舞台設定は、あなたの内面を象徴する世界観
このブログでは、創作前の3つの決め事(①誰?②何故?③どのように?)の要約文を設定してから、小説・漫画のシナリオプロットを作成することを推奨しております。
とりわけセカンドベースの②何故?についてですが、
ボクは幾度も、何?(WHAT)目的よりも、何故?(WHY)の理由を強調しているか?について、ポイントを改めてご紹介しようと思います。
本日の結論を言えば、
WHY?は、物語の中心部にあたるあなたのコア(核心部分)を繰り返し見つめ直しましょう。
です。
この②何故?を考えるのに、さしあたって、アイデア出しや着想と重なっていますので少々わかりづらいと思います。
それは、あなたは〝何者であるのか〟と①誰?と同時に、③どのように?を連結するための、問題意識(今あなたの関心事)を指すからです。
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ストーリーづくりでは、キャラクターを先に考えるべきか?それともストーリーか考えるべきか?よく問われることが多いですよね。
で。まず一番先に考えるべきことは、今、あなたの問題意識や、対象(モチーフ)を集中してみることがボクの見解なんですよ。
もし、その対象(モチーフ)に葛藤や対立であり、それに追随して起きる摩擦が脅威と危機につながるとするなら、主人公が成長したり解決するための物語が自動的に生まれてくると思います。
強いて言えば、その対象(モチーフ)から、あなたオリジナルの〝答え〟が生まれているはずなんですよ。
もちろん、その答えがすぐに見つからなくても、自分の力でオリジナルの〝答え〟を見出そうとしていれば問題はございません。
ストーリーを作りながらでも、自分のコア(核心部分)を繰り返し見つめ直していくことを強くおすすめします。
あなたの〝答え〟が、成長したり解決するための意識や意志が強いほど、そのWHAT(目的)に対する熱量が生まれますし、物語を描くバリュー(HOW)となります。
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そのバリューこそが、舞台世界+ストーリーを作る〝お話の種〟となります。
作家が、何(WHAT)を書き出す前には、目的が先にあるのではなく、必ず理由が先にあると思います。
小中学校の図工の授業実習では、スケッチブックと絵の具を持って校舎の外でモチーフを探しませんでしたか?
ある人は、庭園の木陰を描いてみたり、体育館の裏側にあるたんぽぽを描いてみたり、学校校舎や山や町を描いてみたり、スケッチブックに鉛筆が接触する前に、いろんなアングルを考えたかと思います。
そう。少し観念的でわかりずらい説明になるかもしれませんが、あなたは何かに触れて、直感的に感動し、ピン!と来たり、体験した何かがあるんですよ。
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それは「これだ!」「これでいこう!」というあなたの、オリジナルの〝答え〟を認識できているはずですし、対象を描く理由があるから、それを表現したくてウズウズしますし、完結作品として楽しく描くことができると思うのです。
ヘタウマでもなく、描きたいから描くのではなく、描きたいことがあるから描くのではないでしょうか。
それこそが、セカンドベースWHY(なぜ?)であり理由を決めることなんです。
ボクも、描きたい理由があるから、物語にて作品で表現しようと思いますし、読者の評価を気にせず実直に、思い切り描けるはずなんです。そのブレない根っ子の部分は、あなたの内に必ずあるはずです。
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物語の土台となるWHY(理由)とは、あなたが欲している理想・望み・欲求であり、同時に、それを阻む葛藤と対立を表す障壁があります。
理想・望み・欲求だけでは、ストーリーづくりの、パズルピース(ストーリーパーツ)に過ぎません。
必ず、あなたをストップさせようとする障害物(脅威や危機)が存在しています。これが舞台設定や世界観を考えるコツになります。
あなた(主人公)が、どのようにしたいか?という熱量があってこそ物語が生まれます。すなわち、あなたは理想の実現に向けて、夢や希望を持ち、作品を通して、あなたの媒介となる主人公と一緒に、道筋(ストーリー)を歩もうと試みているのです。
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WHAT(何?)とは、あなたと関連する諸々のターゲットですが、
具体的には、あなたにとってインパクトのあった場所であったり、過去に起きた出来事でだったり、あなたの大切な物だったり、好きな人、嫌な人だったりします。
WHAT(何)とは、あなたがこれまで感じとってきた内面世界です。
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その舞台世界(人・物・事)は、あなたの人生に大きく影響しており、深く関係しているので、象徴として映し出された〝世界観〟であり、精神世界なんです。それを文や絵(漫画)で表現しようとしているのではないでしょうか。
例えば、あなたが貴重な物が手元にあるとします。
メガネでもいいです。(いつも唐突ですみません)
まぁ、メガネですから、ジャンル的には、ファンタジーとか非日常ではなく、〝日常もの〟になりますよね。
あなたにとって〝メガネ〟が何か特別なものであれば、メガネが目的となり、物語の理由になります。
まず、物(アイテム)が物語の理由であるなら、その関心事や問題意識を集中させてみてください。
・必要なものか?手放すべきものか?
・何故?必要とするのか?何故手放すのか?
・誰か大切な人からのプレゼントなのか?
・そのメガネをつけるとサイア人に変身するのか?
・能力が抑えられるのか?
・メガネをつけると人の心が読めるのか?
メガネという〝物〟が対象なら、あなたとの特別な思入れがあり、関連があるはずです。
ひょっとしたら、あなたはメガネしている異性が好きかもしれませんし、あるいは、人は誰でも色眼鏡フィルターをかけて物事を偏見で見ている。またはメガネという物に、人は大きく依存して生きていることに気がついていない、という比喩を表現したいのかもしれませんね。
そのような核心部分が見つかるまでは、スケッチブックに事細かく描きすすめない方がよいと思います。
よくよく内観してみてください。その着想はもともとあなたの内にあったものですが、メガネというキーワードができても、まだ物語の理由にはならないからです。
先に挙げたパズルピースなんですよ。
物語の中心部にあたるコアの部分、つまり、目的と理由がセットになっている具体的なWHAT(何?)を探し出してみてください。
①誰?②なぜ?③どのようにの中心部、セカンドベースのWHY(なぜ?)とは、舞台設定(あなたの世界観)のことで、大きく、3つの要素が挙げられます。
①作品像
②コンセプト
③WHAT(目的)
では、一つずついきましょう。
①作品像は、題材・作風・ジャンルです。
②コンセプトとは、あなたが物語で一番描きたい、表現したいシーンです。あなたが何故その見どころシーンを描きたいのか?まず、その理由を探ることが重要です。
③WHAT(目的)とは、時代と場所(いつ・どこ?)・背景(葛藤と対立)・問題(脅威と危機)・世界(ゲームのようなルール)・秘密と謎などが挙げられます。
ほとんどの作家さんは、この目的から先に探してしまいがちで、つまり、何?(WHAT)から先に考えてしまうと、自分軸が定まっていないため、ストーリーを作っている途中でブレが生じてしまうのです。
少々わかりづらいかもしれませんが、このWHAT(目的)は、WHY(なぜ?)の属性にあたるので、描くことが目的になってしまわないように気をつけましょう。
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情報整理するには、外界のジャミング(妨害電波)をミュートにして、ひたすらあなた自身の内面にフォーカスすることが大切だと思いますし、個人的にもおすすめしています。
人間の脳は、認識する量に制限がありまから、究極的にアイデア出しは膨れ上がる情報の中から、いかに自分に必要なリソースを取捨選択するかが欠かせないかと思います。
ようするに、この問題は自分と向き合うことですから、ある意味、孤独を味わったり、寂しさを味わうことだったりします。
世の流れに沿って身を委ねてしまうのではなく、あなたはどんな生き方をしたいのか?をご自分で問うことです。
ボクはあなたに物語づくりを通して自分を耕し、人と違うことを考えたり教えたり、表現していくことは「それはちがう!これは自分だ!」と断言できる強いマインドをもっていただきたいのです。
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ストーリー作りの本質は、あなたの〝語り〟であることから、コア(核心部分)を直視することであり、繰り返し見つめ直し続けることだと思います。
小説家の五木寛之さんも、孤立ではなく〝孤独を楽しむ〟をすすめています。そして、スペインの哲学者のオルテガ・イ・ガセットのトゥギャザー・アンド・アローン(Together & Alone)という論語があります。
和して同ぜず
オルテガ・イ・ガセット
ボクは、作品力は作家力と比例すると考え、孤独の中にあなたしか見えない宝(光り輝くアイデア)があると思いますし、それを掘り当ててほしいと思っています。
それは、これまでにない価値観を受け入れようとする器を広げることですし、その精神は、心地いい居場所から断絶すること意味することかもしれません。
これまでの固定観念を壊し、脱エレファントシンドロームしていくことで、②なぜ?の認識を高め、あなたの世界舞台や世界観を豊かに表現ができるかと思います。
以上、舞台設定は、あなたの内面を象徴する世界観ということで、ご紹介させていただきました。少し観念的なお話になってしまい申し訳ないですが、最後までお読みいただきありがとうございました。
あなたの創作を応援しています。
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