アンチテーゼは冒頭におく
いつも創作お疲れ様です。今回は物語のオープニングのアイデアの出し方についてご紹介しますね。
さて。表題のアンチテーゼとはいったい何ぞや?と思われたあなた。
アンチテーゼとは、主人公の主張や正論(考え方)とは真逆で否定的な内容のことです。
つまり、主人公がこれから○○を果たそうとしてたり、○○探していたり、○○へ行こうとしていたり、その目的に対する協力者ではなく、どちらかと言えば、敵対者であることは確かですよね。
このブログでは、主人公は、あなたの分身であり、3つの要約文(①誰②なぜ③どのように)の内、①誰に該当するとお伝えしてきました。
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主人公(①誰)が、何か物事を判断する時(③どのように)というのは、判断をするための論理(②理由)があります。
もし、あなたが「有神論が正しい」と思っているなら、無神論がアンチテーゼになります。
ボクも長い間、創作してきたのですが、何かしっくりこないんですよ。で、何が原因なのかな?とずっと考えた結果わかったことがあります。
それは、物語には筋があり、主人公に筋が通ってないとストーリーが骨なしになってしまうんですよ。
やっぱり、作り手も、読み手もメタファー(隠喩)がないと、ピンと来ないと思うんですよね。
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あなたが「これが正しい!」と思われる理想(正論)を、テーゼと呼び、その逆説や異論をアンチテーゼです。この概念は、物語の結末(ジンテーゼ)と大きな関わりがありますので、ぜひ最後までお読みください。
もう一度言いますよ。
主人公の目的(ゴール)を反対する人・物・事、もしくは間逆的論理をアンチテーゼと定義します。
では、何故、冒頭(オープニング)に置くとよいと思いますか?
その答えは、とても簡単です。
主人公の目的(ゴール)をいくぞ!とこれぞ理想!という冒頭からはじまっても、インパクトに欠け、読者はまったく共感してくれないからです。
例えば、彼女をゲットする物語であれば、
冒頭で「俺、今超ハッピー!彼女から告白されてウキウキでーす!俺ってナイスガイ!キャッホー♪」という台詞を言うとしますよ?
どうでしょう。いきなり読者が共感するでしょうか?
それより、冒頭で「俺、さっき彼女からフラれたんだ!ああ、最悪!超死にたい気分!」と嘆く方が、共感しやすくならないでしょうか。
これは、ストーリーフックであり、脚本用語ではツカミと呼びます。
物語の冒頭は、原則として、あなたの主張、つまりあなたが理想を追いかける場面で、ハメをはずしたところからはじまった方が、心理的に興味をそそられやすいんですよ。
興味をそそられるというのは、すでにセントラスクエスチョンが効いているということになります。
関連記事:セントラルクエスチョンの考え方
そして、二番目に、わかりやすさです。入り口は、「スっ」とのどごしが良い方が、読者になじめます。
以前の記事で、読者とのファーストコンタクトは、読者に寄り添うことが大切だとご紹介しました。
それを、わかりやすく簡単な文章にして、比較してみましょう。
①有神論が正しくて無神論は間違いだ。やはり無神論が間違っていた。
②無神論が正しくて有神論が間違いだ。でも有神論の方が正しかった。
言っていることは同じですが、①より②の方がスっと入りませんか?
あるいは・・・
①男です。女に見えるかもしれませんが。
②女に見えるかもしれませんが、男です。
①より②の方がのどごしがよいと思いませんか?しかも、面白いです。
オープニングは、より入りやすくわかりやすくでした。
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はい。このように、結論を後に置き、逆説を前に置けば、簡単な文でもとっつきやすくなると思います。
ストーリーの刺激イベントの配置も、あなたが考えている正論とは、真逆な解答をオープニングにもってくると、物語は読者に入りやすくなると思います。
ボク、難しいこと言ってますかね?笑
つまり、
評論・報告書やレポートなどは、結論を先にした方がよいですけど、物語の場合は、変化を表現するため、結論は後にした方が効果的です。
いちいちボクが、まとめなくても良いくらい、当然ちゃ当然の話なんですよ。
でも、実は駆け出し作家さんで認識している人は案外少なかったりします。
で。早速のこの手法を使うためには、
結論を否定する事例をいくつかリサーチして、列挙していた方がよいです。
例えば、〝愛は地球を救う〟という題材にしてメッセージを送る場合、「愛だけじゃ無理やろ!」「エゴだ!」と思うキャラも多いので、否定する立場の人(キャラ)もあらかじめ知っておく必要があるのです。
この作業は、主人公とは、真逆の論理を持つ悪役やラスボスの設定で、ストーリーは悪役から考えるといっても言い過ぎではありません。
つまり、オープニングは、正論と異論の戦いがはじまろうとするフラグを立てることです。
あなたが善を伝えたい場合、悪がいかなるものかを理解していないと、善とは何か?を説明できません。同じく、否定論を熟知していることで強いメッセージ性と説得力をアップさせることができます。
「あ、この作者、ちゃんとわかっているんだなぁ」と評価してくれるようになります。
そして、題材(テーマ)選びにも、気をつけましょう。
あなたのテーマ(題材)が膨大すぎてたり、わかっているようでわかっていないまま描くことはできません。
例えば、
〝愛が分からない主人公がヒロインと心を通わせる中で、愛が分かるようになる〟
そんなストーリーを書こうとしてますよ?
しかし、何よりもあなた自身が、愛に触れて心が通った経験があり、その強い実感の世界や、それを表現に叶う具体的表現や、描きたいアイデア・エピソードがないと、キャラの台詞に重みがなくなり、内容が薄まる可能性が高いと言えるかもしれません。
もし〝こんな愛を実感した〟という実感や体験ないとするなら、そのフィールドでは勝負しない方がよいかもしれません。返って創作のハードルを上げてしまうからです。
愛が分からない主人公は、「偽善だ」「幻だ」「詐欺だ」という否定論者なワケです。
それを覆す、〝愛〟というものをヒロインキャラを通して、読者にもメタファー(隠喩)を表現できますよね?
関連記事:メタファーとは
何より作者であるあなたが、愛というものがどういうものか、結論をしぼり出しておく必要があります。
その結論が、美しいものであり、キャラクターの見どころシーンを通して、誰もが納得できるような普遍的な場面(シーン)のアイデアイメージがあることが前提になります。
その結論(あなたが一番伝えたいもの)があってはじめて物語に説得力が出ます。
だからこそ「愛なんて嘘だ!」というアンチテーゼやキャラを冒頭に描くと、面白ろ楽しく描けるようになるはずですし、読者も、その奥ゆかしさ楽しませられると思います。
あなたの作品に、恋愛ドラマ(人間ドラマ)があれば、ぜひ考察してみてください。
あなたの創作を応援しています!
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