脇役キャラクターをうまく使いこなす
脇役とは雑魚キャラとも呼べます。
名無しくん
雑魚キャラをうまく使いこなす?
はい。雑魚という言葉は、ちょっと敵意を感じさせてしまいますので、エキストラ役とも呼べます。
主人公の目的と関係するキャラなら、サブキャラですが、目的以外に存在している役は、雑魚(エキストラ役)キャラという呼び方をします。
本編であるメインストーリーもしくはサブストーリーに効果が現れるキャラは雑魚キャラではありません。脇役でも、サブキャラレベル(主人公の協力者側)になります。
脇役というのは、作者にとって癒やしの存在ですから、注意しないといけないのは、作り手が脇役に恋心をいだいた場合、大抵存在をアピールしすぎて、主線が崩れてつまらない物語になってしまうことです。
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ですから、つい雑魚キャラに熱が入りすぎると、物語全体がぼやけてしまうのでほどほどに。
脇役はあくまで脇役なので、キャラに個性を出す場合にギャグシーンを盛り込んだり、便利屋みたいに必要な時に小出しにしてその場かぎりにしましょう。
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読者の笑いを取る目的で脇役を際立たとうとすると、また途中からストーリーに介入していけば行くほど、ストーリーが肥大化して悪影響を及ぼす可能性があり、逆に脇役は、物語を引っ張ってはいけないことが基本なので覚えておいてくださいね。
そう。パシリで構わないんです。
例えていうなら、
殺人事件の犯人を追う探偵が、「奴はどっちへ行った?」とたまたまそこに居たキャラに質問します。「あっちへ逃げていきましたよ」と答える人物が雑魚キャラです。物語には介入せず、それっきりで終わります。
脇役とは使い切りであり、後の使い道をどういう風に使おうとか、あまり深く考えないようにしましょう。
ストーリーの舵は主人公が握っているわけですから、雑魚キャラは無責任な意見を発言したり傍観者だったりすることがほとんどです。
もうお分かりでしょうか?将棋の駒で言えば歩兵です。
雑魚は使い捨てで、囮で、桜という扱いで構わないのです。しかし、たかが雑魚、されど雑魚で物語には欠かせないと存在です。
生真面目な本編ストーリーばかりだと読者は飽きるので雑魚キャラで緩和させます。物語にスパイスをかける感覚で登場させてください。
名無しさん
演出でいえばエキストラみたいなものですか?
名無しくん
でも、エキストラだけだと味気ないなぁ
はい。そこで、ただの雑魚キャラでも、味気の強い雑魚キャラを紹介しますね。
さて。主人公が本編を大きく牽引しており、サブキャラが物語の一部を引っ張っています。
その味気の強い雑魚キャラには、2種類の脇役がいます。
名無しさん
2種類?
はい。
①主人公側の脇役
②ラスボス側の脇役
雑魚キャラをこのカテゴリに分類すれば、メインキャラクターと連結させやすくなります。
つまり、少しだけ足をつっこめる雑魚キャラです。
主人公側の脇役というのは、ストーリーに深く関わっていないけど緊迫した状況を緩和させる存在とも言えます。
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どうでもいいような戯言や御託を並べてドジを踏みます。そのドジを踏んだおかげで物語を展開させるパターンもあるからです。
主人公に直接関係している雑魚キャラは、最後は死んでもいいんですよ。
『進撃の巨人』であれば、巨人に食われるキャラがいますよね。つまり死人がでないと物語に緊張感がでないのでエキストラとはちがった脇役キャラを存在させています。死役のプロフィールもあっさりしているので感情移入しません。ですから死んでも痛くないキャラを登場させているわけです。
脇役でもいろいろ役割があります。
ヒロインに絡んでいる脇役もいればサブキャラに関係している脇役もいます。
雑魚は撒き餌であり、ありとあらゆる所に配置しておくと物語が退屈しないと思います。
主人公が乗り越えられない壁にぶつかり、どうしようなくなった時、主人公の身代わりとなることもあります。
雑魚は思考能力に欠けており考えは浅はかでもどうせ消えるので大丈夫なんです。
見栄えもみすぼらしいし、どちらかと言えば無力なキャラだと覚えてくださいね。
作家は、脇役キャラをかわいそうなどと思ってはいけません。読者はあなたを攻める訳じゃありませんし安心して捨て駒だと割り切ってください。
捨て駒なのに能力が高くて頭も顔もよければ雑魚キャラとは呼べなくなります。メインキャラクターを飲み込むリスクは避けるべきかと思います。
物語を描いている内に、主人公よりも脇役が好きになってしまったら、不倫・浮気と変わりません。
あなたはエンターテイナーであるので感情よりも先に、俯瞰で創作する感覚を大切していただきたいと思います。
続いて、ラスボスを味方する雑魚キャラ(クズキャラ)についてです。
こちら側もバカが多いです。気持ちのいいバカではなく単なる愚者です。平たくいえば、嫌われキャラです。
主人公に呆気なく殺られますし、ラスボスの味方としては弱すぎて、まず戦力になりません。
自分の都合を他人に押し付けたり、常に自分の気持ちを優先して動きます。しまいには血迷ってラスボスに歯向かって無駄死にします。
救いようのないバカを思い切り表現してください。このような最下層にいる雑魚どもはクズとチンピラばっかりです。
しかし、このクズキャラこそ物語を楽しく彩られることを忘れずに。
何故ラスボスの配下にいる雑魚がクズかといえば、このクズっぷりが主人公を引き立たせてくれるから面白いんですよ。
主人公が破局の大ピンチのタイミングで、クスクス笑ってクズキャラを登場させても、読者に感情を沸き立たせて、クライマックスが一層盛り上がります。
主人公側にいる脇役はクズとはちがいます。確かに頭は悪いし能力は低いけど、純粋で無垢で気持ち良さがあります。まだ憎めないし許せるキャラです。
それに比べラスボス側の雑魚キャラは、ラスボスの目的すら理解し支えることはできません。支えるどころが存在自体が足かせになり、頭も悪くて自己中なので最低野郎です。
ですからラスボスの配下にいる雑魚のほとんどは捨て駒になります。
注意点としては、基本的に強さや能力を与えてはいけないということです。バカで弱くて卑怯でいいんです。
頭のいい雑魚はサブキャラクター(ラスボス側)に進化しやすく、余計なエピソードが肥大化されやすいので割り切りましょう。
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では次に、この2つの勢力の雑魚キャラをいかに使いこなすか?実はコツがあります。
一言で言えば能力の有無です。
雑魚に能力がなければ淘汰します。
もし能力があれば、主人公がピンチを解決するための伏線にも使える可能性があります。
ですのでプロットの段階でマーキングして置くことをお勧めします。
つまり、雑魚に能力を与えたら、あなたがいつでも引き出しに閉まっておくだけ。必要になったら活用し、必要なければしまうといった物語の舵を操るカードとして活用できます。
雑魚は無邪気で無垢でバカだけど、実は案外目立っているんですよ。
例えば、主人公がターニングポイントを乗り越えるシーンがあったとします。そこに雑魚キャラがいれば、踏み台にして次のステージへ上がれるに仕込むことができます。
・・・というのは、読者が「そう言えば、あの変なキャラがいたな」と思い出してくれるんですよ。
都合のよい展開ではなく、意味もなく登場させなければ脇役(雑魚キャラ)は有効活用できます。
そう。使い方や、アイデア次第によって、物語は装飾されて面白くなります。
逆に、ラスボスを中心とする反勢力の雑魚キャラは、主人公がここぞという時に、一気に危機に崩して奈落の底に陥れる伏線を残すこともできます。
ラスボス「もう動けまい、冥土の土産をくれてやろう」
主人公「ちくしょう!俺の限界はここまでか!」
雑魚「いひひ。あの時は、よくもやってくださいましたねー」
主人公「やめろ!彼女に手を出すな!」
雑魚「美しい彼女は、あなた地獄へ落ちた後に、たっぷり可愛いがってあげますから、どうぞご安心を。いひひひ・・・」
まさしくクソですね。笑
クソ(凶音)を撒きちらすことで、主人公との相乗効果が出しやすくなります。
「ち、血がぁああああ!うわああああああ!」
「わ、わたくしの美しい顔をよくもぉおおおお!」
「聖域を汚した罪は許さいわよぉおううううう!」
・・・などと、自分の言動が不道徳であることなど夢にも思わないのです。
読者が「このクズキャラさえいなければ・・・」となり、グッと主人公に感情移入できる訳です。
クズはクズで終わるのではなく、いかに主人公の行き先にトラップ・シチュエーションを仕掛けるかがポイントになります。
以上が、脇役キャラクターをうまく使いこなす内容でしたが、いかがでしょうか?
あなたが企画するストーリーに登場脇役を、是非、有効活用してみてください!
あなたの創作を応援してます。
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