったからかも知れません。

関連記事:ストーリーは感情移入!映画は体感させるもの

ちなみに、脚本家のガクカワサキさんの脚本講座は大変分かりやすかったです。
↓こちら

是非、参考にしてみてくださいね。

はい。そろそろ本題です。(いつも前置きが長くてすみません)

映画の脚本づくりと、個人レベルでストーリーづくりの違いは根本的に異なるということです。

映画の脚本家は、あくまで映画館に来てくれるお客様のために大画面スクリーンで体感させることが目的ですよね。

個人作家は、アニメーションのクリエイターがいるわけではないし、久石譲や澤野弘之ような、天才音楽家もいないので、どこで勝負するかといえば、やっぱり、ストーリー構成でいかに読者を楽しませるかが最優先になります。

つまり、映像を撮ることを前提した物語の作り方とは、ちょっとワケが違うし、別で考えた方がよいと思うのです。

物語は、わかりやすく心に残る作り方があるので、全体像をブラさないための〝ハコ書き〟とを書くことはとても大切なことだと考えてます。

あなたの創作を応援してます!

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