読む気がしない作品はセットアップパートで失敗している
いつも創作お疲れ様です。
今回、エスタブリッシング・ショット、オープニング、セントラルクエスチョンを総じて、セットアップパートについて解説しようと思います。
これまでボクのストーリー創作論(創作前の3つの決め事)では、まず①誰が②なぜ③どのようにの要約文を決めてから、オープニングを作りましょう!とおすすめしてきました。
関連記事:創作前の3つの決め事
で。読者が作品に歩み寄る入口(オープニング)について、他作品を眺めながら思うことを正直にお話しますね。
ぶっちゃけ、〝すでに死んでいる作品は、入口で失敗している〟です。
「お前はもう死んでいる・・・」じゃないけど、読者の目は年々厳しくなってきています。
その背景には、ネットやスマホの普及でコンテンツビジネスが飽和状態にあり、読者は、より満足のいく作品に瞬時に出会いたがっているからです。
そんな中、物語の始まりで失敗していたら土俵にも上がらないばかりか、永遠にアクセスすることのない藻屑と化している状態です。
逆に、よい作品は、はじめから「ゾゾゾーチュルチュル」と素麺を食べるように喉越しがよく、初っ端、どんどん引き込まれて続きが読みたくなる作品です。
そんな作品を描いてみたい!と思ったあなたに必見ですよ。
まず、入口に失敗しているとは、何かとはっきり申し上げますと、読者が作品を読み始めて「それでどうなるの?」という反応が得られていないことなんです。
これは致命的なんですよ。実に痛いです。かつてのボクもそうでした(^_^;)
いくら秀逸なクライマックスを準備していても、入口で読者に躓かせては、非常にもったいないのです。
おわかりいただけますよね?
オープニングでダメだということは、次の展開に読者を引っ張れないことを意味しているのですから、はじめがダメだと全部ダメになるんです。
よく、終わりよければすべてよしという言葉がありますが、ストーリーづくりの場合、終わりもよければ、はじめもよくないといけないのです。
頭の痛い話で申し訳ありません。
でもご安心ください。ボクがあなたの作品を少しでも読者を引っ張れるようエスコートしていきますので!
まずですね。一番大切なことは、読者を引き付けるストーリーフックがあるか?です。
関連記事:ストーリー作品としてのフック
以前、ご紹介しましたフック(ひっかけどころ)です。
読者が何もひっかからないことを、ボクは「ストーリーフックがない」と表現します。
このストーリーフックを解説するにあたり、エスタブリショット・オープニング・セントラルクエスチョンと順番にご紹介しますね。
まず、エスタブリッシング・ショットとは、オープニングの中のオープニングです。
これは、時限爆弾と同じで「はじまるよー」というフラグなんですよ。
最初の最初で、いかに読者を引き付けるか?が肝心です。
いわば読者に衝撃場面を見せつけてやるんです。
次に、オープニングです。一言で言えば、状況説明です。
誰(主人公)が何をどうしているのか?また、何がはじまろうとしているのか?
です。
オープニングは、舞台設定の情報の他にも登場人物の説明もあって、入り組んでいますが、少なくとも主人公が誰で、どんな目的(ゴール)があるのかはっきり、読者に伝える必要があるのです。
しかも、読者がオープニングを読んで行く内に、無意識的に、「どうなっちゃうの?感」や「この主人公は果たして◯◯◯できるのか?」という問い(セントラルクエスチョン)を与えられているか?です。
これは、オープニングの記事でご紹介しましたように、
①わかりやすく
②シンプル
③すばやく
など、盛り込まれているか?です。
関連記事:オープニングの作り方
どんな状況であれ、なぜ?主人公がスタートラインに立ちはだかっているのかが、読者に伝わらないと、優れた入口にはなり得ないと思うんですよ。
つまるところ、主人公の目的、何を?のことです。目的があれば、理由ができます。理由が弱いと、読者は物語を追えなくなるんです。
それができて初めて、読者が「何がはじまるの?」「それで?」という反応を引き起こすことができます。
それらを含めてストーリーフックとボクは呼んでいます。
下記の記事を参考にどうぞ。
関連記事:セットアップパートの作り方(その①)
えー。実はですね。ここから、隠されたテクニックをあなたにだけ教えちゃいます。あまり言いたくなんですが、特別ですよ。
読者をより引っぱり上げるには、ストーリーフックの他にも、考えておかなければならないことがあります。
それは、複数の伏線です。オープニング(状況説明)を描く際に、結末に向けての伏線を配置するのです。
これをボクは、情報クラスターと言います。
クラスター爆弾ってご存知ですか?クラスター爆弾とは、ひとつの容器(親爆弾)の中に数個から何百個もの子爆弾が入った爆弾のことです。それをちなんで名前をつけました。(どうでもいいけど)
で。話の情報を分散して、読者に興味をもってもらうんです。1個だと面白くないので、2~3個くらい用意しておいた方がいいかも。
例えば、情報A、情報B、情報Cがあるとします。その内、情報Bが正解(どんでん返しに使う)だとしたら、ミスリードしていくんですよ。
少々わかりにくいかもしれませんが、読者に、情報Aか、情報Cが重要な伏線だと思わせたりして仕掛けづくりをしていきます。
セットアップパートにこれまでの要素があれば、超合格点です。(あ、すみません偉そうに・・・・)
でも、なんとなくわかればよいです。一番大切なのは、読者を引き付けるストーリーフックが大切だということを覚えていただけたらOK。
あなたの創作を応援しています。
関連記事:ミスリードの作り方
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