ストーリー作りは作戦の中の作戦を立てること
名無しくん
作戦の中の作戦?
名無しくん
何すか?それ・・・
物語と言えば、世界の成り立ちを説明する、旧約聖書やギリシア神話や古事記などがありますが、実際には侵略があり移動があり最終的には時の支配者が国を統治するために作られたお話だと多くの歴史家は語っています。
事実だと不都合があるので、荒唐無稽な神話を作って、それを民に有り難わせたり、従わせてきたのです。
・・・ということはですね、人間は事実の世界だけだと満足できない、または事実を受け入れることが苦手なんです。
神話という手法で嘘をつかないと、民の不満は解消されなかった、これが歴史のカラクリなんだと思います。
英語では神話のことを〝myth〟と言いますが、その語源はギリシア語のミュトス〝mythos〟です。
この言葉の意味は「つくり話」「物語」といったものですが、英語に〝mythomania〟(=嘘言症)という語があるように、「嘘」という意味も含まれています。つまり「作り話」と「嘘」は非常に近いのです。
引用元:『メタファー思考は科学の母』(大島仁著)p111
ストーリー作りに必要な考え方として、ぶっちゃけ、嘘の話でストーリーとは作り話です。都合のいいように盛っているんですよ。
英雄伝説に、よくあるじゃないですか、実際には一人で100人斬っただけなのに、1000人斬ったすごいやつ!いや!1万人を斬ったとかすべて演出です。ファンタジーなんですよ。
ですから特にどこを盛ったらいいか言えば、登場人物と世界や舞台の設定がポイントになるかと思います。
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つまり
登場キャラをだますための作戦と、読者をだますための作戦の、2階層の作戦が基本構造です。
たとえ、嘘の話であっても、主人公に目を離せなくなるための作戦立案(骨組み)があります。
そう。作家さんは、物語を何層も上から監視(上から目線)することが大切です。
名無しくん
上から目線って、やたら偉そうじゃないですか
はい。でも、あなた(作家)はストーリーの神様と言えるんですよ。
名無しくん
神様? そんな大げさでは?
いえいえ。舞台設定やキャラ設定や、読者さんを楽しませるための作り話を同時に考えるので、エンタメの神様(創造主)ともいえなくはありません。
そして、キャラが存在する世界から、時間と空間を超越してしまっているあなたは、大変な頭脳があり、登場人物たちからすれば、宇宙に存在する超人的な知的生命体だと呼べます。
名無しくん
なんか、怪しい言い回しですね・・・
すみません。でも、あなたが思い浮かべている登場キャラを生かすか殺すか運命は、すべてあなたが握っているということですよ。
名無しさん
え?殺すこともできるって?だとすれば、キャラクターから見れば、あなたが神様にも見えますが、悪魔にも見えますよね?
その通りです。天国も創造できるし、地獄を創造することさえ、難なく自由に作れてしまいます。このように万能の力を持っている存在が、あなた(作家)というワケです。
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では、話を元に戻しますが、2階層の〝作戦〟を立てるとはどういうことでしょうか?
意味は、戦いを進めるため、いわばプレイするための計画です。
名無しさん
戦いを進める?
はい。いったいそのキャラクターは、何(誰)と戦うのでしょうか?
それは、主人公の目的(目標)に反している存在(反対勢力)です。
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主人公の敵も、あなたの分身ですので、主人公を立ち上がれなくなるくらい、こてんぱんに攻撃しようが何をしようが自由です。
そのメチャメチャ強すぎる敵(難しい状況)を、どうやったら倒せるのか?(瓦解して解決できるのか?)
計画(プランニング)が必要になりますよね。
つまり、あなた(作家)は、プレイヤーである 主人公と共に、その舞台設定のゴールするための戦略や作戦を考えてあげるのです。
それだけではありません。あなた(作家)という神以外に、その結果を見届けようとする神々(読者)がいます。
その神々(読者)が、主人公を応援したくなるように戦略をたてるのです。
これが、2階層の作戦を立てるという意味です。
しかも、作家であるあなたは、神々(読者)の中でも格別なんですよ。
つまり、
①キャラクターが問題(課題・宿命・使命)を解決させるための計画
②読者が共感するための計画
ストーリーづくりのポイントとしてこれらを同時進行で考える作業だといえます。
例えば、
あなたがゲームをしています。ゲーマーは、やられてゲームオーバーになりますよね?そこで、少しでもランクアップしていったり、次のステージに行くために考えたり工夫したり特訓しますよね?
同じように、主人公(キャラ)が敵にやられり、打ちのめされたなら、あなた(神)も同情し、心を一つにして作戦を考えて反撃できる体制や環境を整えてあげます。
具体的には、
・敵の情報を知らせる
・防御対策を考えさせる
・誘導作戦を立案させる
・攻撃目標を定めさせる
・チームで動けるように整える
・敵を欺く作戦を立てさせる
など。
登場人物や舞台世界で、トラップ・シチュエーションを仕掛けたり、キャラクターをだまし内する作戦というのはできます。
ところが、読者だまし打ち作戦というのは、ストーリー全体に関わるので、より視野を広げていかないとよい作品に仕上げることが難しくなります。
読者をだますには、具体的なミスリードと、どんでん返しを考える必要があります。
どんでん返しの前に、物語の最終局面であるクライマックスと結末がしっかり準備されているかによります。
どうすれば、神々(読者)が応援したくなるか?と言えば、やっぱりコツがいるワケです。
では、一番簡単なコツをご紹介しましょう。
主人公にハンデがありながらも一生懸命頑張ってる姿を見せることに尽きます。
神々(読者)はそれを放っておかないし、じっとその子を見守ります。
能力もなく、敵からバカにされながらも、戦いに勝つための作戦を立てて、地道に努力する姿を演じさせてください。
例えば、
悪いことをしていないのに汚名を着せられ追い詰められてもめげず、理不尽な目にあわせても、歯を食いしばり耐え偲び、不遇を潔く受け止めたり、宿命を受け入れたり、
そのように前抜きに進むキャラクターには、神々(読者)は惚れ惚れしますし、ファンが着きやすいのです。
以上が、読者を感動させるコツ、主人公に目を離せなくなるための作戦ですが、わずかながらでも、お役立ちいただけたら嬉しいです。
他にも、主人公に目を離せなくなるためのコツはありますが、またの機会にご紹介します。
あなたの創作を応援しています。
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