物語の展開パターン
ストーリー作りやアイデアを出している中で、よく「ありがちだな」って思ってしまいませんか?
今日は、物語に付加して良いパターンと、最後に、個人的にNGだと思うパターンについて綴っていきたいと思います。
さて。〝ありがち〟だと思うのは、あなたが幼少期に、親から絵本を読み聞かされた過去の記憶のせいかもしれませんね。
・・・というのは、お話や物語は、古来より培った王道パターン、これらの〝形(カタ)〟は、みんなが活用して良いものなんですよ。
これを最初に分析したのが、ロシアのウラジーミル・プロップ(昔話の形態学)という人物で、音楽の世界でもパターンは存在しており、曲調・リズムといった形(カタ)は、世に出尽くすたといっても言い過ぎではありません。
ぶっちゃけ、メロディーをマネするわけではありませんよね?
曲調やリズムパターンは先人たちが残していった足跡ですよ?それは、みんなものなんです。選択して使って構わないんです。
ワンパターンだとか、面白いか?面白くないか?奇抜か?平凡か?という視点で創作するのではなく、ジャンル・・・とまではいいませんが、物語パターンやストーリーの構成を知って、自分なりにアレンジして応用できると楽しく創作できるかもしれません。
白いキャンバスに描くか?色画用紙か?のくらいの差くらいかなぁと個人的には思っています。
現代のエンタメ物語でも、ディズニーをはじめとする〝形〟と言われる物語パターンが入り乱れる中で、自分の作品を差別化していく前に、まずどの類に当てはまるのかを少し整理してみましょう。
まずは、オーソドックスな物語パターンから行きますんでご覧ください。
目次
成長物語
こちらは、冴えない主人公が、あるきっかけで夢や願望に覚醒していき、能力も心も、ステップアップしていくパターンです。
ポイントは、能力の高い協力者が現れ、右往左往しながらもドン底から這い上がって、目覚ましい結果を勝ち取る展開ですが、クライマックスには、絶体絶命なピンチを乗り越えます。ハラハラドキドキ感があるものの、読者が安心して読める展開パターンです。
パートナーもの
主人公と副主人公がメインキャラで、二人三脚をします。性格や能力もまったく噛み合わない二人が、ある事件に巻き込まれて、行動を共にして、気がついたら、ちゃっかり問題解決しているパターンです。
両者は、男女・同性・人間と動物、などの様々な組み合わせがありますが、師匠と弟子の関係だったり、相棒といったワケアリの二人組の活躍が見どころ。
心の葛藤や対立を繰り返しながら、最後は、恋人関係になったり、友情の絆が深まったり、離縁した夫妻が愛情を取り戻したり、親子関係が修復したりと、ハッピーエンドの結末に向かう心あたたまるほっこりパターンです。
リベンジもの
主人公が痛めつけられ、敵を逆恨みする復讐劇です。親しい人の敵討ちであったり、能力が高く強力なライバルに一度破れますが、負けじと自分を訓練して巻き返しを図る大逆転パターンです。
主人公に感情移入させ、ファイナルステージで敵を打ち倒す痛快なクライマックスが見どころ。
ポイントは、敵陣営があの手、この手で主人公を引きずり下ろそうとしますが、一つ一つ返り討ちにして、協力者と共に危機を逃れ、最終的に凶悪なラスボスをなぎ倒すのは、読んでてスカっとする王道パターンです。
パニックもの
舞台設定が重視しているのが特徴です。数々のトラップが主人公に襲いかかりますが、適切に状況判断し、危険を回避します。そんなアクシデントのオンパレードにも関わらず、楽観視しているアホな仲間がどんどん死んでいきます。(愚者の演出も見どころ)
天災やウイルス、異次元からのモンスターや、知的生命体からの、得体の知れない存在が猛威を振るうジェノサイドや、侵略が見どころで、賢者が原因を突き止め、命がけで問題に向き合い、生き残りをかけたスリリングな脱出劇です。
ポイントは、驚異と危機が、ゆっくり主人公に近づいてくるハラハラドキドキのパターンです。
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変身もの
普段、パッとしない主人公が、ある特別な能力を覚醒したり、授かったり、その日を起点として鮮やかに活躍をするパターンです。
その特殊能力には、何らかのリミットや制限があって、いざという時、力が発揮されなかったり、大切な人には知られてはいけない掟があるなど、単純で、且つ複雑なワクワク感を見せつけてくれるヒーローものとも呼べます。
誰かのために身を呈して戦ったり、守り抜く展開がポイントだと思います。
ラストはラスボスを倒してヒロインとラブラブするのが定番です。
まとめ
以上が、現時点でボクが知る限りの物語パターンですが、他にもあったら教えてください。笑
さて。実はですね。これらの物語パターンに付加させていただきたいおすすめの展開パターンがあります。
それは、お約束のラブコメディです。
やはり男女の恋愛、ラブロマンスは世界共通の好物ですからね。もちろん、ジャンルに適さないパターンもありますが、大方、恋愛関係がないと物語は盛り上がらないと思うんですよ。
学園もののように、甘ったるくてテレテレした男女の恋バナじゃなくても大丈夫です。
すこし、味をつけるだけです。異性(恋の対象)に興味がない読者はいません。
お固い話でしたら、お花を飾る感覚でチャレンジしてみてください。
もし、あなたが恋愛感情に疎ければ、この機会に片思いや、両思いの感情とか、異性の脈ありの萌え行動などの勉強をしてみてたら、キャラクターの魅力がグンと上がるかもしれません。
このラブコメの書き方をマスターすれば、ホラー、SF、バトルなど、あらゆるジャンルに使えるようになりますので、おすすめできる展開パターンです。
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で。逆に、ボクがNGだなと思われるパターンです。
パターンと言えば少し微妙かもしれませんが、B級映画ではよく使われている手法です。
回想シーンをやたら入れるパターンです。
〇〇が〇〇をして、〇〇が起こる
実は、一年前・・・・
〇〇が〇〇をして、
実は、〇〇は〇〇だった・・・
少し入れるならまだ許せるのですが、回想が多すぎりたり、後から後からとつじつま合わせのようにつけくわえるのは、作者の都合っぽくありませんか?
もちろん、限られた短編に使ったり、効果を狙うのならわかりますが、物語としてではなく、解説や説明に感じてしまうんですよ。
あとからどんどん追加していくのは、みっともなくて邪道だと感じてしまうのはボクだけでしょうか?
まぁ、人気作家の場合、無理にでも連載を続けていくために、編集サイドの苦肉の策とも考えられるのですが、初心者・中級者は、はじめからこの手法に頼るべきではないと思います。
最後に、この物語パターンとは、ちょっと逸脱するかもしれませんが、あのエヴァンゲリオンの制作会社を設立した岡田斗司夫さんゼミで、ストーリーのアイデアの作り方の興味深い講座がありましたのでシェアしますね。
ストーリーのアイデアの出し方の方法論になりますが、漫画のストーリー構造からアレンジする方法を学べます。ご興味があれば是非参考にしてみてください。
具体的には『DEATH NOTE』を、少女漫画風にアレンジするとどんなストーリーになるか?という思考実験で、とても面白いです。
こんな考え方もあるんだなぁと勉強になりましたし、これはパクリにはならない!が納得できるようなユーモア溢れるお話でした。
今、企画しているあなたの物語に、わずかながらでもプラスになれば幸いです。
あなたの創作を応援しています。
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