キャラクターの劣化現象にご注意
無駄なトラウマ、無駄な性格、無駄な能力・・・キャラにインパクトを与えたいがために、どんどん設定を不自然につぎ込んでしまう。中国の故事〝蛇足〟にありますようにキャラの本来の価値を失ってないでしょうか?
ボクは、これをキャラクターの劣化現象と呼んでます。
キャラの劣化が、結果的に作品(物語)の質を著しく低下させてしまいます。
今回は、キャラクター設定に関する基本的な考え方をご紹介しますね。
結論から申し上げますと、、、
キャラの性格と、物語(ストーリー)は有機的に連動している
・・・ということに尽きます。
キャラクターの基本は、単純に性格ですよね。
その性格の形成には、それなりの前後関係・背景があるんですよ。
背景といっても、そんなに複雑でなくてもいいですし、普通で大丈夫なんです。
生まれ育った環境とか、親の影響など、難しく考えずごく自然体で構いません。
そこに意外性を求めるべきではないと個人的には思っています。
その背景の単純さを土台として、事件が起こるんです。
つまり、きっかけや動機です。(この瞬間、物語の領域に踏み込みます)
ちょっと突っ込むと、今あなたの一番の関心事、いわゆる舞台設定のお話になっちゃいますが。(この説明は、長くなるので端折ります)
はい。話を元に戻します。
キャラを魅力的に描きたい気持ちはボクもわかります。
インパクトを与えたいのも重々承知です。
キャラ設定をしっかり考たい!理解できます。
でも、事件やきっかけの他に、もっと重要なことがあります。
それは、あなたがどんな物語に仕上げたいか?これが一番大切です。
何度も申し上げますが、キャラクター(性格)は物語ありきなんですよ。
万が一、あなたの物語の中身がカラっぽだったり、薄くて軽い状態なら、おそらくキャラクター(性格)を考えるのは、大変作りずらいと言えます。
[fuki-r]ええ?どうしてですか?[/fuki-r] [fuki-l]先にキャラ設定から考えたらまずいの?[/fuki-l]はい。まずいというか、作り方の良し悪しではなく、キャラクターの劣化が起こりやすくなる、っていう話です。
[fuki-l]劣化って?[/fuki-l]キャラにインパクトをもたせようとするあまり、どんどんインパクトがなくなり、性格が崩壊して、最終的に物語が成立しなくなるという意味です。
[fuki-l]ぎゃああああああああっ[/fuki-l]ですから、キャラ設定を考える前にできる限り〝誰が〇〇をする〟という、大枠を決めておいた方がキャラの性格は少なからず考えやすくなるでしょう。
で、簡単な手順を述べますと、キャラ設定の前に・・・・
・スリーベース(①誰②何故③どのように)の要約文から考える
・プロットと同時にキャラクター設定+舞台設定を考える
これがボクがおすすめするストーリー作りのセオリーです。
もう一度いいますと、
キャラクターに劣化が起きやすいのは、物語(ストーリー)をなおざりにしていることが原因です。
何故、劣化が起こるか?
それは、キャラクターの性格は、必ず物語上の目的・理由があるからです。
目的のないキャラクターをいくら装飾しても、結局、意味不明なものになりがちです。読者から言わせてみたら「で?何?だから?」っていうリアクションが飛んできます。
ボクも言われたんですよw。笑。いや本当ですよ。
ただ単に自分だけが、「これは面白い!」と感じているだけであって、そのキャラクターを使ってどのようなゴールを果たしたいのか?コア(核心)部分がなければ、描いてて虚しくなっちゃいますよ。
成長するのか?退化していくのか?そのキャラは何を学ぶのか、いずれもキャラクターに変化を与えないと、やっぱり、物語として面白くないです。
つまり、物語の最終地点が決まっていないと、そのキャラを物語に存在する理由がないからです。
以前、登場人物の増やし方と連結方法でもご紹介しましたが、キャラクター設定から考えると、途中までは楽しいかもしれませんが、どんどん無駄に膨れあがってしまうんです。
「このキャラの過去は、こうでああで」
「その訳は、こうでああで、」
「そして、こうなると、ああなり」
・・・といった具合で、まるでキャラクターの矛盾をなくすための作業、酷い場合、つじつま合わせのための雪だるま式ストーリーで、中身が薄くなる上に、結果的にはつまらなくなります。
作り手はわかっていても、読者が感情移入できないのでついてこれないんです。
おそらく、作り手でさえも「で?これ結局、何がいいたいの?」って感じてしまうはずです。それは、すでにキャラクターの劣化現象がはじまっているかもしれません。
[fuki-r]うわあああ!ディテールにこだわり過ぎてたかも[/fuki-r] [fuki-l]物語かぁ、んーそこまで深くないからちょっとヤバいかも[/fuki-l]はい。ボクはすでに何度も失敗経験済みですから、あなたの作品がそのような事態にならないように、改めてお伝えしておきます。
キャラクターづくりは、物語ありきです!
もし、心当たりがあればそのキャラクターが、
・物語で主人公が何を果たすのか?
・目的と理由は何か?
・キャラを通して伝えたいメッセージはなにか?
上記、ご自身に、改めて問うことをおすすめしておきます。
極論を申し上げたたため、不快な思いをされたかもしれませんが、本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
あなたの創作を応援しています。
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