google-site-verification=4OliuOTXDMdDiQwedrkPZ7QmpBf9m9tma0IQVe0lv_4

エスタブリッシング・ショットはOP中のOP!

2021年8月24日

今回は、初心者向けストーリー作りのコツとして、オープニング作りの細やかな内容を深堀りしてボクなりに解説していこうと思います。

エスタブリッシング・ショットとは、映画・映像 業界用語ですが、登場人物における位置や出来事や関係性を認識させるためのアクションで、いつ、何が起きたのか、などを指します。

小説を書くためのストーリー構成においても、これはとても大切な要素なんですよ!

物語を読んでくれる読者に印象を強く与えるための手法ですが、そもそもインパクトをどうやって与えたいかよくわからなければ、以前、ご紹介したインパクトの与え方をご参照ください。

関連記事:インパクトの与え方

爆発シーンで人がいきなり愛する人が死ぬという悲劇的なはじまり方ばかりが衝撃(インパクト)が強いわけではありません。

悪魔と契約を結び人間を捨てるといったものや、突然好きな人から告られる(フラれる)とか、爆笑シーンでも構わないんですよ。漫画のストーリーを考えるためのヒントとしても、エスタブリッシング・ショットは冒頭の大切な要素です!

関連記事:オープニングの作り方

エスタブリッシング・ショットを小説や漫画の物語に当てはめるとオープニングの中の一番のはじまり(冒頭シーン)です。本編がはじまる前のプロローグに近いものと言えるでしょう。

小説で言えば、枠物語ともいえますし、劇場では幕は降りてて、司会者が観客の前に立って解説するといった前触れというか、まぁ、「ちょっと読者をビビらしたいぜ!」的なノリで、あってもなくてもよい要素なんですが、ショットと呼ばれるくらいですから、衝撃的な台詞から始まるのか、世界が終りを遂げるような絶望からスタートなのか、状況設定を伝える前段階のショットシーンとも呼べます。

これは、あなたの作品全体を考えて、あれば効果が出ると判断したら導入したらよいかと思いますし、必ずしもなくても良いショットシーンということになりますので、なきゃないで困るものではないのでリラックスしてお読みくださいね。

映画の作り方では、いかに短い時間で視聴者を引き込むかがポイントですが、脚本家志望のための創作テクニックとしても、小説や漫画ではいかに短く簡潔に興味を持たせるかがカギなんですよ。

ちなみに、エスタブリッシング・ショットの導入は、長編よりも短編(中編)が適していると思います。

関連記事:短編と長編

まず、エスタブリッシュ(establish)とは、直訳すれば、創立とか設立という意味です。〝確立する〟という意味もあります。

物語が冒頭に創立・設立(確立)するというのは、どのような解釈ができるのかというと、象徴的なフラグを立てることだと思います。

「はじまりだよ~♪」「よろしく見てね~♪」という旗を上げるんです。

もし、その衝撃的なショットシーンを冒頭に入れるなら、物語全体の意味をこめた方がよいと思います。

というのは、フラグが立つとは、 物語内で、特定のイベントが起こるための条件が揃うことを意味しているからです。

キャラクター設定の重要性と方法にも関わってくる話です。登場人物がこの段階でしっかり“何者か”を伝えられるかどうかも見逃せません!

脚本的に言えば、複数の要素によって読者が「何をイメージするか?」がフラグづくりのキモです。

そのショットシーンが冒頭なのに、物語の終わりを象徴している意味合いを含ませるとベストです!

物語の入口は、魅力的に・わかりやすく・スムーズに飾るべし!という話も以前しましたが、ここでもそれが大事。

関連記事:入口の作り方

前置きはできるだけキャラクターの目的を素早く理解しやすくがポイントです。

つまり、最初の時点で物語の終焉と読者に衝撃を与える重要な一コマになります。

もう少し具体的にいきましょうか。

例えば、攻殻機動隊『イノセンス』について解説すると、OPの一番最初に、電脳化されたヘリコプターが登場するシーンから始まります。

これは初めて見る人は何のことかわからないけど、次のシーンでわかります。

ある町で、ダッチワイフ(アンドロイド)が暴走して所有者を殺したという事件が発生し、警察が侵入しようと戸惑っていた時、メインキャラである公安9課のバトー(半アンドロイド)が現場に侵入していきます。

やがて、暴走したアンドロイドと接触し、近接戦闘でダッチワイフ人形が劣勢に立たされ、「助けて・・・」と命乞いをする背筋が凍るような怖いシーンがあるわけですが、結果的にバトーが頭に銃弾で打ち込んで退治しました。

しかし、その冒頭シーンが、実は結末とつながっているわけで物語の象徴フラグが立っているという非常によくできている冒頭シーンだと思うんですよ。

『イノセンス』をみたことのない方は、ちょっとわかりにくかったかと思うので、『天空の城ラピュタ』で解説します。

静かな空の夜、ドーラ一族がムスカの飛行船を襲撃します。

その襲撃にまみれて、シータがムスカの懐から飛行石をゲットして、空の上から落下という衝撃的なショットがあります。

これもまた、ムスカが何をしようとしていたか?ドーラ一族が何が狙いか?を意味しており、これからパズーが事件に巻き込まれる展開(本編)に誘導していきます。

「何これ、面白そう!」という冒頭ショットシーンの中に、物語のフラグが立っているんですよ。

そのフラグとは、登場人物が揃っていてこれからどんな物語が展開するのか、読者にわからなくてもいいから、「なるほど。あの冒頭シーンは、そういう意味だったのか・・・」と、あとから考えて理解できるショットであれば問題ありませんが、そうでない場合、エスタブリッシュ・ショットを使う意味があまりないと思います。

このエクスタブリッシュ・ショット導入で気をつけるべき点は、主人公と関係する人間(メインキャラ)が不在という、この一点だけです。

関連記事:ストーリー作品としてのフック

物語で関係のない人物を登場させたらダメかというのではなく、そのシーンが本編とのつながりと意味があるかが大切ですので、確認もしておきましょう。

冒頭の刺激イベントで、読者にインパクトを与えるだけでは不十分ですし、ピンとこないなら、もうすこし具体的に冒頭シーンを考え方としてフックという概念を取り入れてみてはいかがでしょうか。

コツとしては、まずはオープニングの作り方がミスっていないか、しっかりチェックした上で、ショットシーンを考えると成功確率は上がるのではないかと思います。

あなたの創作を応援しています。

元の記事をどうぞ:キャラの魅力はこう見せる!最初の登場シーンが命ですよ

【解説】キャラの魅力って、どうやって見せればいいの?そんな悩みを抱えるあなたに、ストーリー内での“見せ場”の作り方や読者が惹かれるセリフの工夫まで、ボクなりの熱量たっぷりにお届けします!例え話やツッコミも交えつつ、読むだけで創作アイデアが湧いてくる内容になってますよ!気になったらCHECK!